値札
この国では、人は生まれた時から値札が付けられている。その値札は生まれた時に両親のどちらかに付けられ、1年ごとに額面が更新される。 額面は上がることもあれば下がることもある。その基準は国家機密で代々の王しか知らない。この国では第1次教育、第2時教育の時点では大半は値札に関係なく同じ学校に通うことになる。その後の第3次教育からはその「値札」の額面で受けられる教育が決まる。就ける職業、身分も値札の額面で段々と決められていく。
「僕」は身寄りがない。生まれた時から1人だ。だから、そんな国で値札が付いていない。「他人」はその事で「僕」を散々馬鹿にしてきた。「値札なし」なんて言葉で。でも、僕はある人のおかげで気が付くことができたんだ。「僕」は「価値がないんじゃなくて額面で表せない」んだって。今では「僕」は「値札無し」である事に誇りを持っている。「値札なし」と言われる度に「君はお金で表せる価値しか持ってないんだね。可哀想に。」と、返す。そうすると「他人」のうち3割は押し黙って何も話さなくなり、7割は喚き散らす。どちらも自分が「お金」で表せるぐらいの価値しか持ってないということに気が付いてしまったのだろう。酷いことをしてると思ってるよ。でも、これは小さな仕返しさ。 「値札」 ~Fin~
p.s:ある人との出会いが聞きたい?
それはまた別の話。