4話「ヒーロー参上?」
おっ!
俺だよ、俺!
テレビゴリラだ!
今日も俺は町の安全を守るため旗振りをしていた。
まあ、おまけもいるんだがな。
「くるっぽ。」
今日はハトドケイも一緒来ていた。
来ているのはかまわねえんだが・・・・・
「くるっぽー!しっかり歩いて帰るんですよー!」
「くくるっぽー!下校時間守れて素晴らしいですねー!」
「くるぽっぽー!そこ!車道ですよ!歩道を歩きなさい!」
「ぽっぽっ!私の目の黒いうちは事故なんて起こさせませんよ!」
俺の言いたいことを全部言っちまうんだよな。
だから本当に今日の俺は旗振り役のみ。
あと・・・・・
「ゴリラさん、また明日!」
「おう。気を付けて・・・・・・」
「おかえりですか!ぽー!気を付けて帰るんですよ!挨拶できるなんて最近の子も素晴らしい!私が働いていた昔は・・・・・・・」
「お前達早く帰れ。ハトの話は長いからな!」
「う、うん。また明日ねゴリラさん。」
とまあ話しかけてくる子どもにもこのように来るのではっきり言って迷惑だ。
早く飽きて帰ってくれないかな。
二時間後・・・・・・・
「と言うわけですぽー!おやおや、暗くなってきましたね。鳥は夜目が効かないんで帰らせていただきますよ!では!ぽっぽー!」
バサバサと飛び立っていくハトドケイ。
ようやく解放されたか。
まあ、一通り終わったようだし。
俺は帰る仕度をしていた。
その時だった。
「おい!怪人!そこで何をやっている!」
いきなり大声を出された。
そこにはサラリーマン姿の男が一人。
胸にはバッジをつけている。
しかし何をやってるって・・・・・・・
「お前テレビ見てねえの?県内ニュースでやっていただろ?怪人が旗振りをしてるって。」
「何を言ってる!俺はテレビなど見ない!ネットなら見るがな!」
「・・・・・じゃあ、見てくれよ。わかるからさ。」
「わかる?何がわかるって言うんだ?まず俺は怪人の話など信用しない!」
はあ・・・・・
こいつもまたハトみたく面倒くさい奴なんだろう。
相手をしていると暗くなってしまう。
「じゃあ、帰るぞ。」
「帰る?人を馬鹿にしているのか?ゴリラのくせに。この街を・・・・県を侵略するための偽装工作なんだろう!」
んなわけねえだろ?
誰が好んで偽装工作の為、旗振りなんかするかよ!
「いい加減にしろ?俺は・・・・俺たちは町を襲わない軍団で・・・・」
その時だった。
男が音楽機材を持ってくる。
あれってスーパーマーケットTRで売っていたラジカセ?
流れるようにサラリーマン男がそのボタンを押した。
― BGM流れ中 ―
「ゴリラ怪人よ!お前の悪行は俺が見逃さない!」
おや?
振付をして・・・・・
手を空に仰いだ。
「フラッシュ・・・・シャイン!」
右手に着いた時計型の機械を触ると彼が光につつまれる。
三十秒経過。
出てきた彼は特殊スーツを着ていた。
「ファーム戦士!シャインダー!」
おっ!
BGMが変わった。
爆発は無いけどかっこいい気がする。
「お前の悪行を見逃せない!行くぞ!」
おっと!
いきなり殴ってきた!
俺はかわして距離を取る。
何か一方的に殴られても嫌じゃん。
器物破損とか言われても嫌だし。
俺は山の方に逃げる。
「逃げるなんて卑怯だぞ!たたかえ!」
なんか最近そんな言葉を聞いた気が。
ああ、子どもたちが真似している侍の奴か。
「逃げてるんじゃない。とでもいえばいいのか?」
ずっと追ってきてる。
ちなみに日本では決闘罪は罰則がある。
だから諦めてくんないかな。
あっちは攻撃力は上がっているようだけどスピードが遅いようだし。
このままいけるんじゃないかな。
「くっそー!仲間が、仲間が駆けつけてくれれば!」
「仲間がいるのか!?」
「ああ。五人な。俺たちは人数でパワーアップするんだ。」
ばらしていいのかよそんなこと。
「俺一人では守れねえのか!何で誰もこれないんだよ!こっちだって営業周り中なんだぞ!デートで来れないとか田んぼの水やりだとか。しまいには『見回りなんてあんたひとりでいけば?』なんて。くそっ!」
こいつも使命感って奴でやってんのか。
しょうがねえな。
俺は急停止で止まる。
走ってるシャインダーは止まれなかった。
ー バキッ! ー
「なっ!」
俺の顔に拳がさく裂した。
かなり痛い。
俺は森まで飛ばされる。
その後をシャインダーが駆けつける。
「お、お前なんで!わざと止まったな!」
「あ、ああ。それが何だ。」
「どうして!?」
困惑するシャインダーに俺は・・・・・
「だって、一発当てないとしょうがないんだろ?正義の味方って体で。いてて。」
といった。
するとマスク内でぐずぐずっと音がする。
シャインダー、泣いてるんだろう。
しばらくして泣き止んだのかシャインダーは無線で話をしていた。
「この街のゴリラは安全だ。」
「手を出しても仕返ししなかった。」
「友達になった。だから攻撃すんな。」
など話をしていた。
俺、いつから仲良くなったんだ?
そう思っていると
「一度会ったら友達だろ?なら毎日会ったら?」
その後は歌う気になれなかった。
いや、歌えなかったんですがな。
俺たちは肩を組みながら居酒屋に行くことになる。
愚痴を聞いたり何故なったかなど聞いたりして夜があけるまで話し合うのであった。




