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切り裂かれた未来  作者: 紗凪(さな)
5/11

~一筋の光~

5話行きました。テキトーに書いてしまった部分がある…(反省)

文おかしい所あると思います。m(._.)m

シノハが森を抜けてアジトの門へ目をやると見慣れた短い髪を揺らした少女が何やら落ち着かない様子で辺りを見回していた。その少女は遠方から近いてくるシノハを視界に捉えると、勢いよく駆け出しながらこちらへ近づいてきた。


「シノハさん…!心配したんですよ!無線機で連絡くらいください!シノハさんは普段三十分くらいで普段戦闘から帰ってくるのに、もう二、三時間経っているので心配しました。でも、合図はなかったのでそんな大した事はなかったみたいですね…」


普段の控えめな声とは反対に、一際声を大きくしてリオカはシノハを軽く叱咤する。気迫に負け、シノハは思わず肩を竦めた。


「いや…すまない。私もそれは反省している」


シノハはそう言うと、自分より数センチ背の低いリオカを見下ろした。リオカはシノハより二つ年下だとは言え、良し悪しをしっかりと判断でき、何より人間らしい優しい性格をしている。冷酷な心を持っている自分と比べて、正反対の暖かい心を持っているリオカに、シノハは密かに羨望を抱いた。


「…どうかしましたか?あ、もしかして怪我を…!?」


しばらく食い入るようにリオカの事を見て黙り込んでいるシノハに、慌てふためいた様子でリオカは告げた。


「いや、怪我はしていない。ただ、リオカは私と違うなと思っただけだ」


「…どう言う事ですか?」


「リオカはみんなから愛される性格をしている。私には…手の届かない世界にいる」


シノハは何処か切なげに目を細めた。


「…シノハさん?」


「いや、今のは聞き流してほしい。何でもない」


踵を返し、アジトの丘に佇んだシノハは地面に埋め込まれている一際大きな石に腰を下ろした。結わいていた髪を解くと柔らかな夜風がシノハの髪が靡き、頬を掠めた。眼下に広がる市街は建物から明かりが漏れ、光っている場所もあれば暗闇に紛れて街自体が見えない場所もある。そんな市街とは逆に、宝石がちりばめられたような星空は一面に空を覆い尽くしていた。不意に草を踏みならす音が聞こえ、シノハが横を見るとリオカも同じように腰を下ろしていた。


「シノハさん、先程アジトに向かった時、敵の様子はどうでしたか?無線機越しの合図はなかったので特に何があったわけではなさそうですが…」


「いや…アジトには行けなかった。強敵に遭遇してしまってな。恐らくリオカが見かけた敵だろう。黒い服を着てフードを被っていた」


「強敵…?どれくらいなんですか?」


「私の攻撃を交わすくらいだ」


リオカの問いにはっきり言葉を返す。リオカはシノハの言葉を聞いた途端、信じられないと言うように目を見開いた。シノハの攻撃を交わせた人は今まで1人もいなかったのだ。あの、目にも留まらぬ速度で振りかざされ、必ずと言っていいほど狙いを定めた相手の箇所に命中するシノハの剣。それを交わすとは、どれだけの戦闘能力と剣術の持ち主なのかとリオカは感じた。


「そんな事が…。そんな敵を私達が倒せるのでしょうか…」


「倒すしかないだろう。それが私達の使命だ」


真率な表情を漲らせて力強くシノハが言う。一切迷いがなく、決して揺らがない意思を宿した瞳にリオカは吸い込まれそうになった。


「やっぱり、シノハさんはすごいです」


「…何故?」


「…私はシノハさんみたいに特に戦闘能力が優れているわけではありません。それどころか、強敵が現れると不安になってしまいます。なので強い意思を持ったシノハはさんが…羨ましいし、尊敬します」


リオカは立ち上がりシノハに振り返ると、微笑を浮かべた。


「シノハさん、そろそろ戻りましょう。肌寒くなって来ました」


「…わかった」


リオカの後に続き、シノハが立ち上がる。静まり返った暗い廊下を歩いてシノハはリオカと別れると、部屋のドアを徐に開けた。僅かに開いた小窓から優しい夜風が流れ込み、純白のカーテンが翻っている。差し込む月明かりは青白く室内を照らし、時計の針が時を刻む音だけが響いている。電気をつけずにシノハはそのままベッドに腰を下ろすと、小さく呟いた。


「すごい…か」


リオカの言葉を思い返しながら口にすると、自然と心が温かくなった。思わず表情を和らげる。上手く説明できないが、初めて自分の存在を認められた気がしたのだ。暗闇に包まれたシノハに、一筋の光が差し込んだようだった。不意に、幼い頃にいわれた言葉が脳裏に響く。


''あんたなんかいらない''

居てもいなくても同じだから。__''さよなら''


冷たく放たれた言葉。あの言葉をいわれた途端、黒い何かがシノハの心を埋め尽くしたのを覚えている。先の見えない未来。絶望の底に突き落とされたようなあの感覚。


シノハは幼い頃に家族に見捨てられていた。その直後、''ある出来事''がきっかけでシノハは救われたのだが、そのきっかけがどうも思い出せない。1番大切な過去の部分だと言うことは理解している。それなのに何故か思い出す事ができないのだ。

シノハは小さくため息をつき、ゆっくりとベッドから離れると、冷えた体を温めにいくため脱衣室へと向かった。

今回特に戦闘シーンとかはありませんでした…。

友達にキャラ話欲しいと提案されたので登場人物のリオカの事を少し文に書いて見ました!笑(性格とか)

次回は戦闘シーン入れて行きたいなと思っています


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