人は見た目で判断できない
《サブタイトル〈ナナさんの初恋〉です》
「誰に?」
「そりゃ主人公のニーアさんでしょ。」
「……」
「あれ、ニーアさん無視は悲しくなるので止めてください。(ノ><)ノ」
※注意※
この小説は作者の雲猫の”想像”、”妄想”で出来ています。専門知識等はありません。
不愉快と思ったら戻って下さい。
この主人公は口が悪いです。
誤字・脱字・物語の矛盾等あるかもしれませんが、御了承下さい。なお、誹謗中傷はお控え下さい。
ここまで読んでも”大丈夫”と言う方生暖かい目で見てくれると幸です。
《ただ今謁見の間に行くためニーアとナナはお城の広い廊下を歩いています》
「ニーアさん、ニーアさん。」
「ん?」
「この廊下何処まで続いているんですか…。結構歩いてますよね。」
「確かに5分は歩いてるな。無駄に広いからなこの城は。」
「…謁見の間までどの位掛かりますか?」
「城だけでも広いから10分くらい掛かるかな。(∧_∧)」
「(°□°)」
《城だけでも広いのか、城だけでも。》
「なんかこー、ワープとか移動出来る魔法陣とか無いんですか?」
「あるけど」
「え、なんで使わないの?」
「使う必要があんのか。」
「いや、私か弱い乙女ですよ。しかも疑問形ですらないし。私の事何だと思っているんですか。」
「面倒に巻き込まれた料理人の卵」
「そうですよ、私はあんまり運動能力ないんです。労って下さい。」
「此処まで来たら後少しだ。頑張れ。」
「了解(`▽´ゞ」
「頑張れだけで良いのかよ。」
「私、単純なんで。」
「自分で言ってて悲しくないか。」
「いや、全く。」
「………」
《呆れ顔なニーアさんでした。》
〈ローアSide〉
《同じ頃、謁見の間では召喚された勇者二人が第二王子ローアにより紹介されていた。》
「父上、義母〈はは〉上、この二人が召喚されし勇者です。」
「ほぅ…」
「まぁ、召喚されたとはあまり穏やかではありませんね。」
《玉座には穏やかそうな王妃殿下。どこかつまらなそうな王様が座りながら話を聞いていました。すると、》
「そこの娘、名は?」
《急に王様に話し掛けられ慌てた少女は》
「はっはい、私は…」
《と、自己紹介を始めようとする彼女を王妃殿下が止めました。》
「お待ちなさい。ローア、貴方は彼女にこの世界での基礎知識を教えてあげたのですか?」
「…いえ、まだです。先に許可を貰おうと、」
「彼等の一生に関わる事です。まず最初に教えてあげるべき事ですよローア。」
「はい、義母上失念しておりました。」
義母上の言う通りだ。考えが先に行ってしまう。俺の悪い癖だ。
《ナナとの口喧嘩とは打って変わって素直なローアに王妃様は微笑みながら言いました。》
「誰だって失敗はしますよ。ですがローア、貴方の失敗で他の人が被害を被る事もあります。自分の行動には責任を持ちなさい。特に貴方は王族なのですよ。気をつけなさい。」
「はい…」
もっと王子らしいく振る舞わなければ。そうしないと…
「それに陛下、貴方もですよ。また18年前の悲劇を繰り返すお積りですか。」
「…ふん。」
18年前?何かあったのか。俺の生まれた年にどんな悲劇があったんだ?
