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0.謎の死
……落ちていく、深く落ちていく、音もせず何も聞こえず
ただ、落ちている……
あぁ、どうやら僕は現世で死にあったのだなって実感した……
「やり残した事は無いけど、死ぬのってこんな感じなのか……」
走馬灯な様なものが見える、楽しい思い出なんて無く、
ただ苦痛しか無い醜い世界や人々の記憶がゆっくりと流れていく……
「次もまた、あの醜い世界で転生するのかな僕は……嫌だな」
あの世界で再び運命を背負うぐらいならば、まだ自分が輝ける世界に転生したい
「……な……ぬな……」
微かに女性の声が聞こえる……安らぎがあり今にも成仏しそうな優しい声だ
「誰かが僕を呼んでいる……でも応答出来ないんだよな」
何せ死んでいるのだから、応えたくても応えれない
「君が居なきゃ、このままじゃ世界が……」
「世界?そんなスケールの大きい世界じゃなかったはずだ」
「どうして……こんな事に……」