中途半端って気になるよね?
いったい何ヵ月間が空くのだと罵られても仕方ない程放置してました。やっと此方にも手が掛けられそうなので投稿します。
とは言え、暇潰しの為に書いているために今後も投稿ペースは遅いです。亀更新を通り越して蝸牛更新です。ご容赦くださいm(__)m
朝目が覚めてさっさと起きた。今日も何が起きるのやら。さて、アレは何処に置いていたかな?
「たしか本棚に…」
コレから使うことになるであろうあるものを探していると、どこからか[バタバタ]と音が聞こえてくる。どうやら起きたようだ。
[コンコンコン!!]
「ニーアさん、寝坊しました!!ごめんなさいー!!」
俺が「どうぞ」と言うと、ナナが血相を変えて部屋に入ってきた。髪が所々跳ねたりしているが鏡も見ずに来たのか…。
「おはよう、ナナ。遅いお目覚めで。」
「すいません…。朝ごはん作り損ねました。」
「それよりも、鏡見た方がいいぞ。髪、寝癖が酷い。」
そんなことを言うと、「ギャー、忘れてた!!Σ(゜Д゜)」なんて叫びながら部屋から出ていった。嵐みたいに騒がしいな。
「あったあった。」
ナナに構わず探していると目当ての物が見つかった。かなり昔に使っていた物なので少し古いが、差し支えないだろう。基本は同じ何だから。
「お見苦しい姿をお見せしました。」
「お前の髪の毛ってテンパだからな。」
「ニーアさんの髪が羨ましい…。」
漸く寝癖が落ち着いたナナは、俺に謝ってきた。見てる分には面白いので別に構わないのだけど…。
「さぁ、無駄話はここまでにして、今日は魔法の勉強だ。」
「…難しいですか?」
「数学よりはマシかもな。」
とても嫌そうな顔で見てくるが…
「さぁさぁ、今日中に下級魔法位は使えるようにするぞ。」
「マジですか…」
「マジだ。」
コレは大丈夫なのか?このやる気のなさは不安だな。
「まず、これを読む事。」
さっき探し当てた物をナナに渡す。これさえ理解出来れば後は応用が効く。
「下級魔法の正しい使い方?」
「それが基本だ。それが出来ないと魔法の適性は絶望的だな。」
「…………なんか、ゲームの説明書見たいですね。」
「正解。」
「…はあ?!Σ( ̄□ ̄;)」
「そう言えば、言ってなかったか?この世界「ラグナ」はゲームと同じ世界観なんだよ。」
今思えば言ってなかったか…。すっかり忘れてた。
「………ゲームの世界…なんで解ったんですか?だって…」
「この国は、かなりの数転生者が居るんだ。その本はその転生者が書いたもの。どうも俺たち記憶を持った転生者はこの世界の常識から外れているみたいで、一般的な魔法は使えないんだ。」
「使えない?」
「そうだ。でも、その記憶のお陰で使うことが出来るんだか…」
「なんか頭がこんがらがる~」
「一応、説明するけど、解んなかったら言えよ。」
「( ロ_ロ)ゞ了解でーす。」
「…まず、この世界は医療が発達していない。魔法があるせいだ。そのせいで治癒術がどうして、どんな作用で傷が治るのか解明されてない。
「それで治るんですか?」
「治るのか、と言えば治る。でも、一般的な治癒術は治癒力を高めて治す物なんだ。」
「ん~…」
「で、転生者版は、ゲームその物だ。」
「( ̄▽ ̄;)」
「…ゲームって、何でも数値化されてるだろ。だからな、ゲームってキャラの手足が無くなるなんて無いだろ? どんなに重症でもHPをフルに回復すれば死なないだろう?
