3話「センプウキライオン」
俺の名前は『ハリケーンレオ』だぁ!!
扇風機とライオンが合成されたつくもがみだぁ!
俺に魂を込めて作ってくれたレオ様は○○県を征服する悪の軍団。
エヌ様は軍団名は考えていなかったようだけど俺は感謝の意を唱えて『NN団』とつけさせてもらった!
まあ誰も許可してくれないんだがな!
なので今日も俺は征服するために辺りの確認だ!
別にビルに遊び相手がいねえてわけじゃねえ。
でもレイゾウコやテレビゴリラ先輩もいねえからのこってんのハトドケイしかいねえし。
アイツ物知りだけどうるせえからな。
さて気持ちを入れ替えてヒーローいねえかなぁ!
遊ぶやついねえかなぁ。
そんな時だった。
- ウゥ―――――――! -
いきなり消防署の方で警報が鳴った。
おっ!
あっちで煙が上がってるぞ!?
事件の様だな!
俺は颯爽と向かう!
ほう!
三階建ての家で一階全体がもえてんな!
このままだと全勝になっちまうなぁ!
「助けてください!」
「どいてください!まだ娘が中にいるんです!」
どうやら家の前で両親が騒いでいる。
娘?
俺が見上げると女子学生がベランダに出ていた。
あの子か。
「消防車とはしご車が今から駆け付けるのでまってください!十分もかからないと思いますので!」
「おい!そんなこと言って!」
そんな時だった。
一階からとうとう二階まで燃え始めた。
周りから悲鳴が上がる。
女の子も咳き込んで苦しそうだ。
・・・・・・・・・
俺が助ける?
何で?
悪の組織にいるんだぞ?
むしろこの建物に火を放って風を送り人々を焼け〇ぬ方法をするのが俺達だろ。
周りの視線も俺がやったなみたいな視線もあるし。
「けほっ!けほっ!た、助けて・・・・・」
苦しんでいる彼女の声が聞こえた。
俺はどうするんだぁ!?
俺ならできるだろう!
身体能力も高く改造された俺ならな!
偉大なる獅子で涼しい風を送る俺様が!
「助けねえわけねえだろ!なあ俺様がよ!」
俺は怪人で目立ってしまうがしょうがねえ!
色々言われたらこう言ってやる!
「旅は道づれ世は情けってな!」
俺は電柱に上り始める。
「あぶねえぞ!」
「感電する気か!?」
「第二災害はお断りよ!」
まあ好きに言ってろ!
俺は電線に気を付けながら一番上に上る。
そして秘儀を使った。
「ライオントルネード!」
鬣から風を起こす。
家の方向じゃない。
反対方向でだ!
風の勢いが強く俺は吹き飛ばされた。
目指すは三階彼女がいる場所へ。
態勢をひねり前を向く。
ライオンだから着地だってお手のも・・・・・
― ガン! ―
ベランダの手すりに腹をぶつける。
俺じゃなかったら危なかったぜ。
「だ、大丈夫?」
心配そうにこちらをのぞき込む彼女。
そんな彼女を俺は颯爽と掴み上げる。
「きゃ!」
小さい声をあげてるがかまわねえ!
俺は抱えながら三回から飛び降りた。
「ぎゃーーーーー!」
「いやーーーーー!」
「きゃーーーーー!」
悲鳴が上がる。
そんな中、俺は地面に向かって風を起こして着地。
え?
だってライオンってネコ科ですから。
そのまま安全な場所へ向かうと彼女の両親がやってきて彼女を引き取ってくれた。
周りから賛美、感謝の言葉を言っていたが俺はその場を後にした。
色々言われんのめんどくせーし俺は遊びたいだけなんだ。
後ろ向きに手を振るとその場を後にした。
遊びたんねえからさ。
・
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「なんだよあの野郎!」
男は走りながらぼやく。
俺は金持ちが嫌いだ。
裕福で傲慢で下も者を見下す。
だから幸せそうな家族を見ると破滅させたくなるんだよ!
前回の家族も父親が火傷しただけだったけど。
今回は娘の断末魔が聞けると思ったのに!
「何なんだよ!あのライオン!」
「ライオンって俺の事?」
「!!!」
いきなり後ろから声がした。
振り向くとそこには俺の計画を台無しにしたライオンがいた。
「お前なんで!?」
「ん?俺が何でいるかって?んー?」
ライオンが考え込む。
俺に追走しながら。
「ま、簡単に言えば逃げる犯人を捕獲するためだ!」
「ど、どうして気が付いた!?」
「簡単。まず助かった瞬間、現場から逃げんのおかしい。そしてお前の視線があの場で気持ち悪いからだ。」
「なっ!」
俺は慌てた。
このまま捕まるのか?
いや、待てよ?
こいつ悪の組織の奴じゃん。
こいつを利用すれば・・・・・・・
「お、お前たち悪の組織だろ?ならお前って可能性も。」
「ない!火をつけて楽しむなんて絶対しない!」
「じゃあ、俺だってことでもいい。お前達のために協力したってことで・・・・・」
「それは絶対認めない。誇りもプライドも無いことをするのは絶対に。」
「じゃあ、お、俺はどうなんだよ?」
足がもつれて倒れこむ俺。
そんな俺に近づくライオン。
最後に一言。
「ハトドケイの話も少しは役に立つんだな。」
そして記憶が無くなった。
翌朝風邪をひいて簀巻きになった男が警察署に届く。
その男はずっと
「寒い」「僕が放火しました。」「ライオン怖い」
と言い続けるのでした。




