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26/27

夜が来る


朝、通知はまだ来ていなかった。


来ていないことが、一番嫌だった。


相沢悠は席に座り、モニターの白を見ていた。鬼塚のチャットはもう点滅している。「念のため」も「今日中」も、相変わらずそこにある。けれど今日は、仕事の文面より別のものが気になっていた。


何かが決まった。

何かが来る。


その気配だけは、昨夜の静けさの時点で、もう十分すぎるほど分かっていた。静かすぎるものの後には、必ず何かが来る。まだ来ていないことが、来た時より重かった。


鬼塚のチャットがまた光る。


「念のため、比較表の注釈、もう少しやわらかく」

「あと、会議体向けに別紙も」

「先に出せる?」


先に。先に。先に。


この人の言う「先に」は、だいたい他人の夜を削る意味だった。疑問符のついた命令。断る余地があるように見せる「断るな」。


「了解しました」


打つ。送る。


返事をするたびに、自分の中から何かが削れる、という感覚はもうなかった。最近は、削る場所そのものが減っている。薄くなる。薄くなったまま立っている。立っているから使われる。使われるから、さらに薄くなる。


倒れていない人間は、会社では「大丈夫」に分類される。

大丈夫という分類は、助けが来ないという意味だった。


---


昼の少し前だった。


スマホが一度だけ震えた。


NEOSPHERE ONLINE

Special Event Notice


手が止まった。


モニターの白が一瞬だけ遠くなる。隣の席のキーボードの音も、コピー機の音も、その瞬間だけガラスの向こうへ行った。自分だけがこちら側に取り残されて、スマホの画面だけが近い。


開く。


```text

NEOSPHERE ONLINE

Official Special Event Notice


Event Title:

ECLIPSE CONTAINMENT OPERATION


Scheduled Start:

21:00


Target Area:

Initial Village and surrounding sectors

```


タイトルと時間と範囲。それだけだった。詳細は夕方の追加告知で出る、と続いている。


でも、タイトルだけで十分だった。


ECLIPSE CONTAINMENT OPERATION.


封じ込め作戦。


自分の所属するギルドの名が、そのままイベントの題名になっている。封じ込める対象が、自分の所属する場所だ。


体温が少し下がった。怖い、より先に胃の下が冷える。冷えた場所から、指先へ、首の後ろへ、じわじわ広がっていく。


「……相沢?」


顔を上げる。


一条美奈が立っていた。仕事の服。社員証。けれど目は、もうゲームの中のMINAと同じだった。感情より先に判断へ入る時の目だ。


「見せて」


悠はスマホを渡した。


美奈は一読して、低く言った。


「来たか……」


驚きではなかった。予想していた最悪が、予想通りの名前で出てきた時の声だった。


「今夜。二十一時」

「詳細はまだだけど、タイトルだけで十分分かる。封じ込め。囲い込み。代替寝床まで巻き込む気だ」


悠は全部は理解できなかった。けれど、一つだけはっきりしたことがあった。


「……今夜、眠れないかもしれない」


自分でも驚くくらい素直に出た。


怖い、より先にそこだった。封じ込められるのが怖いのではない。寝る場所がなくなるのが怖い。この数週間で、自分の中の恐怖の順位が変わっている。


美奈の顔が少しだけ変わった。怒りでも焦りでもない。もっと直接的なものだった。守らないとまずいと分かった時の顔。


「今日、絶対に早く上がって」

「仕事、全部捨てろとは言わない。でも切れるとこは切って。今夜は向こうが先に来る」


悠は頷いた。


鬼塚の「先に」。モニターの白。午後の会議。

現実は、今夜が特別だと知らない顔をしている。知らないまま、いつも通りの圧をかけてくる。


その無関心が、少しだけ腹立たしかった。


久しぶりだった。

最近は「仕方ない」ばかりだった。


---


夕方、帰宅して、すぐにギアを被った。


今日は迷わなかった。椅子に座って機材を見つめる時間がなかった。見つめている場合ではなかった。二十一時まで、もう数時間しかない。


ログインした瞬間から、世界の空気が違った。


初期村は、もう初心者エリアの顔をしていなかった。


広場の掲示板。露店通り。宿屋前。水車小屋の坂道。どこも人で埋まっている。祭りの熱ではない。動員前の熱だった。


見物人の顔ではない。

残るか、逃げるか、選ばされる側の顔だった。


掲示板の中央には、追加告知が張り出されていた。


```text

Official Additional Notice


ECLIPSE CONTAINMENT OPERATION


Operation Start: 21:00


Target Lock Area:

Initial Village / Grassland / Alternate Sanctuary Points


Event Effects:

- Grassland anomaly zone will enter forced lock sequence

- All Alternate Sanctuary Layers will be reset

- Emergency Freeze / Isolation protocol may be applied

- Unauthorized Sleep Mode transitions may be forcibly stabilized


Advisory:

Non-combatants should evacuate immediately.

All unauthorized rest zones will be reset.

Emergency field behavior may occur.


Recommended:

Resolve.