《ローアは気になりましたが、思い当たる節がありません。それにしても王妃には素直過ぎですよ。》
「謁見中失礼します。陛下、殿下。」
《ひとりの騎士が玉座の前に駆け寄り膝を着きました。》
「どうしました?」
「ニーア殿下が謁見許可を申し立てております。」
「そうですか。許可しても宜しいですね?」
「好きにしろ」
「構いません義母上。(あの煩いオマケがついて来るのか?)」
******
《ただ今、謁見の間の扉前。二人は謁見許可を待っていました。》
「いいか、王妃に失礼の無いようにな。」
「その口ぶりだと、王様は蔑ろにしてるみたいですよ。」
「お飾りの王には敬意なんて要らん。一様上辺だけ敬意を払えばいい。」
「いや良くないでしょ、ソレ。どれだけ王様嫌いなのよ。」
「国の政〈まつりごと〉もせずに後宮に一日中入り浸っている、玉座にしがみついてる奴を王と呼べるか、お前は。」
「呼べない。つか呼ばない。呼ぶ気が一切起きない。」
「政は王妃が全て仕切っている状態で、本当アイツ何もしてないよな。」
「なんで、誰も不満を言わないの?」
「言っても握り潰されるだけだ。王を利用する奴等が後宮に娘入れたり、何か企む貴族とか。かなり厄介で。」
「王様は良い鴨ですか。」
「そんなとこ。」
《自分の父親をこうも批難するなんて、どれだけ王様嫌われているのか。》
「…今更ですけど良いのかな、王様の悪口こんな堂々と喋っても。こんな廊下の真ん中で、しかも謁見の間の前で。」
《さっきも言ったが、二人が今いる此処は謁見の間の扉前で巡回中の兵士や扉の警備をする騎士もいる。二人はかなり目立っていた。》
「嘘偽りなら兎も角本当の事だから不敬罪にはなんねーよ。」
「結構心が広いんだねこの国の王族って。」
「そんな事で一々罰してたら国民の大半が捕まるぞ。」
「成る程、成る程。」
《妙に納得できる理由ですね。》
《そんな時、謁見の間から騎士が出て来た。》
「ニーア殿下、謁見許可が下りました、どうぞお入り下さい。」
「思ったより許可下りるの早かったな。」
「はい、王妃様がご許可致しましたから。」
「成る程。道理で早い訳だ。」
「王妃じゃなかったら早くないんですか?」
「謁見の間には貴族連中も居るからな、邪魔するんだよ、アイツ等。」
「なんでニーアさんの邪魔するんですか?」
「それは…、俺の母親が貴族じゃ無いからだ。」
「それあのバカ王子も言ってましたけど、それってそんなに大切な事なんですかね。」
「王位を継ぐなら大事だろうけど、俺は継ぐ気が無いと公言してるからな。ただの嫌がらせじゃないか?」
「仮にも王子に一介の貴族が嫌がらせしていい訳ないでしょ。嫌がらせは良いも悪いも無いけど。」
「そうだな。けど、そんな事気にしてたら生きていけないぞ。王宮じゃ日常茶飯事だこんなこと。」
「顔に似合わず逞しいですね。女の人みたいなのにね。」
「(#∧_∧)」
「あっ(°□°;)」
《ナナさん貴女には学習能力が無いのですか?》
「ん?」
「どうかしましたかローア。」
「今、悲鳴のような聞くに耐えない声が聞こえたような…」
「…私は聞こえませんね。」
「気のせいでしたか。」
《気のせいじゃ無いのよ。主人公がヒロインにコブラツイストかましてるせいだよ。その悲鳴。》
「(__)」
「ほら行くぞ。早く立て。(∧_∧)」
「コブラツイストかましたのはニーアさんでしょ。(-.-;)」
「俺に女顔と言う奴が悪い。(-"-;)」
「すいませんでした。でも、そんなに気にしなくても、綺麗ですよ。」
「…お前は男みたいだなと言われて嬉しいか?」
「……ごめんなさい。」
「小さい頃から言われ続けてたらいい加減キレるだろ。」
《ごもっともですよね。》
「でも、女顔は言われ慣れてるけど、綺麗とは言われたこと無いな。お前に言われたのが始めてだな。」
「初体験ですね!」
「なんでそんなに嬉しそうなんだ。」
「ニーアさんの初めて貰いました!」
