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世間を騒がせる天才怪盗は、二次元廃人でした。  作者: 桐原聖
厨二病怪盗と復讐鬼
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怪盗&復讐鬼VS『復讐屋』④

 今回は色々ありまして、ガチのクソ回です。本当に申し訳ございません。


 その代わりと言っては何ですが、今回はキャラクター紹介が二人分です。

 

「ほらぁ、次はこっちの番よぉ」


 チェリーズがポシェットからナイフを取り出し、沙織に向かってくる。恐らく、アレが例の毒入りナイフだろう。その証拠に、先端が透明な液体でヌラヌラと光っている。


「ウザいわね」


 沙織は一言言うと、右手の銃を発砲した。狙いはチェリーズの持っているナイフ。弾丸は見事にナイフの先端に当たり、刃先を粉々に砕いた。


「あらあら、見事ねぇ」

 

 チェリーズが関心すると同時、沙織は左手の【ブラッディ・クイーン】の引き金を引いた。ドガン! という凄まじい音と共に、銃弾がチェリーズの眉間めがけて一直線に飛んでいく。関心していたチェリーズは動作に一瞬遅れ、この攻撃を避けることが出来ない。


「させるかでごさる」


 だが、その横からゴザル丸がおもちゃの刀で弾丸を切り払う。何か特殊な仕掛けでもしているのだろう、弾丸に触れても、おもちゃの刀は少しも傷付かなかった。


「今度はこちらから行くでござる。はあああッ!」


 そう、威勢よく飛び掛かってきたゴザル丸の胸ぐらを掴み、沙織は払い腰をくらわせる。ゴザル丸の体が回転し、床に叩き付けられた。


「うっ!」


「私に近接戦を挑もうなんて、六兆五千三百十二万六千七百十年速いのよ」


 倒れたゴザル丸の鳩尾を、沙織は的確に踏みつける。ゴザル丸は青白い顔をしながら足を外そうとするが、沙織の力には敵わない。ゴザル丸の苦悶の表情が、徐々に酷くなっていく。


「安らかに眠りなさい」


「待ちなさい。彼が死ぬにはまだちょっと速いわよぉ」


 引き金を引いて殺そうとする沙織の肩を、チェリーズのハイヒールが掠める。沙織は懐から煙玉を取り出すと、自分の足元に向かって投げつけた。辺りがもうもうと煙に包まれる。


「何をするつもりかしらぁ?」


 チェリーズが首を傾げた瞬間、その首を沙織の足が擦過した。チェリーズの首が少し切れ、その首から血が滴る。


「やるわねぇ」


 チェリーズは自分の首に付いた血を指で掬って舐める。その目には、ギラギラとした殺意が浮かんでいた。


「じゃあ、今度はこっちの番ーーーー」


 バァン! バァン! バァン! バァン! 


 チェリーズが言い終える前に、連続した銃声が聞こえる。チェリーズが辺りを見回すと、そこには肩から血を流して膝を突いたゴザル丸が居た。


「ゴザル丸⁉」


「あら、油断とは随分な物ね」


 背後から沙織の声が聞こえると同時、チェリーズは首を絞めつけられる。構えからして、柔道の絞め技の一種だ。チェリーズは振り払おうともがくが、沙織の細腕はガッチリと首を絞めて離さない。


(こんな細腕のどこにこんな力が・・・というか、本当にこの子、女なのぉ?)


 呼吸が止まった事で、意識が徐々に薄れていく。チェリーズは爪を立てて沙織の絞め技に抗う。沙織の皮膚から血が噴き出し、チェリーズの足元を濡らす。しかし、沙織の絞めは止まらない。


「まだ、まだぁ!」


 チェリーズが叫ぶと、彼女の爪がギラリと鋼色に光った。鋼鉄化した爪が、沙織の腕の肉を貫き、骨に突き刺さる。これには沙織も痛みを感じたのか、チェリーズを拘束する力が弱まる。


「やあっ!」


 チェリーズは死に物狂いで沙織の拘束から抜け出す。そして、猫のように爪を立てて構える。


「どうかしらぁ? この強化された爪は。一瞬で鉄のように硬くなり、かつニ倍以上の長さに伸びる、まさに爪の如意棒。痛かったぁ?」


「ええ、古傷にちょっとね」


 沙織は包帯にべったりと付いた血を眺めながら、苦々しく答える。まだ、≪暴帝撃滅キリング・ゼロ≫の反動が骨に残っているのだ。そうでもなければあんな蚊に刺されたような痛み、全く気にならなかった。


