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第31話(最終話) 天上界16プラス1日目 せっかく転生させたというのにこいつといったら!

「さあ、目覚めるのです。新しい世界への扉が待っています」


「えっ、ここはどこですか? どうして私はこんなところにいるんですか?」

「あなたは不幸にしてお亡くなりになりましたが、今からあなたの望む世界に転生させてさしあげます」

「あ、あの、私は死んだというのですか? それに、あなたは誰ですか?」

「私の名はモニア。あなたを新しい世界へ導く神よ。いきなりビックリしたかもしれないけれど、これから私の言うことをよく聞いてね」

「は、はい」


「さあ、新しい世界に旅立ちなさい!」

 今日一人目の転生者を、無事に新しい世界に送り出した。

 転生っていうのはこうやって進めていくものよね。

 きのうやっとあいつを転生させたから、今日から通常運転ね。

 これから毎日、ノルマはなんとか達成できるわ。エニュー課長、少しはノルマを減らしてくれてもよかったけど。


 それにしても、あいつを送り出せて本当にせいせいしたわ。毎日毎日、本当に手間がかかってしかたなかったからね。

 ほんのちょっと、ほんのちょっと寂しく思わなくもないけれど、きっと気のせいね。


 きのうは、あいつがまた何か注文をつけようと、すぐに戻ってきたがるんじゃないかとが気じゃなかったわ。

 さすがにあいつもそこまで厚かましくはなかったみたいだけど、向こうの世界からあいつが私を呼ぶ声が聞こえるんじゃないかと、一日中ハラハラしてしまったわ。


「モニア様! モニア様!」

 そう、そんな風に呼んでくるんじゃないかと。

 何日も相手にしていたせいか、あいつの声が耳にこびりついているようね。

 まるで本当にそう呼ばれているような気がするわ。


「モニア様! モニア様!」

 空耳にしてはしつこいわね。


「モニア様! モニア様!」

 あ、これ、空耳じゃない。

 あいつが向こうから呼んでいるのだわ。


「きのうの今日で、いったいどうしたというの!」

 私はあいつのいる世界に向かって呼びかけた。


「昨日はこっちの世界に飛ばされてそのまま眠ってしまったんです。お願いしたとおりの気持ちのよい気候だったのでついウトウトしてしまって、やっと今起きたんです。誰も起こしてくれなかったのでね」

 そりゃあ誰も起こしてくれないわよ。

 異世界に着いて早々に寝る神経も大したものだけど。


「で、お目覚め早々私に何の用? いきなりゴブリンにでも囲まれたの? でも、それくらいじゃ圭ちゃんは呼べないわよ。それくらいひとりでなんとかしなさいな」

「いや、そうじゃないんですけどね、やっぱり朝はモニア様の美しいご尊顔を見ないと調子が出ないなあと思って」

「お世辞を言ってもダメよ。そんなことで私を呼ばないでほしいわ」


「そんなあ。俺とモニア様の仲じゃないですか。それでご相談なんですが、これから毎日、朝はモニア様のお顔を見にそっちに行っていいですか? そうしたら、活力が湧いてとってもよい一日が過ごせると思うんです。転生者が活躍できる環境作りって神様にとっても大切ですよね!」


「そんなのいいわけないでしょ!」


 せっかく転生させたというのにこいつといったら!

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