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射手の統領083 オミョシ分家本拠へ

射手の統領

Zu-Y


№83 オミョシ分家本拠へ


 朝餉の後、4人部屋の片方に皆で集まって今日の段取りを確認した。


 まずは俺が、旅先で聞いたシエンのオミョシ分家の相続祝いに駆け付けたと言う体にして、シエンに面会を求める。

 面会の際は、当然全員をシエンの前に連れて行く。そこでキョウちゃんズとシエンを対面させ、前の権座主と奥方も呼ばせて、キョウちゃんズに陽の術を披露させる。前の権座主は病気を理由に出て来ないと思うがな。


 俺はまだキョウちゃんズを初陣させていないから、厳密にはキョウちゃんズは陽の術を使えないが、サキョウにウズ鏑、ウキョウにシン鏑を持たせておけば、傍目にはふたりが陽の術を使ったように見えるはずだ。

 この後、サキョウは火の術と風の術、ウキョウは氷の術と風の術を修得するために、今後もセプトの一員として同行する旨をシエンに通達し、追認させる。

 奥方は陽の術のオミョシ本家出身で、自らが火と氷の陽士だと言うから、自分の術をキョウちゃんズが修得することには賛成するだろう。


 そして、ここからが勝負所なのだが、前の権座主が出て来ていればその場で、出て来なければ部屋に押し掛けるなり呼び出すなりして、キョウちゃんズから前の権座主をユノベ副拠での湯治に誘わせる。シエンに話は通してあるので、シエンと奥方はその場で湯治に賛成し、前の権座主に有無を言わせず決めてしまう。


 それから同行者の選定だが、前の権座主の息の掛かっている家来をすべて湯治に同行させ、留守中にシエンと、シエンの側近の守役とその息子ふたりで、シエンの支配体制の足固めをさせる。


 俺たちは宿屋を出てオミョシ分家本拠に向かった。

 本拠に着いて門番に取り次ぎを頼むと門番の反応が悪い。キョウちゃんズがたまりかねて出て行くと信じられないことが起きた。門番数人が出て来てキョウちゃんズに暴言を吐いたのだ。


「なんや、勘当になった出来損ないやないか?」

「おいお前、仮にも主筋にあたる姫君に対してその言い草はなんだ?」

「本当のことを言って何が悪いんや?」

「ほう、お前らの認識を改めてやろう。これから起こることはすべてお前らの責任だからな。」

 俺はサキョウにウズ鏑、ウキョウにシン鏑を渡した。サキョウが青く、ウキョウが橙色に光り出す。

「やっちまえ。」


 俺はふたりの肩に両手を添えてキョウちゃんズと、ウズとシンと連携の仲介をする。キョウちゃんズから3倍属性攻撃矢相当の水の術と土の術が放たれて、門番詰所とその付近を粉々に粉砕した。

 門番たちはお口パクパク酸欠金魚。


「5分で取り次いで来い。さもなくば、お前らが敵対したと見做して館を攻撃する。」

 ひとりが猛ダッシュで館に走って行った。

 残りの門番どもを睨み付けると、全員が這い蹲ってキョウちゃんズに詫びた。

「姫さん、わしらが心得違いでおました。堪忍しとくんなはれ。」

「門番が他家からの伝令に対してあの態度。オミョシ分家は腐っていると見える。お前らはオミョシ分家の顔に泥を塗ったのだぞ。」

「えろうすんまへん。」

「シエンならかようなことはすまい。近頃隠居した前の権座主の指示よな。」

「左様でおます。」


「お前らが忠誠を誓う相手は誰だ?前の権座主か?新しい権座主のシエンか?」

「若でおます。」

「若ではない。権座主だ。その考えから改めよ。ところで隠居所はどこだ?」

「はい、えろうすんまへん。改めます。隠居所はあちらの離れでおます。」

「そろそろ5分経つな。サキョウ、ウキョウ、やっちまえ。」

「姫さん、やめ…。」

 再びサキョウの水の術とウキョウの土の術が、今度は離れを襲う。門番は真っ青だ。

「分かってると思うが、この被害はすべてお前らが引き起こしたんだからな。」

「もう堪忍しとくれやす。」全員が半泣きで再び這い蹲って額を地面に擦り付けている。


 隠居所への攻撃に、館内はてんやわんやになったのだが…。それにしても大騒ぎするだけで、統率の取れた動きではない。前の権座主の、本拠運営のいい加減さが露呈した形だ。シエンはこの立て直しに苦労するだろうな。


