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43:連続生産!

 一先ずボクの力は衰えていないことが確認できた。

 なので、これから本腰を入れて薬を大量に製造するよ!


 とにかく、この倉庫の中を満杯にするだけじゃなく、数日かけてセンター内に増設された他の倉庫内もドンドン薬で埋めて行くつもりだ。

 出来るだけ多くのストックがあった方が、スタッフ達も精神的に余裕ができるだろうからね。



 続いては風邪薬。

 これも小さ目のビンなので、鎮痛剤と同じように二十本×二十本の木箱三十段を二十五列、つまり三十万本を一気に出す。


「出ろ! しかも連発!」


 さっきの鎮痛剤の再現だよ。

 これも五~六秒毎に三十万本出てくるスピードで、二十分程度で三千万本を作り出した。



 一旦ここで五分休憩。

 さすがにボクだって疲れるからね。


 言い忘れたけど、この倉庫内は魔法がかけられていて、これくらい木箱を積み重ねても倒れたり崩れたりしないんだ。

 魔法で建築する際に、そう言った魔法をかけられる人も呼んでくれていたらしい。



 次はお通じの薬。

 これは大きめの薬だ。

 五百ミリグラム錠が百二十錠入ったヤツだもんね。

 十本×十本を十五段重ねが限界かな?


 しかも縦横三列ずつの合計九列。

 一気に作れるのは一万三千五百本か。



 これは、前にボクがいた時には毎月五百万本出ていたんだ。

 今でも、その頃と同じくらいのスピードで消費されるとするなら、一分間に十三万五千本ずつ出せるとして、一か月分を作るのに四十分くらいか。

 大変そうだ。


「出ろ! 連発!」


 他の薬の製造もあるし、一先ず、お通じの薬は当座一か月分だけを出すことにした。

 さすがに、コイツを一気に数か月分作るのは、時間的にも体力的にもキツそうって思ったんでね。

 さらなる追加分は、明日に回すよ。



 さらにボクは、整腸下痢止め、ED治療薬、早漏治療薬、湿疹・かぶれのクリーム、水虫の薬、鎮痛剤クリーム、滋養強壮剤等を順に数か月分作り上げた。


 作業が終わった時には、夜九時くらいになっていたけど、これで流通センターのみんなも安心できただろう。



 シュライバーさんも、ボクの両手を取って強く握りながら、

「これでしばらく安泰です。トオル嬢には、感謝します」

 と声を大にして喜んでいた。


 パワフルな女性だからね。

 声も元から大きいんだよね。


「ところで、女性の薬のことですけど」

「ああ、あれですね。モニターになる女性は十人ピックアップしてあります」

「そうですか。では、出ろ!」


 ボクは、その場でフリバンセリンが十錠入ったビンを十ビン出した。

 早速、試してもらえればって思ったんだ。


 そして、ボクは、

「では、モニターの方にお渡しください。よろしくお願い致します」

 と言いながら、それをシュライバーさんに渡した。

 まあ、この世界の人々に喜んでもらえるのならボクも嬉しいよ。



 それと、サボっていたニューフェイスちゃん達には、ボクの店の方にシリシスが出してくれた分を、全部、倉庫の方に移してもらった。


 一応、彼女達は物質転送魔法が使えるってことになっていた。

 なので、手分けして一気に運んでもらったんだ。



 実は、ボクのお店のスペースは、今後は全部ボクが使いたいんでね。

 だって、あそこはボクが買った家だもん!

 それで、薬を全部、どけてもらったってわけ。


「では、ボクは一旦、戻ります」

「分かりました」

「店に帰りますので……」


 これは隠語で、店から秘密の特殊ゲートを通ってお屋敷に戻るって意味なんだけど、今、ここにいる人で、その意味が分かるのはシュライバーさんだけだろうね。

 他の人達は、片付いた店の二階に泊まるくらいの認識でしかないよ。


 そして、ボクは自分の店に入って鍵を閉めると、そのまま特殊ゲートを通って侯爵家の御屋敷へと移動した。



「侯爵様。ただいま戻りました」

「聞いたわよ。薬の供給が止まったんだって?」

「はい。しかも、流通センターの若い娘達が、シリシスが作り出してくれた薬を巨大倉庫に全然運んでいなかったモノでして」

「サボりかしら?」

「まあ、そうですね。多分、シリシスからの供給が止まるって話を全然信じていなかったのでしょう。お陰で倉庫内の薬も少なくなっておりまして」

「それで、当座分をトオルちゃんが作って来たのね?」

「はい。でも、お通じの薬をもう少し作っておきたいので、明日も朝から流通センターに行ってきます」

「まあ、仕方が無いわね。でも、あまり無理しないようにね」

「はい」

「あと、トオルちゃんの店だけど、あの建物は書類上、私が相続したことになっているけど、トオルちゃんが自由に使って頂戴」

「分かりました。ありがとうございます」


 その日は、夕食を取ると、お風呂で簡単に汗を流し、部屋に戻ってベッドに倒れ込んだら、そのままぐっすりと眠ってしまった。


 昼過ぎから夕方まで寝入っていたけど、その後の大量製造で、かなり疲れていたみたいだね。

 次に気が付いた時には、すっかり朝になっていたよ。


 と言うか、ちょっと寝過ごした。

 やっぱり疲労には勝てないね。



 ボクは慌ててベッドから起き上がると、急いで身支度をした。

 そして、詰め込むように朝食をとった後、特殊ゲートを通って店の方へと移動した。


 マイトナー侯爵からは、

「もっと落ち着いて食べなさい」

 って言われちゃったけどね。

 でも、不測の事態に備えて大量生産しておかないと。



 店に着いた時刻は八時五十分。

 一応、流通センターが始まる時間……九時には間に合った。


 別にボクは流通センターの社員じゃないから、始業時間に間に合う必要は無いんだけど、何となくね。

 立場としては、顧問みたいな感じかな?

