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チート染みてきたナナはこらからどうなるのか…。
「イヤ、あんたが考えるんでしょ。」
〈ナナside〉
目が覚めたら知らない天井だった。
「なんてベタな展開なんだろ…ここ何処?
」
頭が少し鈍い。どのくらい寝てたのかな…? 寝てた? 何で?
あの後、最高神様が夢に出てきて…?
その前は?何か嫌な夢を見ていた気がするけど覚えてない。夢だからかな。
そうだ、最高神様にサービスで知識を本にしてもらったり、武器を貰ったり、身体能力と体の頑丈さをチートにされたんだった。
チートは勘弁して欲しかったなぁ。だってさ、何かにつけて巻き込まれそうじゃないか~!
「はぁ~」
何かが腕に巻き付いていた。これがブレスレット型の武器かな。もう一つは出し入れ自由って言ってたよね。
それにしても、このブレスレット凝ってるなぁ…。素材は銀かな。でも、ちょっと白っぽい…。もしかしてプラチナじゃ無いよね。武器には向かないでしょ…?
形が自由自在でも大きさに制限在るのかな?
今は言いや、確か知識の本に武器の説明が書いてあるって言ってたよね。
「(念じれば良いって言ってたし、やってみよう。知識の本…)」
[フォン!]
簡単に出来るなんてさ、思わなかったよ。
その後、一通り試しに知識の本を使って見たけど、感想は念じるだけでいい電子辞書のスゴイバージョンだった。
情報量がハンパナイ。そんな事まで!?な事まで書いてあった。何がなんて聞かないでね。私も口には出したくない事まで書いてあったのよ。
なんでもこの国は島国で、隣国は違う島に巨人の国があり。遠くには大陸があり種族別に数多くの国があり、その事は知っているが、大陸の住人達はこちらを知らない。
この国は異世界からの訪問者が数多くいた。その為独自の文化を発展させたらしい。
最高神様は現在のこの国ヘイムダールがここまで発展しているとは思わなかったらしい。謝罪が一緒に書かれていた。
私にとってはありがたい誤算ですよ♪
でも、そんな上手くは行かないのが現実ですかね。
…料理が全然発展してません。
中途半端ですが、私が知っている食品等が作られてはいるようですが、調理の方が……。
醤油や味噌、砂糖、塩、お酢(これは果物から作られたもの)、お米も有りましたよ♪
その他の野菜や果物等あちらと共通の物が数多く有りましたよ。良かった…。
さて、下調べはこの辺にし。
ここが何処なのか確かめよう。
「ホントは一番最初にすることだけどね。」
私って昔から前しか見てなかったり注意力が無いよね。
良く通信簿に注意力が足りません。良く周りを見ましょう…。なんて書かれたよ。
そんな下らない事を考えていると、控えめなノックの後ドアが開いた。本当に危機感持とうよ私。
「ナナ様、起きられましたか?」
なんだか肝っ玉母さんみたいな、それでいて洗練された振る舞いの女性が水差しとコップをトレイに乗せて部屋に入ってきた。コップも水差しも馴染み深いガラスでできていた。
「気分はどうですか?ニーア様は疲れが溜まっていたせいだといっていましたが。」
私を気づかいながら水を注いだコップを渡してくれた。…ニーアさんに頼まれたのかな…。毒なんて入ってないよね。一応仮にもニーアさんの婚約者(仮)だし、さっき用心しようと意気込んだし…
「毒なんて入ってませんよ♪」
「!!!!」
ニーアさんの周は心を読むのは当たり前、朝飯前な御人が殆んどなのですか!
「そんな事出来る訳ないですよ」
出来てるでしょ。私の心の中透視してますよね…。
そんな事を考えながら差し出された水を飲む。とても喉が渇いていたのかコップの水を全て飲んだ。召喚されてからなにも口にしていないのだから当然かな。
「すいません、おかわり下さい。」
この水何か柑橘系の果汁でも入って居るのか、爽やかなのど越しで美味しかった。
喉が渇いていたからなのかは区別出来ないけどね。
お手伝いさん?侍女さん?は呆れた笑顔ではなく、どこかウキウキした笑顔でコップに水を注いでくれた。
「あの、ここ何処ですか?」
「そんなに畏まらなくてもいいんですよ。私はニーア様の乳母と侍女を兼任しております。マーサでございますナナ様。どうか気安くマーサと呼んで下しいませ。」
なんだか肝っ玉母さん、マーサさんはニーアさんの乳母で侍女だそうで、とても気さくな人みたいだ。
「ここはニーア様の離宮です。貴女はニーア様に運ばれてこの部屋で休まれて居たんですよ。」
「ニーアさんが?(運んだのならニーアさんの場合きっと担いで来たんだろうな…。それとも、魔法で移動したのかな。)そのニーアさんは今ドコに居ますか?マーサさん。」
「もっとも気さくに話して下さいな。ニーア様はただいま書斎でお仕事中でございます。一時まで掛かるので先に昼食を食べていてもよろしいと言ってましたよ。」
ニーアさんは仕事中かぁ、なら邪魔できないなぁ。回復魔法のお礼はまた後でにしよう。
「お願いがありますマーサさん。私はその、慣れていないので普通に話しかけてくれませんか?」
「……わかりました。では、ニーア様と私達しか居ない時だけですよ。」
良かった…。自分のお母さんくらいの年の人に敬語を使われるのは気が休まらないよ。
「そうでした、ニーア様に言伝を頼まれていました。ナナさん、ここの厨房の食材を好きに使っても構わないそうですよ。何か作ってわどうですか?」
「ここの厨房は誰が仕切っているんですか?その人に聞かないと…。いくらニーアさんの許可が…」
台所は主婦の聖域だからね。無闇に使ったら後が怖そう。キチンとその人に許可を貰わないと。
確か、乳母のマーサさん以外にも使用人の人が居るハズ。良く覚えてないけど。
「ここの厨房は余り使いませんので自由に使っても誰も文句なんて言いませんよ。時々ニーア様が使うほどで、たまに私が昼食等作りますけどね。今日はニーア様は徹夜明けでまだ寝ていると思ったので作ろうと思ってましたけどね。」
マーサさんは何か作るのならついでにニーアさんの分も作って欲しいと頼み、厨房の場所を教えてくれた後「貴女の服を持って来ますね」と言い残して部屋から出ていった。ご丁寧にニーアさんの書斎の場所まで教えて…。
マーサさんは日本に居たらお見合い写真をいっぱい持って来そうなお隣のおばさんのイメージが私の中で定着したのは言うまでもない。
とうとう次回ナナさん料理します。
「やっとかよ。」
「やっとだね。」
でも、料理してるとこは省くよ♪
「私の見せ場が……」