```


指が止まった。


全部は読めた。読めたのに、頭に残ったのは二箇所だけだった。


All Alternate Sanctuary Layers will be reset.

代替聖域、全リセット。寝床が消える。


そして最後の一行。


Recommended: Resolve.

覚悟。


推奨の欄に入れる言葉じゃなかった。普通なら「準備してください」だ。「ご協力ください」だ。それを、覚悟。


運営自身が、もう普通のイベントじゃないと分かっている書き方だった。


草原は封鎖されている。訓練場跡は浅い。宿屋は違う。他の代替聖域も足りない。


その全部をリセットする。


つまり、今夜、自分の寝る場所はゼロになるかもしれない。


MINAが隣で低く言った。


「詳細出た。代替寝床全部消すつもりだ。しかも“強制安定化”まで入ってる」


「強制安定化って……何ですか」


MINAはすぐには答えなかった。その沈黙の間に、悠の中では別の言葉だけが大きくなっていく。


全部消える。


「……今夜、眠れないかもしれない」


二度目だった。昼にも同じことを言った。同じ言葉を一日に二度言うのは初めてだった。一度目は予感だった。二度目は、確信に近かった。


---


同じ頃、仮設管理室では、もっと乾いた言葉で同じことが最終確認されていた。


白い卓。白い壁。白いモニター。


佐久間修司は、イベント告知文の最終版を見ていた。


タイトル。範囲。効果。凍結。隔離。強制安定化。


どれも決まってしまえばただの文字列だ。

でも決まる前は違う。一つ一つが、人間の都合をどこまで切るかの線引きだった。


WHITE RAVENが確認する。


「告知、出ました」


羽賀の音声が入る。


『もう引けない。上位連合も待機に入った。草原を中心に聖域が広がるなら、局地対応では追いつかない。今夜で盤面を固定する』


盤面。


その言い方に、佐久間は胃を押さえた。言葉は便利だ。人間を隠せる。盤面と言えば、そこに一人眠っている初心者の顔を見なくて済む。


JUDGEが静かに言う。


「本対応への移行を確認する。封鎖、凍結、共同レイド、同時実行。名目は安全確保」


議論の余地がない声だった。


ASTERは黙ったまま、机上の地図を閉じた。

地図を見る段階が終わったということだ。次は動く段階だった。


佐久間は告知文のウィンドウを見ていた。閉じたら、自分もその決定に参加したことになる気がした。参加しないことはできない。この部屋にいた時点で、もう参加している。


それでも、閉じるという動作は最後の一押しみたいに感じた。


閉じた。


胃の奥がさらに少し重くなった。


通常手段では無理。

その結論は、たぶん正しかった。


正しいことと、嫌じゃないことは別だった。

正しくて嫌なことは、世界に一番多い種類の出来事だ。


---


村へ戻る。


悠は告知を読み終えて、少しだけ立ち止まっていた。


白ローブ。白銀の隊列。公式の白い告知。封鎖される草原。消される寝床。


世界の方が、先に話を進めている。

最近ずっとそうだった。起きるたびに、周りの方が先に進んでいた。


でも今日は違った。


今日は初めて、自分の方にもはっきり困ることが起きている。


寝る場所がなくなる。


それは世界の話じゃない。構造の話でもない。勢力図の話でもない。自分の話だった。


「……困ります」


小さく言った。

でも、はっきり言った。


自分でも少し驚いた。今まで「了解しました」と「少しは寝ました」と「落とし物ですかね」ばかりだった口から、「困ります」が出た。


MINAがこっちを見る。


「何が」


「寝る場所、消えるの」


短い。

でも今までで一番、自分の欲求に近い言葉だった。


寝たい。

眠れる場所が欲しい。

それを消されると困る。


それだけのことを、今まで一度もちゃんと言葉にしてこなかった。


取られるのは嫌だった。

世界がどうとか、作戦がどうとかじゃない。

あそこが、自分の寝る場所だからだ。


MINAの目の色が少し変わった。驚きではなかった。もっと静かな何かだった。この人がちゃんと「嫌だ」と言ったことへの、小さな安堵に似たもの。


「……うん」


短く返してから、さらに言った。


「だから、今夜は私がついてる」


今までで一番、説明のない言い方だった。観測する、でもない。見る、でもない。記録する、でもない。


ついてる。


それだけだった。

それだけなのに、妙に効いた。


一人じゃない。

問題は消えない。でも一人じゃない。


その事実だけで、少しだけ息がしやすくなった。


---


その少し向こうで、ECLIPSEの側も一気に動いていた。


ORACLEが広場の中央で頭を上げる。白ローブたちの視線が集まる。


「ついに来ます」


