表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/22

17 ゲスト21の母親

人間の信仰する【神】には数種類の【神】が存在する。


すべてを凌駕する超常的存在。


一般の人間よりも能力はあるが超常的でない存在。


尊敬されたり恐れられたが為に、祭り上げられた存在。


実在の人物名が登場するが童話とも寓話とも分からない書物で唱われた存在。


慈愛に満ちていて人間の理想とする想像の産物。


少なくとも最後の存在は実在しないと、産みの親の生涯を見聞きして確信している。


狂った人間達、【醜狂家しゅうきょうか】達に言わせれば、神の試しだの試練だのと言うが、そんな事は絶対に無い事象が実在する以上、この世に彼等の妄想する【万人を愛する神】は実在しない。


母は家が豊かでない事で学校で虐められ、強姦に襲われて精神に異常をきたしたと聞いている。

警察は事件を取り上げてはくれず、私を身ごもった事が分かった時には法律で堕胎できない時期になっていたらしい。

症状が日々悪化していた母は、私が五歳の時に実家に火をつけて祖父母と共に生涯を終えた。


勿論、そんな生れの私自身まも周囲からは疎まれ、白い目で見られ、祖父母は生活の為に働いていたので一人遊びばかりしていたのが幸いなのか、不幸なのか火災から生き残った。


母親と祖父母を失い、親戚も見つからないまま送られた孤児院では虐めの毎日だった。


義務教育で送られた学校では孤児だからと虐められ、孤児院では年長者のオモチャにされ虐められた。


15歳で働きに出された職場では安い賃金で酷使され、逃げ出した先では、文明国内で飢え死にしそうになり、窃盗や犯罪以外に生きる術はみあたらなかった。


「神は、私達の心の中にいらっしゃいます」


ある者はコノ様に、客観的には【妄想】であると証明する発言をしている。

妄想上の彼氏、彼女、友達と同列の存在を肯定する段階で、彼等は病人なのかも知れない。

【神にすがる】と言う者のほとんどは、多大なストレスを抱えていたり、幼少期より地域的に洗脳されていたりする者であるのは間違いない。


逆に神格化まで行かなくても、イスラム教の開祖である【ムハンマド】氏は、キリスト教徒からは【悪魔バフォメット】と呼ばれている。


だから、私が信奉する存在が、

他者に【悪魔】と呼ばれようと、私は信奉するのだ。

『皆が、そう言っている』と騒ぐのは、自分で考える事も責任を取る事も放棄した【無責任な被洗脳者】でしかない。

社会的奴隷や病人でしかない。






24年前、そんな人生を送らざるを得なかった私が、別件の冤罪で投獄された21歳の時に、刑務所の図書室で聖典と出逢った。


異国の文字/後にカナン語と判明/で書かれた書物には、ビッシリと翻訳が書き込まれていたが、最後の一ページの途中で途切れていた。

666ページのうち、一枚だけ紙で無かったのが印象に残っている。

これ程のページを読み込んでいけば、単語や文法などが読み解け、最後の一ページの翻訳も無理では無かった。


要約するならば、異界の精霊を召喚して人間の肉体を持たせて現世に出現させる書物らしい。


一般に言う【悪魔召喚】なのだろう。


召喚には処女の肉体が必要らしいが、幸いにも生れのせいで男性恐怖症の私には、男性経験が無い。


儀式用魔方陣を書く場所の代わりに全身に入墨を入れ、儀式道具を秘かに揃えて、囚役中の23歳の時に処女受胎した。

数少ない男性である所長が疑われたが、自業自得だ。

出産後に聖典を探したが、図書室から消えていた。


出産の時にホクロなどの身体的特徴を覚えておいたが、五年後に冤罪が晴れて釈放されてから赤ン坊の養子先を見つけるまでは必死だった。


男を騙し、関係施設に忍び込み、資料閲覧を繰り返して、見つけた我が主の家に、家政婦として住み込んだ。


「主よ。私がお分かりでしょうか?」

われを召喚した魔女であるな?我に仕えるか?」

「御意」


赤く輝く瞳と6歳の身体から溢れる力に、ひれ伏した。


10年前

その後、我が主であらせられるマックス様は、12歳でアメリカの有名大学に入られ、博士号とかを取得された。


22歳になられた現在も、医療と素材研究の為に世界中を飛び回っておられる。


「マーガレット、これから故郷の王に仕える事になった。今後も我に尽くせ」

「主に仕える事こそ、私の歓びでございます」


【故郷】と言うのは魔界の事だろう。

あの聖典は666の精霊を召喚する為の物らしいので、精霊の王がいるのだろうか。


マックス様は伯爵の地位を御持ちだったと聞く。


マックス様にお仕えしてから、生活に困った事はない。

辛く感じた事はない。


妄想上の存在ではなく実在の主に仕え、それが求めて産んだ我が子でもあれば、これ以上の幸せは無いのではないだろうか?


この御方の為ならば、笑って死ねると確信している。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