ゲームセンターとぬいぐるみ
「取ってほしいものある?」
と聞かれ
「あのぬいぐるみが欲しい」
と答える。
ゲームセンターは人が多いし、機械音はうるさいし、あまり好きではないのだが彼が好きなのでよくついていく。
本当はすぐにでも出たいのだけれど楽しそうなあなたを見るとそんなことは言えなくなる。
私のそんな気持ちに全然気づいてくれない。
他に見るものもないので必死にぬいぐるみを取ろうとしている彼を見る。
何度かやってようやく取れたぬいぐるみを笑顔で渡してくる。
苦手なゲームセンターについていくのは彼のこの笑顔を見るためだ。
きっとこの先も私は苦手なゲームセンターについていくだろう。
彼がぬいぐるみを渡してくれる時の笑顔を見たいがために。