「気のせいか、お前が言うと違う意味に聞こえてくるぞ。」
「気のせいですよ。」
《この二人、傍から見るとイチャついて見えるよね。それよか早く謁見の間に入りなよ。警備の騎士さん困ってるよ。》
「…さぁ、謁見の間に入るぞ。」
「…き、緊張してきました。」
「今更だな。あと、王は女好きだから気をつけろ。守備範囲広いからな。」
「……どれ位?」
「下は12歳~上は40歳までかな。」
「ただの変態じゃない。(-.-;)」
「そうだな。」
「会いたくない。」
「俺だって会いたくない。」
「「……ハァ」」
《謁見の間》
「何かあったのかしら。遅いわね~。」
「(ニーア達は何をしているんだ。あのオマケが何かしたか。)」
「……」
《王妃様は心配し、ローアはイラつき、王は無言。勇者二人は、》
「(ニーア殿下ってローア王子の兄弟だったよね。)」
「(そう聞いたよな。何の用なんだろか。)」
《こっそりと、ニーア殿下について話し合っていた。》
******
〈ナナSide〉
「あのニーアさん。」
「ん?」
「王子が謁見の間に入る時ってもっと厳かと言うか、〈ニーア殿下ご入場〉とか〈殿下の御な~り~〉とか。もっとこう、無かったの?」
「ご入場って、結婚式の新婦入場みたいだろ。だいたいそんなこと一々しないだろ。国賓でも無いし。(最後の例えはあの殿様しか浮かばないぞ。懐かしいな~。)」
「ニーアさん本音は?」
「面倒」
《身も蓋も無い》
こんな風にコソコソ話しながら入室して良かったのかな。今更ながら。だってさニーアさんに王妃様に失礼な事するなと言われていし。
だいたい、ニーアさんのノリがとっても良いんですよね。
ツンデレがやっとデレデレに為ったかな?
「調子乗んなよ。な?(∧_∧)」
「サー・イエッサー(T∧Tゞ」
〈ニーアSide〉
本当にコイツは調子に乗りやすいな。野生の勘はどうした。危機察知能力は発動しないのか、俺の怒りに。
「綺麗な女の人だね。スラッとしてて、ストレートな綺麗な黒髪。」
「顔も綺麗な女性だな。」
「………」
おい、今誰か俺の事女って言ってなかったか。なぁ、今言ったよな。そこの今時のチャラそうな男。そして、そこの小説の主人公でよくいそうな〈純真無垢、健気、努力家〉を地で行くような小娘、誰がスラッとしてるって?モヤシと言いたいのか。俺は男だ。その二重の目はパッチリしただけの節穴か?
「(ニーアさん…)」
「………」
後で見てろよ…。
〈ナナSide〉
無表情のニーアさんがとても恐いです。でも表情には出しませんよ。これ以上ニーアさんに迷惑はかけられません。頑張れ私。どんなにバカでもここだけは失敗は許されない。
「ニーア、よく来ましたね。この頃忙しかったのですか?姿をあまり見なくて心配しましたよ。」
《二人は玉座の前まで歩き、今までの姿からは想像も出来ない優雅な動きでニーアが膝を着くとナナもそれに習いややぎこちなく膝を着いた。》
こっ、これで良いのかな?皆の真似でぎこちないけど、これで勘弁してください。これが凡人の限界です。
「王妃殿下、お体の方もお変わり無い様子、安心いたしました。長らく姿を見せずにすみませんでした。」
やっとニーアさんの王子らしい姿を見たよ…。カッコイイな~。
「良いのよ。貴方には貴方の仕事があるのだから。執筆の方は進んでいますか?」
「はい。執筆が終わりましたら、まず王妃殿下にお読みいただきたいのですが、後少しという所で手が止まってしまいました。もう少しお待ち下さいませんか?」
うぅ~。カッコよすぎですよ。さっきまでのドSはどこ行った。黒さも何処に?
「(話しに入れないから、このままの体勢でいよう。)」
それにしてもいい声だなニーアさん。高くも無く、低すぎず、私の好みドンピシャですよ。
「あまり根を詰め過ぎて身体を壊さないでくださいね。」
「お気遣い感謝致します。王妃殿下。」
ヤバい、顔がニヤける。無表情、無表情。心を無にするんだ私!
