平常勤務の降雨日 3
クレーマーが帰ると、ガリアンはブレイザードの肩にポンと手を置き、笑いを堪えていた。
「ブレイザード…おまっ…それ脅迫じゃねーか…」
笑いが止まらないガリアンを見て、ブレイザードは困った表情を浮かべた。
「いやだって、いつもこんな感じの対応ですし…」
もちろん、こんな対応のため2回ほど警察が来たことがあるが、ブレイザードの必死の説明で事無きを得ていた。
「でも、もう警察が来ても…あんまり使いたくはありませんけど、すぐになんとかできるようになりましたから。」
そう言ったブレイザードに、ガリアンは目を丸くした。
「!んじゃ、ブレイザード…あの称号認められたのか。」
「はい。あまり言いふらすつもりはないですけど、晴れて『最高の魔術師』になりました。」
その報告にガリアンはまた笑った。
「ハハハハッ!そうかそうか、『最高』かぁー…まさかこんな平凡なスーパーに『最果ての魔導師』が誕生するなんてな!こりゃお祝いかゴマすりの昇給でも上に頼まないとダメか?」
上機嫌なガリアンに、ブレイザードは不愉快気味だった。
「いや、そういう特別扱いはいらないですから。俺としてはやっと認められたってだけですし…あと、『ハイライター』って呼び方はやめてほしいんですが…」
「そうか?…まあ、本来の意味だと威厳もなにもないからな。…わかった。けど、お祝いぐらいはさせろよ?」
ガリアンの言葉に、ブレイザードは渋々
「わかりました。でも、他の店員にも極力話さないでください。変に拡散するのは嫌なんです。」
と返事をした。