射手の統領047 勅許状ゲット
射手の統領
Zu-Y
№47 勅許状ゲット
昨夜の嫁3人のご奉仕のおかげで、今朝は爽快な目覚めで朝を迎えた。
嫁3人は夜中にそれぞれの部屋に帰り、俺はひとりで寝ていたはずなのだが…。キョウちゃんズがベッドに潜り込んで来ていた。
両サイドからそれぞれ俺にしがみつき、あどけない顔で眠っている。まったくしょうがない寂しがり屋さんたちだ。
さて、どうやってふたりを起こしてやろうか?
そうだ、昨日、ときどきは頂を弄ってやらないと、成長への加速が失速するかも。と言われたっけ。
俺は、ふたりの寝巻の裾を捲り上げ、寝巻の中に手を突っ込んで、ふたり一緒に頂きに触れた。ふたりとも、確かにつんつんしている。しばらく弄ってると、ふたりの寝息が心なしか荒くなって来たような気がする。
「いや~ん、アタル兄のエッチぃ。」
「もう、朝からなんやのぉ?」
「やっと起きたか。いつの間に潜り込んで来たんだよ。」
「夜中にトイレに起きたら、怖なってしもてん。」
「夜中に目が覚めると、よう眠られへんのや。」
「よく言うよ。ぐっすり眠ってたじゃないか。」
「アタル兄の横やからや。」
「アタル兄の隣は安心するねん。」
「愛い奴らめ。こうしてくれるわ。」ふたりをギュッと抱き締めた。
「「きゃー。」」黄色い声が上がる。
「さて、おふざけはこのくらいにして朝餉に行こうか。」
「「うん。」」
俺、嫁3人、キョウちゃんズの6人で、わいわい楽しく朝餉を摂った後、今日は別行動なので皆と別れた。俺は帝居へ、5人はテンバの町へ。
出発前に叔父貴たちに勅許状の謝礼の相場を聞くと、大金貨1枚と言うではないか!聞いてよかった。俺は金貨1枚くらいかと思っていた。1桁違う。
テンバのユノベ本拠館前で、アキナとタヅナに渡す流邏石を登録して出発準備完了!
流邏石で東都ギルドに飛ぶ。ギルドから帝居の大手門まで30分ほど歩いた。大手門に着き、門番に尋ねる。
「願いの筋があって参った。俺はアタルと言う。西都ギルドのギルドマスター、サンキさんの紹介状がある。すまないが取次いでもらいたい。」
「西都のギルマスと言えばコノエ様か?」
俺は紹介状を門番たちに見せると、ひとりが慌てて帝居の中へ飛んで行った。ちなみに帝居の門番は、衛士と言うそうだ。
しばらくして帝居の中のたくさんある取次の間のひとつに通された。ソファーがふかふかだ。案内してくれた門番=衛士は、ドアの横に控えている。俺の監視も兼ねているのだろう。
メイドさんが来てお茶と茶菓子を出してくれた。お茶を頂きながら、絵や調度品を眺める。流石帝居、茶器に至るまで高級品だ。ちなみに帝居ではメイドさんとは言わず、侍女と言うそうだ。
ドアが開いて、若い男と中年の男が入って来た。衛士がビシッと敬礼する。若い男は俺の少し上だ。20歳前後だろう。
「待たせたの。こちらは次ノ宮殿下であらせられる。」中年の男が若い男を紹介した。何と言った?次ノ宮殿下だと?俺は立ち上がり、深々と頭を下げた。
「まあ座れ。サンキの紹介状を持って来たそうだな。」殿下が直に話し掛けて来た。
「はっ。」俺はサンキの紹介状を出し、中年の男=おそらく侍従に渡した。侍従が安全確認をして殿下に渡す。
「殿下、確かにコノエ様の手跡です。花押もあります。」
「サンキから今上帝陛下に手紙が来ておる。余が陛下よりこの件を一任された。そなたは金剛鏑を何に使う?」
俺は侍従の方を見た。侍従は指示を仰ぐように殿下を見た。
「ほう、先程の手紙の出し方といい、そなた心得があるな。よい、直答を許す。」
「はっ。金剛鏑で、和の国中に割拠する七神龍を攻略します。」
「何のために攻略する?」
「荒ぶる神でもある神龍を眷属とし、周辺の民の災害を除きます。
大獣、猛獣、妖獣の出現頻度、常軌を逸しておりますれば、災いの前兆やもしれぬと存じ、非常事態に備えるため、神龍の力を手に入れます。
何ごともなければ、和の国の平和維持のため、帝家をお守りするために神龍の力を使います。」
「帝家の盾と矛には武家がおる。冒険者に頼らなくてもよいのだぞ。」
「私はその武家でございます。」
「そなた射手よな。ユノベ家の縁者か?」
「ユノベ・アタルと申します。」
侍従が殿下に耳打ちした。
「ユノベ家の嫡男と申すか!」
「はい。七神龍攻略は、統領に就くまでの武者修行を兼ねております。」
「すでに2体を攻略したと聞いたが?」
「はい。フジの霊峰の黄金龍とビワの聖湖の蒼碧龍を攻略しました。この2神龍は、私の眷属であり、仲間であり、師匠でもあります。」
「師匠とな?」
「はい。眷属にするにあたり、黄金龍をライ、蒼碧龍をウズと名付けました。私は、ライとウズから様々な知識を得ております。七神龍に関する知識もライとウズから得たのです。」
「その神龍を封じた鏑を見せてもらえぬか?」