静かな声だった。静かなのに、広場の空気を変える声だった。


「神の夜を、彼らは囲うつもりです」


「囲えるわけないだろ」


とMUSEが横で小さく言う。

でも声が少し上ずっていた。軽口ではなく、怖さをごまかすための軽さだった。


VARGAは地図を広げていた。


「訓練場跡、水車小屋、宿屋裏、外縁畑。全部、今夜の一次防衛線から外す。守るのは点じゃない。通る道だ」


LEDGERは帳簿を切り替える。


「倉庫、再分散完了。寝具、食料、簡易回復、全部移しました。一箇所落ちても全損しない形にしています」


SABLEは広場の外を見ながら言う。


「上位連合、人数増えてる。一次動員、一万超え。まだ増える」


「一万」


MUSEが顔をしかめる。


「初心者エリアに来る人数じゃないって」


ORACLEは静かに目を伏せた。


「今夜は、初心者エリアではありません」


その一言で、笑いの余地が消えた。


RAMPARTが盾を一度だけ地面へ打つ。


短い音だった。

でもそれだけで、広場のざわめきの質が変わった。


守りの音ではなく、始まりの音だった。


---


上位連合側も、もう隠す気がなかった。


村の外縁。白銀の旗。整列した隊列。統一された装備。


《REGALIA》。物流護衛ギルド。対人戦上位勢。製作系の補給班。公式支援の観測班。


全部がもう、戦争の並びだった。


ASTERが前を見ている。JUDGEはその少し後ろで、全体の線を見ている。


「本日をもって、共同対応を本対応へ移行する」


JUDGEの声は広く響いた。


「名目は安全確保。目的は封鎖完遂。私設秩序の拡大を、ここで止める」


広場の何人かが顔をしかめる。

でも誰も笑わない。もう言葉遊びの段階ではなかった。


---


二十一時の少し前。


悠は草原の方を見ていた。


封鎖の壁はまだある。透明なガラスの向こうに、いつもの草原がある。風が吹いている。草が揺れている。見えているのに行けない。


でも今夜は、見ているだけじゃなかった。見ながら、待っていた。


何を待っているのか、自分でもよく分からない。

でも身体が待っていた。


世界の明るさが、一段変わった。


夜になる明るさじゃない。もっと人工的な、舞台照明の前の暗転に近かった。自然の夕暮れとは違う暗さ。人が作った暗さ。目的のある暗さ。


村の上空に、白い線が何本も走る。公式UIの線。封鎖の枠線。イベント用の強制表示。


空に、巨大な表示が現れた。


```text

SPECIAL EVENT STARTING


ECLIPSE CONTAINMENT OPERATION


Zone Lock: ENGAGED

Field Freeze Preparation: ACTIVE

All Alternate Sanctuary Layers: RESETTING

Recommended: Resolve

```


その瞬間だった。


訓練場跡の薄い草が、ふっと消えた。


音はなかった。

音がない方が、消えた感じが強い。


宿屋裏の揺らぎも消える。

水車小屋横の境界も消える。

畑の寝床も、同時に消える。


代替聖域が、一斉に落ちた。


「……消えた」


自分でも驚くほど小さな声だった。


全部、消えた。


でも、全部じゃなかった。


遠く。封鎖された草原の向こう。

見えない壁の内側だけが、逆に濃くなる。


草原が、暗くなる。暗くなるというより、浮き上がる。周囲の場所が全部ただの地面に戻ったせいで、あそこだけが世界に残された唯一の「意味のある場所」みたいに見えた。


MINAが息を呑む。


「……戻した」


「何をですか」


「寝床。全部消して、最後に草原だけ残した」


運営はリセットした。代替聖域を全部消した。

夜は、その結果、草原だけをさらに際立たせた。


閉じ込めるつもりで、逆に中心を一つにした。


VARGAが低く言う。


「誘導だな」


LEDGERはもっと冷たい。


「選択肢を消して、一点へ寄せた」


ORACLEは静かに目を上げた。


「帰るべき場所が定まりました」


「その言い方、今ちょっと最悪」


MUSEが顔を引きつらせる。


でも否定できなかった。


全部の寝床が消えた。

草原だけが残った。


---


上空で、さらに別の表示が重なる。


今度は白じゃない。黒に近い青だった。公式UIの色ではない。でもシステムの上に出ている。


コンパスが狂う。名前表示がぶれる。チャット欄が一瞬だけ縦に伸びて、また戻る。


空の真ん中に、読めるか読めないかぎりぎりの文字が滲んだ。


```text

FIELD PRIORITY CHANGED

```


その一行だけで、村全体が息を止めた。


FIELD PRIORITY CHANGED.

