~記憶~
3話に行きました。短かったかな…?
ちょいグロかも…(?)
(グロの範囲がわからない。出血したらグロなのか?)
重い沈黙が暫く2人の間に流れる。互いに鋭く銀色に光る矛先を向けたままじっと様子を窺っていて一歩も動く気配はない。普段は自分から突撃し、一刀両断にするシノハだが、今回はそうはいかなかった。下手に動くと本当に命を落とすことになるような敵だったからだ。油断は勿論、軽率な行動も出来ない。ルイトに勝てると言う保証はどこにもないのだ。用心深くルイトを監視してると、ふと一つの疑問が過った。
「…ルイト、何故お前はずっとフードを被っているんだ?そんなに顔バレしてはいけないのか?」
「…お前には関係ないだろ…」
「…言えないのか。では、何故この世界を壊そうと支配しようとしている」
シノハが鋭くルイトを見据える。
「っ、煩え!」
痛いところをつかれたのか、声を荒げてルイトが感情任せに剣を振り上げた。シノハは剣を構え直すと、ルイトとの距離が狭まったのを確認してタイミングよくルイトの剣を弾く。攻めては一旦引き、また攻撃を仕掛ける。何度も互いの刃が擦れ合い、鼓膜を切り裂くような属音を響かせながら火花を散らす。ぶつかり合うたびに剣を振るルイトの腕力で押されそうになるシノハ。それでも迫り来る剣の動きを一つ一つ把握し、弾きながら暫く攻撃を交わしていると、軈て連続攻撃を仕掛けていたルイトが息を切らし始めた。その隙にシノハは再び腕に狙いを定め、地面を蹴る。剣を深くルイトに滑らせると、先程は感じなかった手応えを感じてシノハはルイトと距離を取り剣先をみつめた。鮮やかな赤紅色がどろりとへばり付いている。シノハがルイトに視線を移すと黒い服にじわりと血が滲んでいた。そして時間が経つにつれそれは徐々に広がっていく。
「くっ…はっ」
思わず剣を地面に落とし体勢を崩すルイト。傷口から幾筋もの痛々しい朱殷の液体がルイトの腕を這うようにして伝い、地面に滴り落ちる。留めを刺そうと勢い良くシノハが矛先を突き立て、ルイトの首に狙いを定めたその時。刃があと数センチで首に届くところで体がそれを拒むように固まった。何故だかわからないが体が錆びついたように動かないのだ。
…何故。何故こいつに留めをさせない。
今ならこの強敵を終わらせられる。今しかない。それは理解しているはずなのに体が、剣を握りしめている手が思うように動かない。今まで相手に縋り付かれても躊躇なく容赦無く振り下ろせた剣。無感情で無表情でただ奪ってきた命。そのはずなのに、胸が締め付けられたように苦しい。初めての感情で訳がわからないままシノハが固まっていると、遠方から地鳴りのように声を響かせた敵が攻めてきた。ルイトとシノハがほぼ同時に振り向くと刃がギラギラと月光に反射していた。
「いたぞー!敵だ!殺れ!」
「あの強敵が今なら討てる」
徐々に押し寄せる夥しい数の敵。敵の姿は見えていなくても、近づいてくる足音で大体の数は把握できた。
__しまった。失態をおかした。
ルイトは怪我を負っているものの、仲間が来れば加勢できる。圧倒的不利な状況に陥ったシノハが諦めかけたその時、不意に身体が揺らいで視界が廻った。そのまま背の高い草がシノハの周りを囲んだかと思うと、硬い衝撃と鈍い痛みが頭に響いた。そして、その直後ずしりと重い感覚がのしかかったのだ。尻目で横を見ると赤い血が上から数滴垂れていた。まさかと思い顔を正面に向け真上を見ると、ルイトがシノハを庇うようにして覆い被さっていた。
「ルイ__っ!」
ルイトがシノハの口を手で塞ぐ。
「…少し黙れシノハ」
フードの隙間から前髪に少しかかった切れ長の目が見えた。シノハはしばらく食い入るようにみた後、何かに気づいたように目を見開いた。
…私はこいつを''知っている''気がする。
一瞬そう思い、何かを思い出しかけたシノハだが、それはすぐに儚く消え去ってゆく。
___思い出せない。私は大切な何かを忘れているのに。思い出さなければいけない''何か''があるような気がするのに。
何故敵同士なのにルイトは自分を助けるのか。何故、時々辛い表情を見せるのか。ルイトの事を考えれば考えるほどわからなくなってくる。
シノハは拳をきつく握りしめると、悔しそうに顔を歪め唇を噛み締めた。
これからどんどん恋愛入れていけたらいいなと思っています。戦闘シーンかける人は本当に凄い。羨ましいです(*゜▽゜*)
誤字脱字もしかしたらあるかも…
ちょっと展開早かったかな。いや、早いな。うん…
駄作ですが何卒よろしくお願いします!