「そろそろケリを付けましょう。貴方達のような雑魚を倒すのが長引けば長引くほど、読者の退屈度が増えて行くのよ」


「それもそうねえ。それじゃあ、行くわよぉ。・・・と言いたい所だけれど」


「?」


 そこであえて言葉を切ったチェリーズに、沙織は首を捻る。その時、煙のカーテンの向こうから人影が見えた。


「よくもやってくれたでござるな」


「あら、生きていたのね」


 殺意の籠ったゴザル丸の言葉に、沙織は煽るような口調で聞く。拳銃の最高峰が放つ弾丸を五発も受けておいて、生きているとは驚きだ。まあ、敵は改造人間。何があってもおかしくはない。


「これほどの攻撃、受けるのは久しぶりでござる。拙者、久しぶりに血が滾るでござる」


「どうでもいいけど、いちいち語尾に『ござる』って付けるのウザいわね」


 このいかにもモブキャラと言った敵を最初に殺そうと沙織は思い、【ブラッディ・クイーン】を連射する。狙ったのは眉間と心臓の二箇所。どちらもこの銃の速度上、当たれば生き残れない部位だ。おまけに二発のタイミングを微妙にずらしたため、両方を避けるのは不可能。避けようとすれば必ず、どちらかの弾丸が炸裂する。


「終わりなさい、このモブキャラが」


 沙織は冷たく言い放つ。しかし、次の瞬間には目を見開いた。


「嘘・・・・」


 ゴザル丸に当たった弾丸は、明後日の方向に弾かれていた。まるで、奴には銃撃が通らないかのように。


 その時、煙が晴れた。そこで沙織は、何故自分の攻撃が通らなかったかを理解した。


「これが拙者の必殺武装、甲冑侍でござる。この鎧には、どんな弾丸も通らないでござる」


 そう、ゴザル丸はどこから取り出したのか、甲冑を着こんでいた。その腰には相変わらずプラスチックの刀があるが、甲冑効果なのか、本物の刀のように見えた。


 ゴザル丸のその姿に、まるで自分の事のようにチェリーズが喜ぶ。


「あれがゴザル丸の特殊武装、”黄金甲冑”よ。あれを着こんだ彼にはぁ、遠距離攻撃は効かない上、物理攻撃は半減される。しかも、あの甲冑を着こむ事によってゴザル丸の士気も上がり、戦闘能力が倍増するのよぉ!」


「貴重な情報をわざわざ喋ってくれてありがとう。貴方、裏切り者の素質あるわよ」


 チェリーズの自慢するような紹介に、沙織は冷酷な一言を浴びせる。そう、沙織はヘルズとは違い闘いを楽しんだりはしない。相手をより早く、より確実に殺すのみだ。よって、今のチェリーズの一言はヘルズにとっては厨二展開の始まりの合図だったとしても、沙織にとっては美味しい情報でしかない。


「ちなみに私の能力はぁ、自分の身体の様々な部位を伸ばす事の出来る、伸縮能力。まあ、鉄みたいに硬く出来るのは爪と歯だけなのが難点だけどぉ」


「本当に貴方裏切り者の才能あるわよ、私が保証してあげる。こんなに大事な情報をポンポンと喋ってくれてありがとう」


 沙織は確信した。コイツ等は馬鹿だと。

 

 自分から能力をホイホイと晒すような裏社会の人間が、強い人間な訳がない。言うなればそれはネットに顔写真含め個人情報を全て晒して生活しているような物だ。そもそも生きて行けるかすら危うい。


「ちなみに、ゴザル丸の武装は三十分もすれば解けるわぁ。まあ別に、回数制限とかないからすぐに再装着すればいいんだけど」


「後で友達にならない? その調子で敵の情報を全部喋ってくれるかしら」


 ついに哀れみの目で見ながら、沙織は言う。―――ヤバい、コイツ等、というかこのチェリーズという女、放っておけばその内金庫のダイヤルまで言いそうだ。もう少し喋らせておこう。


 そう思った沙織は、雰囲気だけは戦うように醸し出しながら、実際は徹底的に気を抜いた。すると予想通り、敵は勝手に内部情報を吐き始めた。


「それでね、最弱な存在である係長の能力が”誘爆”って言ってね、物体に爆発する能力を追加するのよぉ。あ、もちろん自分自身にも掛けられるわよ? でもぉ、失敗すると自分もまき込んじゃう上にぃ、直接戦闘の腕は皆無だからぁ、最弱なのよねぇ」


 明らかに機密情報であろう事をペラペラと話し出すチェリーズ。さっきまでの戦いのオーラはどこに行ったのだろうか。あと、係長の能力の方がチェリーズよりも強い気がするのは気のせいか。