 やがて館に走って行った門番が戻って来た。

「すぐ、ご案内しますよって。」

「いや、お前の案内などいらん。前の権座主を迎えに寄越せ。」

「そんなご無体な。」

「何がご無体なだ。無礼な対応をしたのはお前らだろう?そしてそれを指示したのは前の権座主だ。

 サキョウ、ウキョウ、また5分経った。やれ。」

 3度目の水の術と土の術が再び隠居所を襲う。今度は門番全員が隠居所へすっ飛んで行った。ここががら空きじゃねぇか。警備も減ったくれもねぇな。


 しばらくして30代そこそこの壮年の男が取り巻きと一緒にやって来た。

「すまなんだの。こちらの手違いや。」

「お前は誰だ?」

「わしが権座主や。」サキョウとウキョウが頷く。

「貴様は権座主ではない。権座主はシエンだ。」

 俺の威圧に引きつる前の権座主=隠居。


「そしてこれはサキョウの分。」

 俺は一気に間合いを詰めると前の権座主を思いっきりぶん殴り、前の権座主は吹っ飛んだ。騒ぎ出した取り巻きをサジ姉が麻痺の術で無力化する。

 俺はゆっくり歩いて前の権座主に近寄り、襟首を掴んで引き立てた。

「そしてこれがウキョウの分。」

 俺はもう一発、前の権座主を思いっきりぶん殴った。再び派手に吹っ飛ぶ前の権座主。俺は再び前の権座主にゆっくりと歩み寄った。


「あわわわ。」

 言葉にならない前の権座主に俺は命じた。

「おい、新しい権座主へ挨拶するゆえ、そなた案内せよ。」

「あわわわ。」

「早く案内せんか!」一喝すると前の権座主はふらふらと立ち上がり、両手で押さえた口と鼻からぼたぼたと血を垂らしながら、俺たちを先導し始めた。


 館から出て来た家来衆が、ぼたぼたと血を垂らしながら俺たちを先導する前の権座主を見て顔面蒼白になりながら道を空ける。そこを俺たちは悠々と、手を出せない家来衆を睥睨しながら通って行った。表座敷の前に着くと、前の権座主が消え入りそうな声で告げた。

「こちらでおます。」

 俺が目配せすると、サジ姉が前の権座主に回復の術を掛けて治した。

「案内、大儀。もうよい、さがれ。」緊張の糸が切れてへたり込む前の権座主を無視して、俺たちは表座敷に進んだ。


 表座敷の主の座にはシエン、下の座には重臣5名が居並ぶ。

 主の座の対面の客の座の中央に俺、俺の両隣にキョウちゃんズ、俺の後ろにサヤ姉、サジ姉、ホサキ、アキナ、タヅナが座った。

「シエンどの、この度はオミョシ分家御相続並びに、新たな権座主御就任、誠に目出度く存ずる。旅先ゆえ十分な準備もないが、取り敢えず心ばかりの祝いゆえ、お納め願いたい。」

 俺は熨斗で包んだ大金貨1枚を差し出した。

「これは就任早々にご丁寧なご挨拶やな。アタルどの、おおきに。」

「されば、以前よりこちらからシエンどのにお願いしていた、オミョシ分家とユノベの同盟を、改めてお願いいたす。いかがであろう?」

 室内がざわめく。流石にこの申し出には、重臣どもも驚きを隠せないようだ。

「それは願ってもないことや。こちらこそよしなに。」


 話が一段落ついて、それまで黙っていたキョウちゃんズが口を開いた。

「「兄上、お久しゅう。」」

「おお、サキョウにウキョウ、久しいな。アタルの下で精進してるようやな。」

「アタル兄のおかげで陽の術を使えるめどが立ちましたのえ。」

「陰の術もさらに高めておりますのえ。」

「ふたりとも、何よりや。

 皆の者、俺が相続して最初の命や。心して聞け。分家では単一能力に関する掟を廃止する。単一能力の者はその術に専念して磨き、高めることとする。よって、ただいまをもって、サキョウとウキョウの勘当を解く。以上や。」