優先順位が変わった。


何の。誰の。説明はない。

でも意味だけは、嫌になるほど分かった。


この世界の中心が、今、変わった。


初期村でも。訓練場跡でも。宿屋でもない。

草原だ。


封鎖されたはずの場所が、今夜の主舞台に戻った。


---


白銀の上位連合が動く。


旗が上がる。隊列が前へ出る。補給班が走る。観測班が配置につく。


ECLIPSEも動く。


白ローブたちが膝をつく。RAMPARTが盾を鳴らす。VARGAが線を切り替える。LEDGERが最後の倉庫移送を終える。SABLEが流速を読む。MUSEが青ざめながら「もうこれ実況じゃなくて開戦前速報じゃん」と本音を漏らす。


公式も。

信者も。

上位連合も。


全部が、同じ一点へ向いていた。


---


悠は、その中心を見ていた。


草原。


封鎖されていた場所。消された寝床の、最後に残った場所。


怖い。

正直、すごく怖い。


でも、それ以上に別の感情があった。


そこしかない。


今夜、眠る場所があるなら、あそこだけだ。


それは、最近ずっと世界に振り回されてきた自分にとって、初めてはっきりした自分の理由だった。誰かに言われたのではない。状況に押されたのでもない。草原が唯一の場所だから行く。


それだけの理由だった。

でもその理由は、今までのどの理由よりも、自分のものだった。


「……行きます」


小さく言った。

でも、はっきり言った。


声に力があった。大きな力ではない。けれど、今まで「了解しました」と「少しは寝ました」と「落とし物ですかね」ばかりだった口から出た言葉としては、信じられないくらいまっすぐだった。


MINAがこっちを見る。

一瞬だけ、驚いた顔をした。


そのあとで来たのは、もっと複雑な感情だった。安堵と、痛みと、その両方を知っている顔。この人がまだ折れていないことへの安堵と、この人を折れないまま戦場へ連れて行くことへの痛みが、同時にあった。


すぐに頷く。


「うん。行くよ」


二人は同時に、草原の方を見た。


封鎖の壁はまだある。

でも上空のUIが変わっている。壁の意味そのものが、今、書き換わっている最中だ。閉じ込めるための壁が、集めるための壁に変わりつつある。


空がさらに暗くなる。村の地面に、草原と同じ揺らぎが走る。消えたはずの代替聖域の跡が、一瞬だけ全部光って、それから草原へ向かう線になる。


点だったものが線になる。

線だったものが道になる。


草原が、ただの場所じゃなくなる。


戦場になる。


世界が、そこを中心に回り始める。


悠は喉の奥が少し乾くのを感じながら、それでも目を逸らせなかった。逸らせないのは、怖いからではない。そこにしか行けないと、もう分かっているからだ。


今夜はもう、起きたら何かが進んでいる夜じゃない。


起きているうちに、世界の方が舞台を完成させていく夜だった。


---


NEOSPHERE ONLINE 匿名掲示板:初心者草原総合 Part 58


`1001:` 特別イベント、来た


`1004:` 名前出たぞ。ECLIPSE CONTAINMENT OPERATION


`1008:` Containmentって囲い込みじゃねぇか


`1012:` 代替寝床、全部消えたんだけど


`1016:` マジ。訓練場も宿屋裏も水車横も落ちた


`1020:` で、草原だけ逆に濃くなってる


`1024:` は?


`1028:` 封鎖した結果、中心が草原一個に戻った感じ


`1032:` 最悪すぎる


`1036:` 最悪だけど、絵としては完璧すぎる


`1040:` やめろその言い方


`1044:` 上位連合、もう動いてる。人数やばい


`1048:` ECLIPSE側も完全に迎撃態勢


`1052:` 信者が「神の夜が来る」って言ってる


`1056:` 怖


`1060:` FIELD PRIORITY CHANGED って何だよ


`1064:` その一文、今年一番嫌かもしれん


`1068:` 草原が舞台になってる


`1072:` 初心者エリアじゃねぇよもう


`1076:` 寝てる初心者は?


`1080:` 今夜は寝る前に動いてるっぽい


`1084:` は?


`1088:` 「行くって言った」って見たやついる


`1092:` マジなら初めてじゃん。自分から行くの


`1096:` いや、もう始まるだろこれ


`1100:` 最終動員、参加者二万突破


`1104:` 封鎖範囲、初期村一帯まで拡張


`1108:` 推奨:覚悟


`1112:` ――夜が来る


---


草原は、もうただの寝床じゃなかった。


封鎖された場所。

消された寝床の、最後に残った場所。

全員が向かう一点。


運営が囲いに来る。

上位連合が押し寄せる。

ECLIPSEは守るために動く。

そして夜は、その全部を受ける場所として草原を選んだ。


相沢悠は、その中心へ向かおうとしている。


眠るために。


たったそれだけの理由が、今夜は世界で一番危険だった。



第2部・了


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