「まあ、係長は雑魚だから仕方がないわね。百点満点の内三点ね、三点。あ、もちろん私は百点よぉ?」


 ・・・情報漏えいという重大な罪を犯している時点で既に点数はマイナスだと思うのだが、沙織はあえて黙っていた。このまま上手くいけば、何もしなくても組織の情報が全て手に入る。


「チェ、チェリーズ殿。仲間の情報を言うのは、ちょっと―――――」


「別にいいじゃない、アイツ死んだんだしぃ。それに、最近話す相手が居なくて困ってたのよねぇ。だから、せっかくだから話し相手になってもらおうと思ってぇ」


「だ、だからと言って仲間の情報を渡すのは――――」


「いいじゃない。どうせ殺すんだし。全く、空気が読めない奴ね」


 ガチバトルの最中に組織の情報を漏えいする奴も充分空気が読めない奴だろと沙織はツッコミたくなったが、あえて黙っていた。しかし、よく分からないが何だか疲れてきた。主に精神的に。


「それでぇ、組織の人数はぁ――――」


(よし、ようやく核心に入った)


 沙織は心の中でガッツポーズを取る。だがその時、チェリーズが驚愕を浮かべて大きく後ずさった。沙織はその目線の先を追う。そして、ボロボロの服を着た男がこちらに向かってあるいて来るのを見た。


「沙織・・・テメエ、島に地雷・・・・仕掛けたな」


 どうやら男はヘルズだったらしい。確かに、服のあちこちにヘルズの衣装の面影が残っている。だがそんな事は気にせず、沙織はヘルズに聞いた。


「あら、どうしたのヘルズ。酷い恰好じゃない。一体誰にやられたの?」


「お前だよ! 正確にはお前がこの島に仕掛けた地雷にな!」


 ヘルズが目を獰猛に光らせながら沙織に食って掛かる。しかし沙織は落ち着いた表情で返答する。


「あら、私が仕掛けたなんて証拠がどこにあるのかしら。証拠を出しなさいな証拠を。出せないのなら私は弁護士の元へ駆け込むわ。そして『濡れ衣の罪で怪しい男に脅されています』って、ウソ泣きをして乱れた服を直しながら言ってやるわ」


「グッ・・・・」


 ヘルズが言葉に詰まり、目をキョロキョロと動かす。そしてしばらく考えた仕草をした後、敵を指差す。


「あ、あんな所に敵が! さあ、早く倒そう!」


「上手く逃げたわね」


 沙織の言葉に、ヘルズは聞こえないフリをした。





 

キャラクター紹介④


レイチェル=イーデアリス


攻撃力 300(+無限) 回復力 120(+無限)

敏捷力 50 (+無限)


特徴


『名も無き調査団』の一員。有する能力は『理想を現実にする能力』。

この能力は彼女の望んだ現実を生み出す事が出来るというチート能力。ただし、自分以外の人間に対してその能力を発動する事は出来ない。


例えば、「全国の田中さんの頭上に車を落とせ」という事は出来るが、「全国の田中さんをエベレストの頂上に移動させろ」という事はできない。全国の田中さん御免なさい。


常にお嬢様のような高圧的な態度を他者に取っているためか、周りからは基本孤立している。日傘を主に好み、日が出ていないのに日傘を差す事もしばしばある。なお、倉根が用意してくれた友達との仲は、今でも良好な模様。


   

藤方綾峰


攻撃力 6700 回復力 200

敏捷力 4000


特徴


第四期暗殺者次席であり、『細胞強化プロジェクト』によって永遠の若さを得る『不老不死』の能力者となっている。しかし能力を手に入れるのが遅かったため、身体の年齢は二十歳を超えている。それ故にヘルズからは「ババアと言うには若すぎて、かと言ってロりババアと呼ぶには年増すぎる。よって若ババア」と称されている。ユルとは仲が悪く、いつか土に埋めてやろうと思っている。そんなユルからは「異世界オ〇ガの最終話に出てくる〇愛〇(問題になるため、名前は出せない)以上に死ぬべきゴミクズ」とまで言われている。


ロりでもないのに『のじゃロリ言葉』を用いる痛い奴。また、三年間の鍛錬の末に人間が元々持っている『オーラ』の力を限界まで引き出して戦う事が出来る。IQは220。ヘルズの高校の古典の教師だが、普段はラノベのイラストレーターをやっており、滅多に授業に出てこない。(そのため、古典の授業はいつも自習)。


実は第四期暗殺者主席になれたのだが、卒業試験の途中で水分補給にとコーラと間違えて劇薬を飲んでしまい、腹を壊した。その間にもう一人の実力者に卒業試験を突破されたという屈辱的な思い出がある。


また、弁護士以外の全ての免許を持っている。オペの腕はあの天才外科医を超えるらしい(あくまでも本人談であり、真実は定かではない)。






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