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自殺しようとしたら、異世界救世主に!?  作者: Kouya
第1章 自殺と異世界と出会い
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第4話 スキル②からの魔法

1時間前・・・

異世界の境界。ここでは、時空の壁を越えてきたものにそこに住む番人アマテラスが、表世界または裏世界の説明と、どちらの世界で生きていくかを決める重要な場合である。ここに今、頭を抱え困っている者と、それを聴かされて、ウンザリしている者がいた。


「あぁ、どうしよう。レン君に『スキル』のこと教えるのすっかり忘れてたぁ・・・。このことが、もしバレたら、神々からどんな天罰が下ることか。いや、それどころか番人の職を剥奪されるかもぉ。どーしよ、ツクヨミィ?」

 今にも泣きそうな顔を近づいてくるアマテラスに、若干引きながら、もう1人の女性、ツクヨミが口を開いた。


「剥奪されるのが嫌なら、早めに神々に報告して、天罰受ければいいじゃない。あと、ツクヨミ言うなって、いつも言ってるでしょ!!」

ツクヨミ(命名:アマテラス)と呼ばれている彼女もまた、ここの番人の1人。そもそも、番人はこの2人だけでなく、世界中に10人いる。その理由は、時空の壁の亀裂もまた世界中で起こるため、一ヶ所ではカバー出来ないのである。それに対処すべく神々は10人の番人を作ったのだ。この10人のことを『ガーディアンズ・テン』と呼ぶ(アマテラスが勝手に名付けた)。

ちなみに、ツクヨミの格好は短髪で紫色の髪をしており、紫色のポロシャツのボタンを2つとも開け、下はデニムのショートパンツを履いていた。


「そんな、酷いよツクヨミ!同じガーディアンズ・テンなのに、私を見捨てる気なの?」

「だから、ツクヨミ言うなって!あと、ガーディアンズ・テンも!もう恥ずかしいったらありゃしない。」

「なんで?カッコいいじゃん。」

「・・・本気で怒るよ?」

アマテラスに対して睨みを付けるツクヨミ。

「じょ、冗談だよ~。それよりホントにどうしよぉ~?」

「・・・まぁ、しばらく様子見て、ダメそうなら神々の所に行くしかないね。神々の許可なく下界の降りた人間にコンタクトを取るのは禁じられてるしね。」

「うぅ~。やっぱりそうするしかないかぁ。」

こんな感じだが、ツクヨミにとっても大切な友達であるアマテラス。神々から招集があった場合は、フォローを入れようと決めたツクヨミであった。


◇ ◇ ◇


「気になるなら、調べればいいじゃない?」

と、言われて後ろにあった姿鏡を見た。これは、装備が整った時に自分の姿を確認するために使った鏡だった。


「この鏡で知られることが出来るの?」

「えぇ、その鏡を手で触れながら、魔力を流せば、スキルが表示されるみたいね。」

「それも、【鑑定眼】で調べたの?」

「えぇ、そうよ。」

 ミアはクールに答えていたが、後ろを振り向き「なんで、分かったのかしら?」と小声で考えていた。そりゃあ、「みたいね」って言った誰でもわかるよ。ミアはちょっと天然なところがあるみたいだ。

俺は、鏡に近づき、右手で触れて魔力を流そうとしたとき、あることに気が付き、ミアのこと言えないなぁっと感じていた。


「ねぇ、どうしたの?」

「・・・・・魔法の使い方を知らないから、魔力の流し方も分からない。」

「・・・レンって実は天然?」

お前だけには言われたくねぇ!!っと、心の中で俺は叫んだ。


◇ ◇ ◇


外に出て、さっそく魔法のレッスンが始まった。


「はぁ、最初に言っておくけど、私は魔導士じゃないから、基本的なことしか教えてあげられないよ。」

「とりあえず、魔力の流れが分かればいいから、それで大丈夫。」

内心、魔導士とは何か聞きたかったが、時間がもったいないので今度、聞くことにした。


「まず魔力って言うのは、全ての魔法の源であり、動物や植物の生命エネルギーでもあるの。魔法は、その魔力を集めて発動されるの。」

そう言うと、ミアは右手を前に出した。すると、手から水鉄砲のように水が発射された。


「これが魔法。今のは、魔力を手に集めて、集めた魔力を私の魔力と融合、魔力を水に変換し、それを勢いよく発射するってイメージで発動させたの。まぁただ、実際は魔力で水を作っただけなんだけど。」

