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射手の統領019 女子会

射手の統領

Zu-Y


№19 女子会


 商隊顔合わせの解散後、すぐにサンファミが来た。

「よろしくな。アタル、ジュピと呼んでくれ。」

「こちらこそよろしく。」

「まさか噂のセプトと組めるとはな。お手並み拝見だ。楽しみにしてるぜ。」

「え?俺たち、噂なのか?」

「特にお前がな。」

「なんで?」

「登録した初日に、たったひとりで厄介者のチカラワザ4人を瞬殺で懲らしめた。初めて受けたクエストは結構な難易度のやつを同時に2つ。そしてその日のうちに両方仕上げた上に、スズメバチの巣は余分に退治して来たんだろ?」

「誰から聞いたのさ?」

「なっちゃんしかいないだろ。」

「ちょっと、チナツさーん!」

 チナツ、てへぺろ、じゃねーだろ。チナツは受付業務に戻って行った。


 小父さんとアキナもやって来た。

「アタルさん、パパから聞いたんですが、昼間、私の仕事を見てたそうですね?」

「ああ、てきぱきした指示ぶりに見惚れてたんだが、今の仕切りはそれ以上で、正直感動したよ。

 俺たちの自己紹介を聞いて、すぐにあの編成を考えたり、式神の独創的な使い方の発想もすごい。」

「ごめんなさい、そんなんじゃないのです。サンファミとセプトのメンバー構成はチナツさんから前もって聞いてましたし、式神の使い方もあらかじめ考えてました。」

「そうなんだ。でもさ、それでも凄いよ。それとさ、呼び方はアタルでいいから。」

「では、私のこともアキナって呼んで下さい。」と微笑む。おい、今更だが、アキナは超かわいいな。スレンダーで、小振りな双丘。ストレートのロングヘアー。モロ俺好み♪

 あ、サヤ姉とサジ姉がジト目でこっちを見ている。今の心の内を見抜かれたかな。でもホサキは気付いてないな。マイペースだなー。笑


 俺は慌てて小父さんの方を見て、話題を変えた。

「それに小父さんも凄い人だったんだね。」

「はて、私が社長と言うのは、うちの店でお話ししたときに分かってらしたのでは?」

「いや、社長と言うのはどうでもよくてさ、さっきの対応だよ。アキナのあの目力を余裕で受け止めるし、皆の前でわだかまりなく社員に謝っちゃうし、穏やかな威圧感は超怖いし。いやはや、お見それしました。」

「これはこれは。」と言ってほほ笑む小父さん。


「ところでアキナは、陸運隊隊長のタヅナさんとは仲いいの?」

「え?分かりますか?もう何度か一緒に仕事してるのと、同じ年なので、話も合うのです。」

 アキナはタヅナの方を向いて、

「タヅナー、ちょっと来て下さい。」

 アキナに呼ばれたタヅナがやって来た。


「私たちが仲いいの、アタルに見抜かれてしまいました。」

「あらぁ、この短時間でぇ?よく分かったわねぇ。」

「まぁ、何となくね。ふたりの息が合ってたからかな。

 それにしても、タヅナさんもその若さで隊長って凄いな。」

「タヅナでいいわぁ。親の七光りかしらねぇ。」やっぱりキノベの姫か。

「あ、やっぱりそう言うことだったか。」

「あらぁ、察してたのぉ?大したものねぇ。」

「タヅナ、何が親の七光りですか。あれだけ乗りこなしててよく言いいますね。」

「あらぁ、乗りこなしてるんじゃないわぁ。乗せてもらってるのよぉ。相棒がぁ、指示通りにぃ、動いてくれるのはぁ、的確な指示とぉ、信頼関係なのよぉ。無理やりぃ、従わせようとしてもぉ、言うことを聞いてはぁ、くれないわぁ。」

「そうか、それが馬の技のコツか。

 実は俺、馬の技が苦手なんだよな。馬が全然言うことを聞かなかったんだけどさ、無理やり言うことを聞かせようとしてたんだな。きっと。」

「今度ぉ、時間があったらぁ、教えて上げるわぁ。」

「そりゃどうも。ぜひとも、よろしく頼むよ。」

 タヅナが微笑む。おい、今更だが、タヅナも超かわいいな。スレンダーで、小振りな双丘。ストレートのロングヘアー。モロ俺好み♪

 あ、サヤ姉とサジ姉がジト目でこっちを見ている。今の心の内を見抜かれたかな。でもホサキは気付いてないな。マイペースだなー。笑


 俺の心の内を察したサヤ姉が、話に入って来た。

「ところでふたりは同じ年だそうだけどおいくつなの?」

「16です。」「16よぉ。」

「おお、それなら私も同じ年だぞ。」ホサキが会話に加わった。

 当然、サジ姉も加わり、女子会が始まってしまった。


 女子会が続く中、サンファミは早々に帰った。小父さんとハンジョーとタヅナ隊隊員も明日の準備があるからと帰って行った。俺だけ、残ってしまった。脱出し損なったと言うべきか。

