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異世界冒険活劇 ~チートなしでも英雄になれますか?~  作者: 飛騨 栄治
3章~起きる異変~
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第16話 顛末


しかし緊張のせいだろうか

足が上手く進まなかった。


そして転んだ


不様にしか見えなかっただろう。

人を助けようとした挙句、まるで物語に出てくるような場面で転んだのだ。


立ち上がろうと、もがくが手足が震えてしまう。

そして追いつかれた


足を掴まれ、木に向かって投げつけられた。


足が、腕が、体中が痛い。どれくらい骨が折れただろうか。

かすかな意識の中で目を開き自分の体を見ると骨が突き破っていた。

血がどくどくと流れ出している。

目の前には、下卑た顔で嘲笑う豚がいる。

何も思いつかないし思考を働かせること自体が苦痛に思える。


そうしていると

ジェネラルが大剣を振るい、ユウの体を真っ二つに切り裂こうとする。


しかし現実にはそうはならなかった。

振り下ろそうとしたその腕がユウの目の前に落ちただけだった。

鮮血を飛ばしながら呻くがその声もやがて首が飛ぶのと同時に消えた。


何処からともなく現れたモノたちは圧倒的武力でオークたちを殲滅していった。


薄れゆく意識の中で最後に目にしたのはただそこに佇む冒険者たちの姿だけだった。

そして胸元から魔石を取り出されるオークの姿。



「んっ・・・ ここは」

あれからどれだけの時間か日にちが過ぎたのかは分からない。目が覚めると見覚えのない空間にいた。

そうこうしていると部屋に1人の女性が入ってきたが目を覚ました姿を見るなりまた外へと出ていった。


やがて白い衣服を着た数人の男女がやって来て名前や記憶についての質問をされた。

どうやら医療ギルド内のベッドで二日前から寝たきりだったらしい。


バッグから取り出した新しい衣服を着て冒険者ギルドへと向かうことにした。


ギルドはあいも変わらず熱気に包まれていた。中に入ろうとすると何人かの冒険者に声をかけられた。


「おっ目覚めたのか」

「良かったな坊主!あの怪我で生きてこれて」

「なんだよ生きてたのかよ」

「中で待ってるぞ!」

「感謝しとけよ?」


心配をする人、さほど気にもとめずぼそりと呟くモノ他にも何かは分からないがニヤニヤと笑いながら肩を叩いてくるものなどさまざまだった。


「ユウ!!」

中に入り掲示板を見ているとティナが駆け寄ってきた。どちらかというと冷静なタイプであろう彼女なのだが割と取り乱した風でもあった。


「もう大丈夫なんですか?!」

「はい、どうにか・・・」


少し経って落ち着きを取り戻した彼女にオークと寝ていた間のことについての事の顛末を聞くことになった。


どうやらあの時ジェネラルたちを殲滅していったのはAランクの冒険者パーティだったらしい。

ゴブリン探索の帰りの遅さに危機感を抱いた彼女がネイレスに直談判し冒険者パーティを派遣したとのことだった。

因みにティモルとリザも無事発見救出されたらしく一足先に冒険者ギルドに顔を見せたらしい。


「それとなんだけどね… オークの苗床になってた子たちのことなんだけど」

どうやら彼女たちは冒険者たちの救出を拒み死を選んだらしい。

だがこれも珍しくはなく、苗床となった女性の殆どは自殺か冒険者によって秘密裏に殺されるとのことだ。

記憶を消すことはできない一生オークから受けた恥辱を残すより死ぬことを望むのだそうだ。


それからオークたちのことに話が移った。


「そういえばオークはどうなったんですか?あの場所で出現するなんて聞いたことなかったんですけど」

「そうです、そうですその事をお話するのを忘れてました!」


どうやらあの冒険者たちは俺たちを助けた後に再び森に潜ったがオークは発見できなかったらしい。

この事に危機感を覚えたネイレスは召喚魔法を使える人間の捜索と森に行く冒険者への注意喚起などと対応策に追われているらしい。


(やっぱ召喚の可能性はあるのか・・・)


「それにしてももう討伐依頼でも受けるつもりなの?あとタメ口にしない?歳も変わらないし」

「分かったよ。一応何かは受けるつもりだけどまだ迷っててね」

「そもそも二日も寝てて体もなまってるだろうし簡単なゴブリン討伐くらいにしといた方がいいんじゃない?」

「まあたしかにね。ブランクは甘く見ない方がいいかもね」

「後は奴隷を買って手伝ってもらうしかないと思うけれど」


(正直ティナから奴隷を勧められるのが驚きしかないな・・・)


彼女の言うことは的を得てはいた。戦闘経験のある奴隷や聴覚嗅覚に優れた獣人奴隷などがいれば今回のような事を避けることは出来たかもしれない。


「よかったら明日一緒に見に行く?奴隷商のとこ」

彼女からの急な誘いには心底驚いたが申し出を受けることにした。どのみち1人では入りにくいという感情は小さくはなかったからだ。


(あれは・・・デートに入るのだろうか・・・)

デートに入るとしても行くのは奴隷商、全くもってムードもない場所なわけだしそもそもあまりにも不釣り合いだという結論を出し考えるのを止めることにした。





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