 良く分からないけど。

 まあ、別にイイや。



 と言うわけで流通センターに行こうと思って、店を出ようとした丁度その時だった。

 ボクの店の戸を強く叩く音がした。


 誰だろうと思って、店の戸を開けると、

「おはよう、トオル!」

 そこにはミサの姿があった。


 彼女の後にはロンドの姿も。

 二人共、週休四日で、今日は休みのはずなのに、どうして朝からここに?


「おはよう。二人ともどうしたの?」

「トオルが薬の大量生産をやったって聞いて、どんな感じなのかなぁって思って。それで私達にも見学させて欲しいのよ」

「別に面白いモノでも何でもないけど?」

「近くで見ていた人達から凄かったって聞いたから。あと、昨日、この店の中に御使い様が薬を自動供給するのが止まったんだって?」

「うん。元々そう言う約束だったし」

「たしかに、そうなんだけど。でも、このまま供給が続くんじゃないかって淡い期待もあったからね」


 まあ、そう信じたい気持ちは分かるよ。

 供給がストップする前にボクが戻って来るって、七年前の段階で知っていた人は、この世界には一人もいなかったはずだからね。


「ただ、流通センターの若い職員が、それをキチンと理解していなくてね。この店からセンター内の倉庫に運んでいなかったんだ」

「えっ? それって、どう言うこと?」

「この店から、直接、輸送者に渡す取引場に運んでいたっぽい。その方が彼女達にとっては効率的だからって」

「何よ、それ。供給がストップしても、当座分を賄えるようにって、巨大な倉庫の建て増しもしたのに」


 ミサがムッとした顔を見せた。

 ただ、地顔が怖いからね。もの凄く怒り狂った表情に見たよ。

 当事者のニューフェイスちゃん達には、とてもじゃないけど見せられないなぁ。


「だから、倉庫内には薬がほとんどなくてね。それでシュライバーさんからお願いされて薬を作ったんだ」

「脱力ぅ……。でも、これからは自分達で作らないとイケナイってことね」

「まあね」

「じゃあ、トオルの製造を見せてもらうわよ!」

「大した見世物じゃないけどね」


 と言うわけで、ボク達は流通センター内の巨大倉庫へと向かった。

 そう言えば、ミサにもロンドにもボクが薬を作るところを見せていなかったっけ。

 そりゃそうか。前にいた時は、誰にも見せないようにしていたもんね。



 途中でシュライバーさんと、シュライバーさんに似た女性に会った。

 多分、この女性がシュライバーさんの姪じゃないかな?


「おはようございます。シュライバーさん」

「おはよう。今日もお願いします」

「はい。倉庫って、今、いくつあるんですか?」

「第三倉庫までです」

「分かりました。それで、こちらの方は?」

「私の姪のフリートです。うちの本社の方がメインで、こっちには滅多に来ませんけどね。例の女性用の薬の被験者第一号です」

「はい。伺っております」

「ちなみに、昨日受け取りました分は、フリート以外の人に配布します」

「そうですか。よろしくお願いします」


 ビンゴだね!

 フリートさんは、アリアやミサよりも、ちょっと年上かな?

 つまりアラサー。

 でも、この年で、もう、この薬が必要になるんだね。


「トオルです。よろしくお願いします」

「フリートです。こちらこそ、よろしくお願い致します」

「使ってみてどうでした?」

「結構良かったです。でも、この間、調子に乗って一度に二錠飲んだら気持ち悪くなってしまいまして」

「それは危険ですので止めてください」

「二錠飲んだら、その分、もっと気持ち良くならないかなって期待したんですけどね」


 そう考える人っているよね。

 やっぱり、その辺はキチンと指導して行かないとマズイんだろうなぁ。

 地球でもED治療薬を一気に大量服薬した男性もいるし。


「用法用量はキチンと守ってくださいね」

「はい、もう懲りました。でも、あの薬は使い続けたいので、是非とも商品化してください。待っています」


 それは、モニターの皆様の感想次第と言うことだと思うけど……。

 でも、もし大して売れない薬だったとしても、必要って思う人がいるのならラインナップに入れておいてもイイかな?

 まあ、他の方の意見も参考にして決めよう。


「では、ボクは倉庫の方におりますので、必要がありましたら声掛けしてください」

「分かりました」


 ボクは、シュライバーさんとフリートさんに会釈すると、ミサとロンドと一緒に倉庫へと向かった。

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