「……(無無無む…)」
「所でニーア、貴方の隣に居る方は?」
「…(やっと、紹介してもらえる。でもニーアさんが紹介してくれるまで喋らないほうが良いよね?)」
今喋ったら顔がニヤける。ニーアさん紹介お願いします。
てか、本当に王様アウトオブ眼中ですねニーアさん。
〈ニーアSide〉
《一見和やかな風景ですが、此処は謁見の間。貴族達は王妃とニーアの談話を睨みながら見つめていた。》
ナナは自分から話しかける様なポカしないみたいだな。
…なんでか必死に為っているみたいだか。
「(何やってんだコイツ)王妃殿下、こちらはソチラに居る勇者二人と共に召喚された、ナナです。」
そういえば、ナナは敬語を話せるのか?確かめてなかったけど。
「王妃様、お初にお目にかかります。私はナナと申します。訳あって本名を明かせず申し訳ありません。」
何だ慣れてなさそうだか、一様出来るのか。
「良いのよナナさん。名前を隠す事は身を守る為ですもの。謝る事はありませんよ。」
「恐れ入ります。王妃様。」
心配無用だったか。それにしても、ななのヤツなんでこっち見ては目を反らすんだ?
「…王妃殿下。彼女、ナナは勇者ではなく、召喚に巻き込まれた様なのです。」
いつもならローアが突っ掛かって来るはずだか、今日は空気読んだのか?
「まぁ、それは気の毒なことです。アチラに家族が居たのでしょ?」
そういえば、家族の話しはしなかったな。いきなりこんな知らない異世界に来て辛いだろうな普通。
「いえ、家族は私が小さい時に事故で亡くなりました。」
事故で亡くしたのか。その事故って例の事故か?だとしたら家族の中で一人だけ生き残って辛かっただろうな。
もしかして、あの性格も気丈に振る舞っているだけなのか?
〈ナナSide〉
何だろ凄く気まずい。え、なんで?
「ごめんなさい。こんなことを聞いてしまって。」
いえ、王妃様私の家族が亡くなって12年経つのでもう結構吹っ切れてますヨ。
「さっきはすまなかったな。」
バカ王子はやけに素直で気持ち悪いな…(-д-)
《サラッと酷い事言うね。》
「……」
さっきから王様が無言で見詰めて来るんですけど。これ睨まれてる?喧嘩売られてるの?
「どうなんでしょうニーアさん。」
「お前の頭がどうなっているんだ?」
「いたって普通ですけど。」
「何処が。」
だってさっきから睨まれてるんですよ。
見てくださいヨ、ガン見でしょ!アレ。
「コソコソ(ニーアさんさっきから王様に睨まれてるのですが)」
「無視しろ(あれは見詰めるの間違いだろ、あのロリコンが…)…後で絞めるか…。」
「(あれ、ニーアさん何か黒い…)」
「あの二人は何をしているんだ…。」
「ふふふ……」
何故か王妃様に笑われた…。
〈ニーアSide〉
あれから、笑いつづけていた王妃殿下もやっと落ち着いた。
少しむせているが大丈夫か?
「っごめんなさい。笑ってしまって。」
「いえ、慣れています。」
お前は、いつも人に笑われ慣れてるのか。
「あまりにもニーアが楽しそうだから、つい。」
王妃殿下貴女も少し地が出ているし。
「王妃殿下、大丈夫ですか?」
「ええ、大丈夫です。三人の城の滞在許可ですが、許可しますよ。良いですね陛下。…ですが、少し疲れてしまったので、私は自室に戻ろうと思います。」
……独断だよなそれ。
「少し話しがあります。私の部屋まで来てくださいね。」
やっぱり、そうきたか。
「それでは陛下、私はこれで。ニーア、ローア。部屋で待っていますね。」
「……」
早く部屋に来いって事か。
「はい、直ちに向かいます。」
「分かりました。義母上。」
「でわ。」
此処から早く抜け出さないとな。
陛下、さっさとこの部屋から出てった方がいいぞ。
ローア、頼むからキレるなよ。頼むから。
《意外に仲良いのかなニーア達さん。》
「ニーアさん、何か嫌な予感がビシビシしますよ。(さっきから貴族らしき女性が睨んでます。)」
やっと野生の勘が機能してきたか。
「少し黙っろよ(さて、何処の馬鹿が仕掛けてくるかな。)……直ぐにアイツ等絞めるから。」
「……(え?)」
《此処から、ニーアさんの毒舌(心の中で)が炸裂しますよ。》
「その者はどうなさるんですかニーア殿下」
ちっ、やっぱり来たか、バジッド公爵。厄介な奴が来たな。