「これが魔法・・・。」

正直、かなり驚いた。ただ、水を作っただけでも何もないところから作るなんて。


「あれ?じゃあ、何であの時熱中症になったの?水を作れるのに?」

「あ、あれは、食料探しとか、一角猪に追われて水を作る暇がなかったから。」

ミアは、目を逸らしながらそう答えた。


「もう、私の話いいでしょ!それよりも、説明続けるわよ。」

と、強引に話を戻された。ちょっと、からかい過ぎたかな?


「・・・魔法には、火・水・風・土・光・闇・聖の【属性魔法】と身体強化や素早さ向上などの【強化魔法】、空間収納や転移みたいな【時空間魔法】の3つがあるわ。今のあなたじゃあ、どの魔法も使えない。それは、魔法を使う上で大切な2つの基礎を知らないから。」

「2つの基礎?」

「えぇ、それは魔力操作とイメージ力。」

魔力操作とイメージ力、それが魔法を使う上での基礎。


「まず、魔力操作は自分の必要な部分に必要な量の魔力を大気中から集め留める。」

そう言うと、再びミアは右手を前に出した。すると、ミアの手のひらに半透明の何かが集まり、1つの塊となっていく。


「さっきより、ゆっくりやってるから目に見えていると思うけど、これが集めた魔力なの。」

「これが魔力。」

「そう。それで今度はイメージ力。この魔力の塊を、私自身の魔力と融合させて、水に変換するようにイメージする。」

見る見るうちに魔力の塊が水の塊に変わっていく。


「最後に、この水を筒から押し出すようにイメージして発射する!」

水はまるでホースの口を狭めたように細く勢いよく放たれ、目の前にあった木に直撃していた。ていうか、少し削れていた。怖!!


「これが、【属性魔法】の説明。あとの2つは時間が勿体無いから、私の試験が終わったら教えてあげるわ。じゃあ、まず魔力操作から始めましょうか。」

「あぁ」

そう言い、俺はミアの方へ移動した。そういえば、残りの2つは試験が終わったら教えてくれるって言ってたけど、試験が終わっても一緒に居てくれるのかな?


「ちょっと、早くしなさいよ。」

そんなことを考えてたら怒られた。ミアの横に立ち、手本のように右手を前に出した。


「魔法ってね。実はイメージ力だけが大切なの。魔力操作も手のひらに魔力を集めるっていうイメージを持って集中する。ただ、魔力が多すぎると暴走するし、少ないと魔法が発動しないから、その辺をうまく操作するの。それが魔力操作。」

「暴走は勘弁だな。」

そう言い、俺は目を瞑り魔力を手のひらに集めるイメージをした。

なんだろう。手が温かい。これが魔力か?

そんなことを考えてると、ミアが叫んだ。


「ちょっと!もう少し抑えて!」

「えっ?」

目を開けると、そこには2m程の魔力の塊が、今にも爆発しそうな感じになっていた。


「何じゃこりゃ!?」

「いいから、早く小さくして!」

「いや、小さくって、どうすんの?」

「あぁ!もう!」

ミアは、左手で俺の右手首を掴み、右手は横に伸ばしていた。すると、ミアは右手から魔力がゆっくりと放ち、俺の集めた魔力はどんどん小さくしていった。やがて、2mあった魔力はソフトボールくらいの大きさになったところで、魔力を放つのをやめた。