「そうですね。」
「ゲームにもよるけどな。けど大体そうだろ? 魔法はイメージが肝心なんだ。イメージ次第で度を越さない限りは大概出来るだろうな。」
「イメージ……」
「だからな、魔法は…」
*********
「つまり、ゲームのイメージで魔法を使えば良いと…」
「…あぁ、そうだな…。悪い、俺も人に教えるのは苦手なんだ…。」
人に教えるのは思った以上に大変なんだよな。俺は教師を尊敬するよ。
あぁ~、疲れた…。
大体のノウハウは覚えさせた。後はナナの努力しだい。次は、闘う術を教えないと……それも、出来るだけ早く。
いつ貴族が仕掛けてくるか分からない。
………でも、ナナのやつ闘えるのか?
ナナには悪いけど、とても闘えないだろうな。
********
「魔法は、コレぐらいでいいだろ。でも、忘れんなよ。覚えたこと。」
「あんまり自信ないですね…。」
「気の持ちようだ。ただ、ひとつ注意点がある。」
「何ですか?」
「無闇に魔法で攻撃するな。特にお前はな。」
「……そりゃ無闇になんて使いませんよ?」
「絶対に後悔するぞ。特に生き物に対しては絶対にダメだぞ。慣れないことはするなよ。」
元の世界では人の死は病死、事故死とかが主だっただろう。勿論、殺人もあった。
けど、いつも身近に死があったわけではない。そんな世界から来て、この世界に日常的とはいかなくてもアチラより死に近いここはキツいだろう。俺も初めは気が狂いそうになった。
特に事故死で家族を失ったナナにはあんな思いはまだ早い。少し過保護だろうか?
「それに、敵が生きている方がいい。賞金首ならその方が金額が高い。」
今まで苦虫を噛み締めた様な顔をしていたナナの顔がたちまち呆れ顔になった。
そんな可笑しい顔してる方が良い。いつかは、人の命を奪う事もあるだろう。この世界は、それだけ危険なんだから。
今だけ、今だけは笑えるだけ笑っていた方が良い。笑えなくなる日がいつかは来るのだから。
「ニーアさんって守銭奴なんですか? 心配してくれているのかと、ちょっとぬか喜びしましたよ…。(。>д<)」
「明日は、護身の為に闘う術を教えるからな。武器を選んでおかないと…」
「守銭奴を否定しない…。もしかしてマジで守銭奴? あっ、あぁ!ニーアさんニーアさん。」
誰が守銭奴だ。倹約家と言え、倹約家と。………確かに金に関しては厳しい考えなのは自覚してるけど。コレばっかりは前世の癖だから直し様がない。
「ニーアさん、見て見てコレ。」
何だかはしゃいだナナが手首を指差している。その右手首には銀とはまた違った白に近い銀色のブレスレットがあった。
ブレスレットなんてしてたか?
それに、このブレスレット…魔力が込められている。しかもかなり強力な。
「ソレどうしてんだ? 昨日部屋に運んだ時点ではなかったと思うけど。」
「実は………」
説明のなかでナナの夢の中に現れた女神……気になるが悪意はそのブレスレットには込められてはいない。一応……敵ではないのか?
まぁ、悩んでも仕方ないか。俺に神を相手取る力も度胸もましてや頭脳もない。なるようにしかならないか。
「なんと言うか……異変を感じたら直ぐに捨てろよ?」
「!!……ニーアさん……」
目をキラッキラさせて俺を見るナナ……何だよ?
「何だ?」
「ニーアさんが、…ニーアさんが私を心配してくれた!(ノ_<。)」
「………(-_-#)」
「フフふふ……ニーアさん♪ツンデレなんだからぁ♪コノコノ……(ノ´∀`*)」
「ハァ……」
バカにつける薬なし。一人で盛り上がっていたので放っておいた。
あ、朝飯食べよっと。
こうしてナナは俺が晩御飯を作り終わり呼ぶまで俺の書斎で見悶えていた……見ていて気持ち悪かったぞ。
何だかんだと言いつつも世話を焼くのは血筋です。
ちょっとネタバレになるのでいえませんけどね。