 女子会が一段落して、俺と、サヤ姉、サジ姉、ホサキ、アキナ、タヅナの女子5人の、計6人で夕餉に行くことになった。東都出発前夜は、お気に入りの東都前(ととまえ)寿司で決まりだな。


 店に入ると大将が、

「おい、兄ちゃん、また別嬪をふたりも増やしたのかよ。」と、半ば呆れ顔だ。

「このふたりは違うんだ。」と言うと、

「じゃぁ、最初の3人はそうなのかよ。」とツッコんで来た。

「いやぁ。」ニヤっと笑みを浮かべて思わせぶりに引っ張ってから、

「実は3人とはパーティを組んでるんだけどね、こちらのふたりは今回の仕事仲間なんだ。今回の仕事でしばらく東都を離れるんで、今夜はここに連れて来たんだよ。」

「そいつぁ、嬉しいねぇ。たっぷり食ってってくんねぇ。」

 やっぱこの店は旨いなぁ。アキナとタヅナも大いに気に入ってくれた。


 今日、荷馬車に積み込みをした関係で、今夜、タヅナ隊は山髙屋に泊まるそうなので、俺は、3人を先に宿屋に帰して、アキナとタヅナを山髙屋に送って行った。

 ふたりが今まで組んでこなして来た仕事の話を聞きながら、俺は、七神龍をすべて眷属とするために和の国を巡るにあたって、馬車を手に入れて、交易を行うことの有用性について考え始めていた。

 さすがに責任あるポジションにあるこのふたりをセプトに迎えるのは無理だろうが、将来的には騎士と商人をパーティに加えようと言う構想が強くなった。


 宿屋に着くと、シャワーを浴び終えたサヤ姉とサジ姉がベッドで寛いでいて、ホサキがシャワーを浴びているところだった。3人と同室で、生殺しとは切ない。思わず溜息が出る。


 そういえばホサキは、毎晩風呂で裸になって俺の背中を流せと、御継母上に言われてたんだよな♪

 ホサキが出て来て、入れ替わりに俺がシャワールームに入るとき、ジーっとホサキを見つめてみた。アタル、背中を流そうか?と言ってくれ。頼む!眼が合ったのだが、ホサキは首を傾げて、何?と言う仕草をしただけだった。

 ホサキよ、御継母上の言い付けをもう忘れたのか?


 あ、そうだった。こいつは、初めて会ったときも、御父上からの言い付けをすっ飛ばして、ゴロツキパーティに声を掛けたんだった。

 素直なホサキは両親の言うことはよく聞くが、両親の忠告を忘れてるんでは聞きようがないわな。


 俺はひとりでシャワールームに入った。シャワーを浴びつつ、冷静に考えてみると、サヤ姉やサジ姉がいるのに、ホサキが裸になって俺の背中を流しに来る訳がないよな。何をテンパってるんだ俺は。俺もまだまだだな。

 シャワーを浴びてさっぱりしたので、今夜は早く寝よう。


 ベッドに入ってもなかなか寝付けない。3人が気になる。いや、早く寝るんだ。明日は早朝に出発なんだぞ!

 しかし邪魔が入った。

「アタル、商都までの道中、どうしても我慢が限界になったら言って来なさいよ。」

「え?」期待してしまう俺。単純である。

「今夜は…期待…しても…だめ…。でも…別の…方法が…ある…。」

「どんな?」

 サヤ姉とサジ姉は微笑んで答えてくれなかった。別の方法?何それ。どうするの?やばい、気になる。


 俺は朝まで眠れなかった。


設定を更新しました。R4/1/30


更新は月水金の週3日ペースを予定しています。


2作品同時発表です。

「精霊の加護」も、合わせてよろしくお願いします。

https://ncode.syosetu.com/n2050hk/


カクヨム様、アルファポリス様にも投稿します。


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