~近づく心~
今回会話多めで文章少ないです!会話多い小説全然書かないから文章下手になった…かも?
すみません…次はちゃんとかきますm(_ _)m
「シノハ…!」
背後からかかった声の出先を振り向くと、霞んだ視界に見慣れた姿が現れた。
「シノハ、庭の敵は俺が片付けたから。下に戻ろう」
「タカヤか…すまない。敵を逃した」
「いや、大丈夫だから」
タカヤはそういうと不意にシノハの腕に視線を移した。そして何かに気づいたように目一瞬だけを見開くと焦ったようにシノハに詰め寄った。
「な、なんだ」
思わず後ずさりするシノハ。
「…お前怪我して無いか?」
「怪我…?何のことかわからない」
誤魔化しながらさり気なくシノハが腕を隠すと怪我をしていない反対側の腕をタカヤに掴まれ、引き寄せられた。
「…シノハ。俺が気づいてないとでも?」
鋭い声が耳をさす。タカヤの視線に気づいて見てみると、真剣な表情でシノハを真っ直ぐに見据えていた。シノハは気まずそうに視線をそらすと隠しきれないと理解したのかぽつりと小さく呟いた。
「…別に大した怪我では無い。傷口は浅い」
「…わかった。取り敢えず来てみろ。傷口をみてやるから」
シノハが頷いて黙ってついていくと、屋根から飛び降りる直前にタカヤはいきなり立ち止まった。
「シノハ、降りれるか?怪我してるの腕だけじゃ無いだろ?」
「なっ…」
「その反応やっぱりそうだな。歩き方ぎこちないのわかってた」
そう言い終えるとシノハを軽々と抱えたタカヤ。
「な、何をする…!降ろせ!」
持ち上げられた振動で視界に広がるアジトの庭が歪む。普段自身で飛び降りることはあっても人に抱えられたまま飛び降りる事がないからか、恐怖心が沸き上がってきた。思わず反射的にタカヤにしがみ付く。
「そのまま、動くなよ?」
声が聞こえたのとほぼ同時に心臓が浮くような感覚を覚えた。耳元で捻れるように吹き過ぎて行く風の音。シノハの黒髪が風に靡き、戦闘服の上に着ている羽織りものが風にはらんでハタハタと軽快な音を立てながら翻った。吸い込まれるように落下した後、地面に無事着地するとシノハは安堵して力が抜けたのか、そのままへたり込んだ。
「い、いきなり合図なしに飛び降りるな…!心臓が飛ぶかと思った」
「ああ、ごめん。…取り敢えずシノハ。怪我見せて」
タカヤはシノハを木陰に移動すると傷を見せるように告げた。心底嫌そうな表情を浮かべながらも渋々と怪我を負った足と腕を見せるシノハ。タカヤは足を止血すると軽くシノハの腕を捲り、顔をしかめた。シノハの普段の白い透き通るような肌とは対照的に、痛々しい赤い液体で染まった服から露わになった腕。その腕は未だに傷口から出血していて、傷は少しも癒そうにない。持ってきた聖水でシノハの腕を軽く洗い流すと、タカヤは清潔な包帯で巻き始めた。
「…やっぱり。シノハがさっき傷浅いって言ってたの聞いたけど予想通りこれ深いな」
「…私が自分で傷が深いなんて言う訳ない」
視線を逸らして告げたシノハの表情は僅かに曇っている。血が足りないのか顔色もあまり良くはなく、明らかに具合が悪そうだった。
「…今日はゆっくり休めよ。体動かすの禁止」
「分かっている__っ…!」
手当てが終わると直ぐに立ち上がるシノハ。怪我を負っている足に体重をかけたせいで鋭い痛みが足に迸り、思わずバランスを崩すシノハを見兼ねたタカヤは素早く支えた。
「足怪我してるんだから無理するなよ?」
「…すまない。気をつける。」
シノハがそのまま足を踏み出し歩き始めたと思うと、不意に何かを思い出したようにタカヤに振り返った。
「タカヤ、その……ありがとう。助かった」
表情を和らげ口元に微笑を浮かべる。不意に吹いた風が振り返ったシノハの髪を靡かせた。霧が晴れて微かに雲に滲む陽光が逆光となりシノハを照らしているその光景は、鳥肌が立つくらい美しかった。
「…全くあいつは。本当__」
シノハの背中を見ながらタカヤが小さく呟く。心なしか、その顔は僅かに赤く染まっていた。
恋愛いいよなぁ…て事で今回恋愛申し訳程度に入れてみました。でも…なんか書いてるこっちが恥ずかしくなってしまった…(ノД`)