《話しかけてきた貴族はバジッド公爵と言い黒い噂が絶えない典型的な嫌な貴族の代表の様な人物で、ニーアは独自に彼等の悪事の証拠を探っていた。》
たく、今更なんの用だか。
《悪事で肥えたのかでっぷりした腹を揺らしながら取り巻きの貴族と共にニーア達の前まで歩いてきた》
「どうもバジッド公爵。お久しぶりです。相変わらずのようで何よりです。」
《訳、相変わらずの腹で笑が込み上げてくるのはいつも通りだな。》
「それで、どうなさるのですかな。ニーア殿下。まさか、父王に習って側室になさるおつもりですかな。」
おい、まだ父王居るぞ。傀儡の王にも上辺だけでも猫被れよ公爵。
それに、側室が許されるのは王だけだろ。
俺を貶すより、自分の発言に気を付けろよ。今の発言は、あんたが俺を王に望んでいると取られるぞ。
あんたの敵は、どんな些細な事でも武器にするからな。
「まさか「まさかそのような事なさいませんよ、お父様。ニーア殿下にも選ぶ権利はありますわ。このような下賎な異世界人など選ぶはずありません。ねぇ、殿下。」……」
《話しに割り込んで来た女性はバジッド公爵のご令嬢でこちらも古典的な嫌な貴族のご令嬢代表。いつもニーアに接近しては軽く交わされている。今回もめげずにニーアの腕に手を掛けようとしてさりげなく避けられた。何よりニーアの嫌いなタイプだ。》
何がねぇ殿下だ。人のセリフに被んなよ、馴れ馴れしく話し掛けるな。
こっち見んな。ケバいんだよ。親子して鬱陶しい奴らだな。
まだナナの方が女としてマシだ。
……アイツは女としてどうかと思うが。
「そうですね私にも選ぶ権利はありますよ。それにしても皆さん何か誤解していませんか。」
《訳~俺の目は節穴じゃ無いから絶対テメェは選ばねぇよ。勝手に勘違いすんなよ、馬鹿共が。~以上。》
「ですがあのような下賎の者を城に置いておく意味など無いでしょう。此処は私めがその者達の面倒をみましょう。」
《話しに割り込んで来た取り巻きその1、日頃影の薄い彼は何かと浮き名をながす伯爵で公爵の取り巻きになってから随分羽振りが良くなり、妻と子が居ながら同じ屋敷に愛人達を囲って居るバカ者だ。》
テメェもウザいんだよ公爵に取り入るしか能が無い取り巻きが。滞在許可は王妃殿下が許可したんだ文句あんなら言えよ、本人〈王妃〉に。
それと下心丸出しだ、このロリコンが。
おまえの12歳の息子の方がずっと優秀だ見習え。
「(・_・;)(ニーアさんの後ろに魔王様がご降臨していますよ。)」
「いえ、王妃殿下も許可を下さりましたし、私共が責任を持って保護します。お気遣い無く。(今は耐えろ俺)」
《訳~王妃の決定が不服なら自分で異議を唱えろよ王妃本人に。もう俺達に構うな。~》
《っと、ここで意外な援護射撃がローアから出た。》
「そうです。あの二人は俺が保護します。ウェルダ伯爵(今は我慢だ俺)」
《……案外似てるよこの兄弟》
「ですが殿下方貴方達は王子ですよ。このような下賎な者達とは関わらないほうが良いかと。」
テメェ等とも関わらないほうが良いよな。裏での悪事の証拠ちゃんと掴んでんだよこっちは。
覚悟してろよバジッド公爵とその取り巻き共。
それとさっきから聞いてりゃ下賎だなんだどすき放題言いやがって。テメェ等のその豪華な暮らしは誰にさせてもらってると思ってんだ。
テメェ等が下賎と見下してる国民だろうが、国の面汚しの寄生虫どもが。汗水垂らして働いてる国民と義務を果たしている善良な貴族に土下座して謝れ。
……ソロソロ潮時だな。
「それでは私達は王妃殿下に呼ばれていますのでこれで。……お前達も行くぞ」
「失礼します。」
「「「失礼します。」」」
******
〈ナナSide〉
[バタムッ…]
《ヤケに大きな音をたてて閉じた扉に謁見の間からやっと出られたと実感する。》
まさかのニーアさん魔王様説が私の中で浮上しましたよ。
「やっと抜け出せたな。」
やっとニーアさんの後ろにご降臨していた魔王が帰ってくれましたね。
…怖かった((゜Д゜ll))
「(・_・;)(どうして皆さん気付いていないの?ニーアさんとても黒かったよ。)」
「どうした。疲れたのか?」
「まぁ、疲れましたよ精神的に。」
主にアナタの黒さに疲れました。
「大丈夫か?少し休むか?」
ヤケに優しいですねニーアさん、何か企んでませんか?