「「「「「ははっ。」」」」」重臣全員が平伏した。

「「兄上、おおきに。」」感極まったキョウちゃんズが涙ぐむ。


「堅苦しいことはこれで終いや。サキョウ、ウキョウ、楽にせい。随分大人びよったな。背も大分伸びたやないか。」

「「はい。」」

「アタル、妹たちがえろう世話になったようやな。」

「なんの、世話になってるのは俺の方だ。ふたりはもはや欠かせない戦力だからな。残る七神龍はあと4体いるから、サキョウとウキョウは返さんぞ。」


「アタル兄。」ウキョウが催促してきたのでシン鏑を渡すとウキョウの体が橙色に光る。

「「「「「おおお!」」」」」重臣どもから感嘆の声が上がった。

「おお、ウキョウもか。」シエンが嬉しそうに言葉を発した。シエンは、ウキョウがシン鏑に共鳴して橙色に光るところは初めて見るのだ。

「はい。」ウキョウが嬉しそうに答えた。

 俺はサキョウにもウズ鏑を渡したので、サキョウが青く光った。

「「「「「おおお。」」」」」再び驚く重臣ども。

 しかし、シエンはニコニコしているだけだ。シエンは、サキョウがウズ鏑に共鳴して青く光るところはすでに見ているからな。


「シエン、ふたりの陽の術を見るか?」

「また隠居所にぶち込むんかいな?」ケラケラと笑うシエン。

「すまんな。隠居の意を受けた門番が邪魔して来たからつい…な。」

「かまへん。あいつらも誰が主かこれでよう分かったやろ。それから父上も余計な小細工などして十分懲りたやろな。ほなら見せてもらおか。

 おい、母上も呼んで来てくれや。」


 奥方が出て来て、キョウちゃんズとの、感動と涙の再会を果たして一段落ついてから、ほぼ倒壊した隠居所へキョウちゃんズが水の術と土の術を撃ち込んだ。さらに、仕上げでシエンが雷の術を撃ち込んで、隠居所は完全に崩壊した。

「「兄上、すごいやないの!」」キョウちゃんズがハモる。

「ふたりに負けてられへんよってな。」と言ってシエンが微笑んだ。

 シエンはこの間に雷の術を修得して陰陽士になっていたのだ。


 今日の一連の行動は、朝餉の後の打ち合わせとは多少違ってしまい、行き当たりばったりのようだが、俺としてはそれなりに計算している。

 いきなり門番が邪魔して来たのは確かに想定外だったが、オミョシ分家の家来どもに軽んじられてたキョウちゃんズに陽の術を使わせ、一気にキョウちゃんズの威信を回復させると同時に、キョウちゃんズを無能扱いして勘当した前の権座主の判断ミスを家来どもに知らしめてやった。


 続いて5分ごとに陽の術を放って暴れることで、前の権座主を引きずり出した。これは古都でギルマスのダイワを追い込むときに使った方法だが、最初の5分で本当にぶっ放せばかなりの効果がある。実際に権座主は駈け付けて来たからな。


 そして家来どもの目の前で、サキョウの分、ウキョウの分といちいち断ってから、前の権座主を2発ぶん殴った。わざと出血しやすい鼻を狙って手加減しなかったから鼻血は吹くし、口からも出血しやがった。手応え的には、鼻骨だけでなく、前歯も何本か逝ったはずだ。

 この状態で分家本拠の中を、家来どもの前に無様さを晒すように俺たちの先導をさせて、館の表座敷まで案内させた。


 その一方で、シエンには礼を尽くしてオミョシ分家相続と権座主就任の祝いを述べ、こちらからユノベとの同盟を持ち掛けた。


 キョウちゃんズの処遇での判断ミスを暴かれた上に、家来どもの前で無様さを晒された前の権座主と、俺から礼をもって対等に扱われ、さらにはこちらから同盟を頼んだことで、大いに株を挙げたシエンとでは、今後の家来どもからの評価が大きく変わるであろう。