「承知しました。」俺はライ鏑とウズ鏑を懐から取り出した。黄色く光る鏑と青く光る鏑を見て、殿下と侍従は驚いていた。
「いいものを見せてもらった。アタル、その2つの鏑を所望じゃ。」
「お断りいたす。」
「何と申した?」
「殿下。よくよく考えられよ。帝家は武を持たず祭祀を司ることで、尊崇の念を集めておられる。帝家が武を持たぬゆえ、われら武家は命を懸けて帝家をお守りするのだ。その帝家の宮様が武に惹かれるなど言語道断。帝家を滅ぼす危険なお考えと心得られよ。直ちに改めるべきと存ずる。」
「無礼な。何たる物言いだ。」侍従がいきり立つ。
「そなたは侍従よな。先程のわが台詞は、本来侍従たるそなたが、殿下をお諫めする内容ではないのか?何が無礼なだ!侍従の座にふんぞり返る前に、侍従の本分を思い出すがよい。さもなくば侍従の座を返上せよ。」
「おのれ、侍従たるわしに向かって何たる暴言。」
「アタル、そなたの言う通りだ。先程のは、余の戯れと思って聞き流してくれ。」
「承知いたしました。」
「殿下!この者の無礼をお赦しになるのですか?」侍従が食い下がる。
「そなたは謹慎せよ。」殿下が侍従に言い渡した。
「は?何と仰せで?」
「職務怠慢だ。余に対する諫言を怠った。ユノベの次期統領の、余に対する諫言に対して無礼と申した。無礼なのはそなたの方だ。
衛士、こやつを連行し、代わりの侍従を連れて参れ。」
「はっ。
おい、立て!」
「殿下、お赦しを。」
侍従は衛士に、後ろ手に拘束され、半泣きで連行されて行った。
「これが勅許状だ。」
「ありがたき幸せ。これは心ばかりのお礼でございます。」
俺は大金貨1枚を差し出した。
「ほう、ユノベは豪気だの。
ところで、これは余からアタルへの個人的な頼みなのだが、新たな神龍鏑を手に入れるたびに見せに来てくれんか?」
「承知しました。」
その後、謹慎となった侍従を連行して行った衛士と一緒に、代わりの侍従が来て、殿下と退出して行き、俺は衛士に付き添われて大手門まで送られた。
その最中に、衛士がこっそりと話し掛けて来た。
「ここだけの話だがな、あの侍従の野郎は普段からふんぞり返ってていけ好かなかったんだ。奴にはよい薬だ。」
「確かにそんな感じの奴だったな。」
「次ノ宮殿下は昔からやんちゃでな、ただあんたの諫言を聞いたあの素直さと、俺たちにも気さくに話し掛けて来るお人柄で、俺たちは殿下を慕っているのさ。」
「確かに、あの素直さは殿下の度量が大きい証だな。」
「へーこらせずに、ズバッと言ったあんたも気に入ったぜ。さすがユノベの次期統領だ。」
「ありがとうよ。」
「俺は衛士のサエモンだ。よろしくな。」
「俺はアタルだ。こちらこそよろしく頼む。」
俺は大手門でサエモンと握手して別れた。
適当な屋台で昼餉を済ませて、山髙屋東都総本店に向かう。流邏石は1里(4㎞)以内では作動しないので、東都内は徒歩移動だ。活気のある街並みを歩くのは楽しい。
東都総本店に着いて、受付でアキナを呼んでもらった。しばらくすると、アキナとタヅナが走って来た。ふたりはそのまま抱き付いて来る。危ねぇな。苦笑
「アタルぅ、お久しぶりぃ。」
「タヅナじゃないか。ミーブじゃなかったのか?」
「ミーブにはぁ、いったん帰ったわよぉ。アタルと合流するのにぃ、昨日から営業所に来たのよぉ。」
「営業所?」
「キノベ陸運の東都営業所よぉ。」
「へー。そんなのがあるのか?ところで、御父上との話はどうなった?」
「姉上は乗り気よぉ。でも兄上が反対してるのぉ。そのせいで父上は態度を明らかにしないのよぉ。」
「そうか、後で詳しく聞かせてくれ。
で、アキナ。引継ぎの状況は?」
「あと2~3日で終わります。」
「そうか。早く終わらせてユノベに来いよ。」
「はい!」満面の笑みのアキナ。かわいい。
俺はユノベ本拠館の流邏石をアキナとタヅナに渡した。
「私も頂いてぇ、いいのかしらぁ?」
「当然だよ。状況を詳しく聞いたら、作戦を立てよう。義父上と義兄上は必ず説得するさ。
ところでふたりは他の流邏石を持ってるの?」
「私は東都総本店と商都西本店のを持ってます。」
「私はミーブとぉ、東都営業所のがあるわぁ。」
「そうか。皆で東都に戻るとき、俺たちはギルドだけど、ふたりは別の場所か。ふたりはギルドの流邏石もあった方がいいな。」
俺は東都ギルドの流邏石を、ふたりの分用意することにした。
「アキナ、悪いけど3人で話ができる個室を貸して。」
「私のお部屋ではいかがでしょう?」
「お、いいね。」
俺たち3人はアキナの部屋で、タヅナからキノベの状況を聞くことにした。
設定を更新しました。R4/4/10
更新は月水金の週3日ペースを予定しています。
2作品同時発表です。
「精霊の加護」も、合わせてよろしくお願いします。
https://ncode.syosetu.com/n2050hk/
カクヨム様、アルファポリス様にも投稿します。