そのキラキラな笑顔で爽やかに言われても……、カッコイイだけですよ。
《今精神的に疲れたとか言ってたくせに。》
「大丈夫です。それより、ニーアさん!」
「んあ?」
「カッコよかったですよ。嫌味を言ってくる貴族達に笑顔(黒)で対応してて。」
「「「(カッコイイ…?)」」」
「はあ?ただ適当に相手してただけだろ。」
そんな驚いたお顔もまた良いですね。ドストライクですよ私の。
……私、ニーアさんに惚れたみたいです。初恋ですよ、一目惚れかもしれません。
「(≧∇≦)」
「……」
照れてるニーアも可愛いですね~。
この美しさと可愛らしさを私に分けて欲し[ガコッ!!]
「痛っ~~~~」
「絶対失礼な事考えてたな。(∧_∧)」
「いえ、滅相もないです。ニーアさんの美しさに嫉妬しかけただけですよ!」
「それは俺の顔が女顔と言いたいのか?(∧_∧)」
ニーアさん魔王様が再降臨されるのですか?
でも、勘違いですよニーアさん。私も最初は女性と間違えましたが、今は女顔には見えません!
「ニーアさんは美人なんですよ!!」
「……そうか。」
《ニーアさん脱力してますよナナさん。》
「そうなんですよ!」
「なぁ俺達忘れられてるよな。」
「完全にな。全くニーアにくっつき過ぎだ。」
「殿下そこじゃ無いですよ。」
《また忘れられてるローア殿下と勇者二人であった。》
《次回予告》
《無事滞在許可を貰い貴族達の嫌味にキレる事なく謁見の間を出る事が出来たニーア達》
「内心キレてましたよニーアが。」
「顔に出さなきゃ良いんだよ。」
《ニーア達は王妃様のお願いで彼女の自室に向かう事に》
「どの位かかりますかね。」
「さぁ~、かなりかかるな、歩いたら。」
《王妃から聞いたニーアの出生の秘密》
「秘密も何も…」
「ネタバレですよ!ニーアさん。」
《そして漸くナナは料理に取り掛かる事が出来るのか。》
「「いい加減料理作れよ」らせてよ」
《そして、忘れ去られたローア殿下と勇者二人は、自己紹介でニーアの逆鱗に触れてしまうのか!》
「また忘れてたよ。ゴメンね、二人共+ローア殿下」
「俺に言った事後悔しろよ。(∧_∧)」
「既に逆鱗に触れてたよ…(゜∀゜;ノ)ノ」
《作者雲猫は伏線を全て回収できるのか?》
「知るかよ。」
「(機嫌が頗る悪いですニーアさん)」
《次回、〈魔王様降臨〉をお送りします。》
「嫌な予感しかしない。」
「さて、どんな事をしようかな(∧_∧)」
「二人共逃げて!地平線の彼方まで逃げて!!此処に魔王様が居るー!!」
丁寧な言葉遣いが苦手な雲猫です。
ようやく書けました。ニーア達が暴走しそうで話しが進まなくて大変でしたよ。
ちなみにナナはMではありません。少しあるかも知れないけど。
彼女がどんなに強く叩かれても直ぐに復活するのは最高神様の特典です。
少しネタバレになるかもしれませんが、このあと二人は勇者達とはあまり行動しません。
でも、冒険は一緒にするかも。
では、これで。
(^ω^)/