「はぁ、ビックリしたぁ。」

「ビックリしたじゃないわよ!いきなり、あんなに魔力集まて、ここら一帯を吹き飛ばすつもりっ!」

と、かなり怒られた。


「とにかく、その魔力を次は水に変換させてみなさい。」

「わかりました。」

もう怒られないように、集中して自分の魔力が水になるようにイメージした。すると、見る見るうちに水へと変わっていく。


「で、出来た。」

「最後に、その水を発射する。イメージとしては、水鉄砲を打つ感じね。」

この世界にも水鉄砲あるんだと思いながら、イメージを始めた。ミアがやったのは、ピストルタイプのじゃなく、おそらく竹で作られたタイプの水鉄砲が近いと思う。すると、水が楕円形に変化していく。水鉄砲に筒をイメージしたからか?まぁいい、そのまま魔力で小さな出口を作って、最後に後ろから魔力の塊で押し出す。

押し出された水は、ビューっと勢いよく発射され、ミアと同じように木に直撃させた。まぁ、さすがに木に傷を付けることは出来なかったけど。魔法を撃ち終わったとき俺は息を切らし、両膝に手を付いた。


「すごい、最初の魔力操作以外はほぼ完璧じゃない。」

「はぁはぁ、そ、そうか。それは良かった。」

ミアから見ても上出来だったようだ。しかし、一回魔法使っただけで、なんだこの疲労感。疲れのせいで魔法を使えたっていう感動があまりしないんだが。


「まぁ、初めて魔法を使ったからね。普通の人なら魔力操作で汗だくになるのに、あんたはその程度で済むなんて。ある意味、化け物ね。」

「さすがにその言葉には傷付くんだが・・・。」

「ウフフ、冗談よ。」

と、ミアは笑っていた。ホントかねぇ。


「まっ、何はともあれこれでレンのスキル調べること出来るじゃない。」

「あっ、すっかり忘れてた。」

魔法を使うのに必死でそんなこと頭の中から綺麗さっぱり消えていた。その様子を見た、ミアはというと、大きなため息を付きながら、呆れていた。


「さ、さぁ、早く戻ってスキル調べようぜ・・・。」

俺は誤魔化しながら小屋へと向かった。


「何で、あんな奴が好きになったんだろ?」

ミアは小声で何かを言っていたが、その言葉は俺の耳には届かなかった。

俺達は再び武器庫にある姿鏡の前に来た。


「じゃあ、行くよ。」

俺は鏡を手で触り、その手に魔力集める。


「また、暴走させないようにね。」

「わかってるよ!」

 ミアにからかわれながらも、魔力操作に集中する。てか、後ろで笑い堪えているのが鏡越しにわかる。あとで、覚えとけよぉ~。そんなことを考えていたら、ある程度の魔力が集まったので、自分の魔力と融合させ、それをゆっくりと鏡に魔力を通していく。すると、鏡が光り出し、文字が浮かび上がってきた。

・・・やべー、俺、裏世界の文字読めるかなぁ?ここに来て、文字の壁が立ちはだかったが、それは、懸念に終わった。書かれていた文字は日本語だったのだ。


「私にも見せてもらえる?へぇ、最初からスキル4つも持ってるんだぁ。すごいじゃない。」

「えっ?この文字読めんの?」

「読めるって当たり前じゃない。世界共通だし。」

日本語が世界共通?

なんて、日本人に優しい世界何でしょう。そんな、バカみたいなことを考えてながら、鏡を見た。

現状の俺のステータスは、


『スキル』

【筋力強化(常時)】Lv.1・・・通常の筋力の1.5倍の力が出る(常時発動型)。

【鑑定眼】Lv.1・・・物の鑑定することが出来る。(Lv. 1:対象物の名称のみ)

【アイテムボックス】Lv.1・・・異空間に物を収納できる。ただし、生き物は対象外。

【翻訳(常時)】・・・この世界の言葉、文字が理解できる言語に自動修正される(常時発動型)。


っていう感じだ。てか、文字読めるのもミアと話せるのもスキルのおかげだった。

俺は、自分の能力についてわからないことが多すぎる。今日の残りの時間で、能力の確認と修行をする必要があると思った。


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