 さてそろそろ仕上げと行くか。俺はキョウちゃんズに目配せをした。

「兄上、父上の御病気ってなんやの?」

「漫然とした体調不良でな、原因がよく分からんのや。」シエンが困ったように首を振る。

 そりゃそうだ。仮病だからな。シエンも役者やのぅ。笑

「兄上、父上の病気療養に湯治はどうやろか?」

「湯治か?」

「ユノベ副拠には源泉の違う温泉が3つもあるんよ。のんびり温泉三昧で病気も吹っ飛ぶんやないの?」

「お、それはいいな。シエン、遠慮はいらんぞ。何なら奥方もご一緒してはいかがか?」

「あら、私もよろしいんですか?」奥方はオミョシ本家の出だから西の言葉ではなく東の言葉だ。

「もちろん。前の権座主どのは隠居して身軽になったからな。護衛にお気に入りの家来も好きなだけ連れて来ればよい。」

「では父上を呼んで来てくれや。」


 しばらくして前の権座主=隠居が現れた。

「シエン、わしを呼びつけよるとは随分…。」入って来ながら文句を言っていた隠居は、俺たちを見付けてぎょっとして口をつぐんだ。俺たちが帰ったと思ってたんだろうか?そのままシエンの脇まで行って腰を下ろした。


「父上の御病気をサキョウとウキョウがえろう案じてましてな、湯治はどうやろかと言うんですわ。」

「父上、行こ。」「一緒に行こ。」

「湯治?どこでや?」

「ガハマのユノベ副拠だ。泉質の違う源泉が3つもあるぞ。」

「敵地やないか!」

「敵地?何言うてまんのや。ユノベとは敵対しておらんし、今しがた同盟を結んだとこでっせ。」

「同盟やと?わしに相談せずにか?」

「父上も喜びはると思うたんですわ。実は、俺とアタルは気が合いましてな、サキョウとウキョウもえろう世話になっとるし、ええんやないですか?」


「わしは認めへんぞ。」いきり立つ隠居。

「おいおい、頭を冷やせよ。オミョシ分家の権座主とユノベの次期統領が、直接話して決めたんだぜ。それをたかが隠居風情が反故にできると思ってるのか?」

「なんやと?」

「まぁ、雑事を忘れてゆっくりして行け。同盟相手の隠居どのだからな、たっぷりもてなしてやるよ。」

「よくも抜け抜けと…。」


「そう言えば、隠居どのの影武者と門番だがな、ありゃ躾が悪いな。特に影武者な、隠居どのの知らないところで門番に要らぬ入知恵をしていたから、少々懲らしめといたぞ。隠居どのももう少しまともな影武者を使った方がよろしいな。顔は確かに似ていたがな、品がないからすぐ偽物だと分かったぞ。」

 一同が噴き出す。

「な、な、な、なんやて!」

 隠居のこめかみに血管が浮き上がる。影武者ってことにして、面目を保ってやったのが分からないのだろうか?

「勝手にせい!」あ、分かったみたいだな。笑


「同道させる家来衆を選んどいてくれ。出発は明日の10時。商都とオツで1泊ずつ、オツからは一気に湖船でガハマに入るからな。」

「そんなん急過ぎや。いくらなんでも無理やで。いろいろ都合があるやないか。」

「気軽な隠居が何を言うやら。家来衆で明日の出発に間に合わない者は後を追わせればよいではないか。」

「父上、善は急げと言いますやろ?こちらには爺もおるしな、あとのことは心配ご無用でっせ。」新権座主のひと言で、そう言うことになった。


「そうだ、隠居どの。これを返しとこう。」俺はサンキから預かっていた金貨2枚を隠居の前に放った。随分無礼な返し方を敢てしてやった。

「なんやこれは。」

「サンキさんから預かった。サキョウとウキョウが世話になった礼だと聞いたがな、世話になってるのはこちらの方だし、ふたりはセプトの大事な仲間、つまりわが身内ゆえ、このような無駄な気遣いは無用。」

