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切り裂かれた未来  作者: 紗凪(さな)
10/11

~隠された想い~

ルイトside(ルイト目線)初めてかいてみました!今回は重要人物ルイトの気持ちです。特別編みたいな(?)

(一応、本編だけど…笑)

~ルイトside~

シノハ達のアジトに侵入した帰路。ルイトは護衛達を先に帰らせると、静寂に包まれた森に一人佇んでいた。先程シノハを斬りつけた時の光景が脳裏に染み付いて離れない。


「くそっ…」


苦しそうに吐き捨てるとルイトは近くの木に寄りかかった。斬りつけた時に顔を歪ませて片膝をついたシノハ。身につけていた服には血が滲み、その服を赤く染めていく血の量的に、深く斬りつけてしまったという事が理解できた。


「どんな罰だよ…これ」


もう、ルイト自身でもどうしたらいいのか分からなかった。苦虫を噛み潰したように顔を歪ませ、苦痛に耐えるルイト。本当はあんな怪我を負わせたくなかった。ルイトはシノハが笑っている顔の方がよっぽど好きなのだ。

シノハとルイトが初めて出会った日。

一人で座り込んで涙を流している幼いシノハにルイトが声をかけた。まだ幼かったものの、ずっと一緒にいる、と言う約束を交わしたあの時のシノハの笑顔が脳裏に蘇る。お互いが楽しかったあの過去。笑いが耐えなかったあの過ぎ去った日々。ルイトは過去を鮮明に覚えているのに何一つシノハは覚えてていない。それが本当に悔しいし、悲しかった。


「シノハ…思い出せよ…」


…何で思い出せねぇんだよシノハ。あんなに笑いあってただろ。ずっと一緒にいるって、味方だって約束したのに。


シノハと''離れ離れになったあの日''。数年経ってやっと再開したのに、シノハはルイトを忘れていた。それどころか敵としてしかルイトを見てなかった。やっと再開したのに闘わなければいけなかった時は、ただひたすら苦痛だった。多分、シノハが過去を忘れているのにはルイトの知らない深い理由が、そして出来事があるのだろう。だが、それはシノハ自身にしかわからず、シノハの身に起きた出来事を知りたくてもルイトには何一つわからない。


「話にどんな悲しい現実が待っていてもいい。ただ、俺は……お前を知りたい」


小さく呟くルイト。地面に置いた拳に力が入る。本当は今回の戦いで傷つけたくなかった。でも敵であり、シノハが過去を思い出さない以上、戦いは避けられない。

遺恨、悲哀、苦痛__言い知れない色々な感情が混ざり合い、ルイトは鞘から剣を抜くと力任せに剣を地面に突き刺した。


「はっ、やべっ…可笑しくなりそう」


自嘲気味に呟いたルイトが剣を杖にして立ち上がった時。不意に肌身離さず持っているペンダントが服から覗いた。そのペンダントはシノハが幼い頃くれたもので、シノハ自身も同じものを持っている。ルイトは少し表情を緩めるとまっすぐ青く澄み渡った空を見上げた。


「でも今は……まあいいか」


…俺が、いづれお前に過去を思い出させてやるから。


今はシノハが過去を思い出せなくてもいい。無理に思い出そうとしなくてもいい。いづれその時が来たら過去を忘れていたシノハを叱りつけて__そしてまた、2人で笑い合える日が訪れたらそれはそれで本望だ。今はその時が来るまで信じて待つしかない。それまでどんな激戦があっても必ず生き抜く。交わした約束通り、ずっと一緒にいるために。


内心で小さく決意すると、ルイトは森を抜けてアジトへと向かった。

うん!実に暗い。なんか書いててルイトが可哀想になって来た(笑)

だんだんと過去が見えて来ました!まだまだ過去は続くのですが…(シノハの過去がまだだから)

でもこのシーン…てか、この話書きたかったんだよなぁ。やっと書けました。いつもは何方かと言えばシノハ目線で書いていて一回もルイト目線書けてなかったから(ノД`)

今回は短めです…!

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