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異世界冒険活劇 ~チートなしでも英雄になれますか?~  作者: 飛騨 栄治
1章~冒険者として~
6/29

第4話 初めての一人


2週間のセミナー中、フィルやレガンに会っていなかったことを思い出したユウは2人の泊まっている【マイルの酒友亭】へと向かっていた。



「えーっと、ああここだ」


中に入ると無精髭を生やした初老の男性が出迎えた。

「いらっしゃい、ご宿泊で?」

フィルとレガンについて尋ねると...


「ああ、ユウさんですか?書き置きを預かっていますよ。」

こちらです。と机の引き出しから一枚の紙を取り出した。


________________

やあ、ユウくん。

セミナーは終わったかな?

実は、僕とレガンは今王都にいるんだ。知り合いの結婚式でね

たぶんそっちに戻るのは6月20頃になると思う。

それと、もし一人で討伐依頼を受ける時は気をつけてね。決して深入りはしないこと、例えば森に入るなら僕たちが出会った場所まで入るとオークやトロールが出ることもあるから絶対にダメだよ。

あと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ps お土産を楽しみに♪

____________________



なるほど街の中でも見かけなかったのはそういうわけか

今日が6月17日だから帰って来るのは3日後くらい。帰ってきたらあの2人のステータスも見せてもらいたいものだ。


予定が狂ってしまったため、急遽武器屋と防具屋、ポーション屋へと行くことにした。


武器はセミナーの時一番扱いやすかった片手剣と弓矢、それと短剣も買うことにした。


セミナーの際、教わったことがある。魔物の体内には魔石というものが大なり小なりあり、その純度、大きさによって値打ちが変わる。また、ホーンラビットやベルウルフの肉や皮も質によっては売れるらしい。


そして、重要なのはそれらを必ず魔法バッグに入れることである。バッグの中の時間は停止状態に近いため生モノや劣化しやすい物を入れておくのに便利だそうだ。


続いて防具屋では、なんという名前だったか魔物の皮を使っているという軽くて、そこそこ丈夫なモノを買った。


ポーション屋では、普通のモノと麻痺や毒に効く解毒剤を買った。

ちなみに、ポーション屋は【魔法ギルド】と【医療ギルド】の両方から成り立っているらしい。


買い物を終えて、ギルドの依頼掲示板を見に行くことにした。


まだ朝のためであろうかギルド内は比較的空いていた。受付にはティナの姿もあった。


「あら、最近フィルもレガンも見ないと思ったら王都に行ってたのね。私も1度行ったけど凄い所よ!なんと言ってもね・・・・・・」

次第に冒険者たちが増え始めティナは話すのを止めた。それにしても、あれから延々と20分も王都の話を聞かされてしまった。

美味しいお菓子のお店に、お洒落な服屋さん...etc



掲示板には、{常時討伐依頼}ゴブリンという紙が貼られていた。オークやトロールの討伐依頼もあったが受注許可は最低でもランクC数名~ランクBであった。


常時討伐依頼の場合は依頼書を受領してもらう必要が無いため、そのまま森へ向かうことにした。


「いよいよ初めての一人討伐か...」

これまで討伐依頼をこなしたのは、セミナーの時教官や仲間たちと一緒にだった。

異世界に来たのがつい先月、今や一人の冒険者として魔物討伐に行こうとしているのだ。


例えそれがゴブリンであろうと、本人にしてみれば感慨深いものである。

(まあ、お金が無くなってきたってのもあるんだけど・・・)


森の入口付近には、既に何人かの冒険者の姿が有り、中にはセミナーに一緒に参加していた者もいた。


(そういえば、ホーメルとレミも誘えばよかったかな...)

まあ、一人での魔物討伐もいつかはやらねばならないことだ


森の中へと進んで15分ほどたつと草むらの中から物音と人間のモノとは思えぬ唸り声のようなものが聞こえてきた。

「グガガ、ギグクグ」「ゲカガルル」

足音をたてないように草むらに近づきゆっくりと顔を出すと3体のゴブリンがいた。


まずは、木の後ろに隠れてバッグから出した弓で狙いを定め・・・・・・撃つ!

シュッ という音ともに弓から放たれた矢は、右側にいたゴブリンの頭部へとドシュッという鈍い音を立てて命中した。


続いてこちらに向かってきたゴブリン1体にファイヤーアローを放ち、もう1体に剣を振りかざした。

数回ゴブリンと打ち合ううちに、腕を切り落とした。

ーーーここだ!

剣を斜めに素早く振り下ろし・・・・・ゴブリンの首を切り飛ばした。


魔石は通常、心臓部にある。

短剣でゴブリンの体を切り裂き、胸の中に手を入れ灰色の石を取り出した。


前述したように、魔石には様々な色がある。

上位から赤、橙、緑、青、藍、紫、灰

そして、魔石の価格はこの色と大きさに大きく左右される。

(まあ、ゴブリンは灰色だわな... )


それにしても、やったんだ!

初めて・・・一人で魔物を討伐した・・・!!


高揚感に浸りながら遅めの昼食を食べていたユウだったが、街へと戻ることにした。

もちろん、このまま森を探索し続けたいという思いもあったが、手柄を急ぎすぎるべきでないという自制心がユウを街へと足を進ませた。


街へ戻ると、さっそく冒険者ギルドへ行きゴブリン討伐の報酬450Gと灰魔石3個を売った報酬480G、計930Gを受け取った。


一旦、宿に戻りセミナーで覚えたクリーン魔法で身体に着いた血を落とした。

(汚れはこれで落とせたけど・・・大衆浴場行くか・・・)

クリーン魔法はあくまで、表面の汚れを取り除くだけ。やっぱり風呂に入らなければ疲れはとれない・・


________________



風呂に入り、夕食を食べ眠りにつくことにしたた。まだ時間は早いが疲れもあってかすぐに寝ることができた。


こうして、ユウの・・・一人の冒険者としての初めての1日が終わった。




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