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異世界冒険活劇 ~チートなしでも英雄になれますか?~  作者: 飛騨 栄治
2章~新都市へ~
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第5話 再会へ、新都市へと


初めて討伐依頼をこなした翌日、翌々日もゴブリン討伐をした。幸い怪我もせず順調なものだった。


あれから3日後

フィルやレガンが帰ってきているはずなので酒友亭へと向かうことにした。


「やあ!ユウくん!」

中に入ろうとすると、ちょうど扉が開きフィルとレガンが姿を見せた。

手には小さな小包を抱えていた。


どうやら彼もユウに会いに銀鳥亭に行くところだったらしい。宿の前で2人で話していると続いてレガンも出てきた。

寝癖でボサボサの髪をしているところから見ると、まだ起きたばかりなのだろう。



「おはようございます、レガンさん。」

寝ぼけ眼でこちらを見ると片手を挙げて答えてくれた。

(こりゃダメだな)


「それよりさっ、これ!」

フィルが顔をほころばせながらユウに小包を差し出した。

「書き置きで言った、お土産だよ」


中には、青を基調とした豪華な本が入っていて、中央には初級魔法[上書]と書いてあるのが見えた。


「それはね、王都にしか売ってない種類のものなんだよ♪」


魔法書には、初級、中級、上級、特級といった階級の他に、各階級ごとに上書、中書、下書がある。

セミナーで配られたものは、この下書に当たり、今回フィルがユウに買ってきたのは上書だ。


上書には、下書には書かれていない魔法がいくつかと、複数の魔法を組み合わせる応用魔法などが書かれている。


「でも、これ高かったんじゃ・・・」

流石に初級魔法書と言えど上書だ。中級、上級とまではいかずとも値は張るだろう。



「そんなこと気にしないでさ、先輩から後輩への祝儀って思ってもらえばいいからさ」


「そうそう、一人でゴブリン討伐したんだろ?もう、一人前の冒険者なんだぞお前は。」


どうやら、先輩冒険者から新人の後輩へ何らかの贈り物をするのはよくあることだそうだ。

二人も、まだ新人だった頃魔法書や弓矢などを贈られたと懐かしそうな顔を語っていた。


「そういえば、これから迷宮都市に行くんだけど一緒に行かない?」


________________


【迷宮都市 ヴルテン】

この街には、その名の通り迷宮が存在する。

ヴルテンとは、そもそもこの迷宮を発見し初めて探索をした冒険者の名前から取られたものだ。


もともとは、人の少ない《寂れた街》という印象しか残らぬ街だったという。

しかし、ヴルテンが迷宮を発見、探索してからこの街は大きな変革時を迎えたとだ。


迷宮を探索するため多くの冒険者たちが集まる、そして冒険者のために宿屋などのお店が増え始めた。

そして、迷宮発見の功績を称え、この迷宮都市ヴルテンが誕生したのだ。


この街が誕生してから数百年と言われているが、まだ迷宮の最奥へたどり着いたものはいない。迷宮はSランク冒険者をも阻んでいるのだ。


________________


現在フィル、レガン、ユウの三人は、ヴルテン行きの馬車に乗っていた。

同乗者は他に三人。藍色の長い髪をした女性、濃茶の髪の男、そして、ハゲてる男。


「三人もヴルテンへ行くのか?」

暇を持て余してかレガンが三人に質問した。

そうすると向かって右側に座っていたハゲの男が

「ああ、そうだよ。おたくらもか?」


どうやら彼らは三人は『シラネリア』という名の冒険者パーティらしい。女性の名前はアデリン、濃茶髪の男性はグリフ、ハゲの男性はバゲルというらしい。



互いの自己紹介を済ませると、 キキッという音とともに馬車が急停止した。



「前の馬車が盗賊に!こっちにも来ます!」

馬車を操縦していた御者が叫び声を上げた。

声を聞き、『シラネリア』、そしてユウたちが外へと駆け出す。


目の前には、二台の馬車が停まっており、数人の冒険者が盗賊と相対していた。

おそらく、一台はヴルテン行きの馬車、もう一台は盗賊の偽装用だろう。


目に見える盗賊は約10人、対して冒険者は5人と分が悪い。どうにか持ちこたえているが今にも押し切られそうだった。



「助太刀するぞ!」

レガンが冒険者たちに向かって叫び『シラネリア』と共にかけて行った。


「ユウくんはそこで見てて!」

フィルが、馬車の帆へと登り弓を構えつつ周りを見渡しながら言った。


『シラネリア』はアデリンが双剣、バゲルが両手剣、グリフは片手剣とバッグから取り出した大きな盾を使っている。


『シラネリア』、レガン、フィルの連携は見事なもので、盗賊の討伐が終わるのは一瞬のことだった。


『シラネリア』、レガンが盗賊たちを打ち払い、逃げ出して行く者達をフィルが帆の上から撃ち抜いていく。


「こいつらは、どうするんです?」

ユウが、討伐が完了し馬車の荷台にあった紐で生きている盗賊たちを縛り上げているレガンに向かって聞いた。


「馬車はもう入らんしな、このままここに置いていこう。」

聞くとここから、ヴルテンまでは15分ほどらしく街についてから警備兵に知らせるという。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


約15分後


「ええ、ここから15分ほど行ったところ縛って置いてきました」

ヴルテンに着くとフィルとアデリンが馬車から降りて、警備兵の所に行き事情説明をしていた。


「今から、向かってくれるそうよ」

アデリンが馬車で待っていたメンバーにそんなことを言っていると、その横を兵士達が早馬に乗って駆けて行った。


「それではまた」

「ああ、また明日」


どうやら明日のお昼頃、『シラネリア』のメンバーと共に警備兵の詰所へと向かうことになったそうだ。

そこで、今日あったことのより詳しい調書と盗賊討伐の報奨金を貰うことになるらしい。



この日は、街の入口に近い【ハッフルの緑馬亭】へと泊まることになった。



こうして、迷宮都市ヴルテンへの新たな旅が終わり。


ヴルテンでの冒険者生活が始まることになった。


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