第二話 子供
海〜海〜海〜
治樹の心は海の事でいっぱいだった。
「海〜」
「え!?治樹〜海って?今日海行かないよ?」
この言葉を聞いた治樹は沈んだ。
「えーーーーーーーーー俺なんも聞いてないんですけど・・・」
「ごめん、治樹、すっかり忘れてた。」
オイオイ親友よ、いつも大事な事言わないのやめてくれ。
「まあ、いいけどさ、どこ行くの?」
「そこのファミレス」
親友さ〜ん、デートがファミレスですか〜俺は妄想しまくって昨日眠れなかったのに
ファミレスかよーーーーー
そんな治樹の心の中の叫びも知らず、健一郎と女の子達はファミレスに入っていく
「治樹〜いそいで〜」
愛の美声で俺は歩き出す。
「いらっしゃいませ」
ウエイトレスに誘導され席にたどり着く。
その時・・・
健一郎と目が合う。
(席は狙ってる子がとなりでいいよね?)
(OKです!!!)
やりとりをアイコンタクトですますと。
愛が
「席はどうするの?」
(待ってました!!!!)
俺の心の声
「こう座ろうよ。」
モテ男の健一郎が言うと・・・
俺の隣に大好きな・・・大好きな・・・愛が!!!!!
今なら神を信じられるとか思ってしまった。
みんな楽しく喋っている。
そして、時間は過ぎていく・・・・
「あれ!?もうこんな時間!帰んなきゃ、今日は楽しかったよバイバイ〜」
美羽が帰りだす。
健一郎の寂しい顔を見た!!!!!!
(ドンマイ!!)
「愛はまだ帰んなくて大丈夫なの?」
「うん、まだ大丈夫だよ〜」
そして、また健一郎と目が合う
(ここはやはり、俺は帰った方がいいのかな)
(すまんな、健一郎、この借りは返すよ)
(ま!頑張れよ!)
(ありがとうな)
このやりとりを1秒間でやった。
一瞬・・・一瞬だが、俺らの友情レベルは五段階評価でMAXなのではないのだろうか。
と思った。
「俺も時間だから帰るよ、じゃあな〜」
「バイバイ〜」
「おう、じゃあな」
とうとう愛と二人っきりになってしまった・・・
これは神様がくれたチャンスだとしか言いようがない。
ずっと喋っていた。
ってか喋っていたい。
そんな俺の気持ちとはうらはらに時間はどんどん進む。
俺はこの時がずっとあればなあとか思っていた。
まず、ありえないのだが・・・
「やば、夜じゃん、帰るね」
「家まで送ってこうか?」
「え!?いいの!?じゃあ遠慮なく〜」
(これは、やはり、俺は神様に好かれてるんだろうか、本気でそう思ってしまった。)
送ってる時も俺は君は嬉しそうに喋っていたね。
俺はそんな嬉しそうに喋る君が好きだよ。
俺は君の事が好きなんだ。
時間が過ぎていく・・・愛との大切な時間が過ぎていく・・・
「じゃあ、ここで、今日は楽しかったよ〜バイバイ〜」
「あのさ」
「ん!?何?」
「また、遊ぼうな〜」
「うん!そうだね、じゃあ〜バイバイ〜」
「バイバイ〜」
俺は精一杯でこんな言葉しかいえなかった。
でも、本当に嬉しかった。また遊んでくれるなんて、今日は最高だ!
浮かれて浮かれて、スキップしそうな勢いだった。
(俺は恋する乙女かい!)
こんな事を思いつつも、頭の中は愛の事でいっぱいだった。
だが・・・
俺は重大な事にきづいてなかった。
その重大な事とは、メアドを聞くと言う事であった。
はっきり言おう。
俺はシャイです。
めちゃくちゃシャイです。
だから、学校で聞けないのです!!!!
ハァ〜とため息つくが
(ま!いいっか、今日は最高だったし)
こんな感じで浮かれていた。
夏っていいなーーーー
やっぱり、祭りとか花火とかだよな
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俺は空を見ながらそんな事を考えていた・・・・