「気持ちやがな。」

「そんな軽い気持ちなど却って迷惑だと言ってるのだ。素直に収めよ。」俺は隠居を威圧した。

 シエンも含めて皆が行方を見守る中、隠居は俺に気圧され、そそくさと金貨2枚を収めた。シエンも奥方も重臣も呆れていた。これで隠居の人望は地に落ちたな。トドメを刺したと言ってもいいだろう。


 その後、シエンからは泊って行けと言われたが、すでに宿屋を取っているからと断った。そしたら夕餉だけでも食って行けと言うので馳走になることにした。

 夕餉の席に、隠居は調子が悪いと言って出て来なかったが、奥方は出て来てキョウちゃんズと話し込んでいた。奥方が泣いている。勘当後のふたりの苦労話を聞いているのだな。


 俺はシエンとシエンの側近たちと酌み交わして大いに親交を深めた。シエンはまだ14歳だから未成年なのに結構いける口だった。10歳ぐらいから呑んでたそうだ。真面目一辺倒な奴かと思っていたが、意外とやんちゃな一面もあるのだな。


 側近筆頭の守役は、シエンからは爺と呼ばれているが、まだ40前である。俺はシエンと側近筆頭の守役と腹を割った話をいろいろしたが、その中でも影の者の扱いについては特に重要視した。

 シエンは、影の者の存在は知ってはいたようだが、直接使える状態にはなってなかった。隠居が影の者の支配権を握っていたことは明白だ。

 俺は、俺直属の忍の者を使って、影の者のほとんどをシエンに付かせたことを伝え、隠居が影の者を使い捨てにしていたせいで早々に見限られたので、影の者を股肱の臣の如く大事にするようにアドバイスした。

 影の者への工作については、シエン以上に側近筆頭で、守役だった爺が大層感謝していた。

 最後に、シエンから流邏石の登録の許可をもらって、キョウちゃんズと俺の分をアーカの館に登録して、オミョシ分家本拠を後にした。


 宿屋に戻ると忍の者が来たので、

 明日、俺たちが隠居を連れてアーカを出たら、影の者の代表は早々にシエンに目通りを願うこと。

 隠居の一行の人数が分かった時点でガハマに先駆けして人数を伝えること。

 俺たちがオツから湖船に乗り、影の者がアーカに戻ったら、俺たちの護衛を残して忍の者の多くはアーカに戻り、今後の同盟のために忍の者と影の者で親睦を深めること。

 この3点を指示した。


 部屋に戻ると今夜の輪番はキョウちゃんズだ。

 ふたりから、勘当が解かれたこと、自分たちのために隠居に仕返しをしてくれたことついて、三つ指ついて深々と頭を下げて礼を言われた。こういうところは妙に律儀なキョウちゃんズなのであった。


 トリトでライたちに言われて腹を括っていた俺は、その夜、ふたりを頂マッサージではなく、普通の大人嫁として扱った。

 ふたりは初めての舌遣いと秘部への攻撃に、女の悦びの一端を垣間見て、何度も痙攣して果てた。もちろん本番は抜きだ。それはまだだ。

 もはや胸はぺったんこではない。まだほんの小さな膨らみではあるが、巨乳が苦手な俺には巨乳より貧乳の方がマシだ。秘部は相変わらずツルツルであったが、そこは仕方ない。


 この夜のふたりは俺の本格的な攻撃のせいで、マイドラゴンを世話する余裕などまったくなかった。このため、放置されて暴走したマイドラゴンが危うく俺の理性を乗っ取りそうになったのだが、何とか理性が勝った。

 多分だが、昨夜、ホサキに散々吸い取られたおかげである。溜まっていたらどうなっていたことやら。


 次も理性が勝てるだろうか?やばい、どうしよう。

設定を更新しました。R4/7/3


更新は月水金の週3日ペースを予定しています。


2作品同時発表です。

「精霊の加護」も、合わせてよろしくお願いします。

https://ncode.syosetu.com/n2050hk/


カクヨム様、アルファポリス様にも投稿します。


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