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2.5話「こいつ何なんですか?」

私の名前は持月。

下の名前は・・・・・・まあいいわ。

あたしは今猛烈に許せないことがあるの。

それは・・・・・


「いらっしゃいませー!」

「おや嬢ちゃん。今日もレジにいるんだな。毎日いるじゃねえか!」

「あら、オギちゃん。またいらっしゃったのね。」


そうレジに象みたいな冷蔵庫怪人がいるからだ。

体がでっかいし大きな声だし、更衣室はドアが小さくて入れないから研修室を更衣室の代わりしてるし。

図々しいし誰彼かまわずなれなれしい。

深夜から朝方までだったのを何故か朝十時までに変更したのもはっきり言ってイヤっ。

考えてみて?!

この県を侵略しに来た怪人なんですよ?

何でそんな怪人を雇うんですか?

しかもレジに立っていると背中島見えない。


「またとはなんでー!俺がいちゃいけねえのか?」

「いけないとは言っていません。ただ・・・・・」

「ただ?」


象怪人が持ってきたカゴの中身を見る。

私達も一緒に確認する。

そこにはお酒や見切り品のから揚げ、サイコロステーキが入っていた。


「ビールと肉しか入ってないですもの。」


ため息をつきながら首を振り話す象怪人。


「食えればいいんだよ!うっさい象だな!」


オギさんがそっぽを向いて拗ねてしまう。

何やってんのよ!

このおバカ象怪人!

相手はお客様ですよ!

お客様の購入するものにケチをつけて!

ハラハラするあたし。

それでも意見を言う象怪人。


「うっさくて結構!ある海賊アニメで船長がこう言っていました。『当たり前ですわ!』って。」

「洗腸?」

「違います!まあそれはどうでもいいですわ。私が言いたいのは野菜をしっかりとること。バランスよく栄養を取ってほしいってことです。」

「・・・・・せっかくのボケを。でそれってめんどくせえじゃんか。」

「野菜ならお惣菜コーナーにありましたし野菜ジュースを取るって手も。」

「ごちゃごちゃと!おめえ、俺のお母さんか!」


オギさんがツッコむとニコニコしていた象が真剣な顔をした。

それはまさに獲物を狩る目。


「オギちゃんは知らないかもしれないけど私たちの組織はこの県全領土を収めたいと思っています。」

「「・・・・・・・はあ?」」



二人はぽかーんとした。

それってあたし達にばらして平気なの?

侵略者は普通、黙っているべきじゃないの?

象の彼女に目配せするとしまったって顔をしている。

どうようしてるやないかい!

そう考えてると


「そんなんどうでもいい。あとで忘れておいてやる。で、それとこれどう関係あるんだ?」


ため息ついて首を振るオギさんが話を戻しに来た。


「そ、そうですわね。では例えです。国を治めるのにその国民たちが体調不良で亡くなった場合どう思います?」

「まあ人口が減るな。」

「そうです。人は富や宝とも言います。油ぽいものを食べすぎたりお酒を飲んで病気になってほしくないんです。」

「・・・・・・・・」

「おせっかいかもしれませんがこうやって来店して憎まれ口を冗談で言えるのも楽しみにしてるので・・・・・」


するとオギさんは頭を掻きむしりながらどこかへ行った。

そしてすぐに帰ってくる。


「ほらよっ。」


そこには野菜のセットが。


「うるせえ奴がいるからな。健康でいてやる。さっさとレジを打て。」

「はいっ!」


象怪人はレジを打ち始めた。

見かけによらず優しい奴なんだね。

もしかしてこいつ彼の事好きなんでは?

そう思ったあたしはオギさんが帰った後、聞いてみた。


「ねえねえ。」

「あら持月さん。どうしましたか?」

「お客さんの事をあんなに気にしてさ。もしかして好きなんじゃないの?」


私はちょっかいをかけた。


「わ、私がオギちゃんの事を?それ、本気で言ってます?」



象怪人がこちらを見る。

顔はレジ担当なのにしかめっ面だ。


「えっ?違った?あんなに仲良く話してるから気があるかと思ったんだけど。」

「それはお客様だからです。あとさっき言った国民だからで。」

「ふーん。あれだけかまうからさ。じゃあ、好きな人はいないの?」

「そ、それは・・・・・・・」


そんな時だった。


「おっ!今日も働いてるな!えらい偉い!」


大きい声の男性がやってきた。

背も大きく人型の熊って言ってもいいような男性。

魚屋の大将のお兄さん、まさおだ。

あたしこいつの名前知らないんだよな。

だからまさおってつけたんだが。


「リュウイチさん!」


リュウイチさん?

そんな名前だったのか?


「おっ!ゾウコちゃん。」

「私、あと少しで終わるんですが・・・」

「ああ、いつもの干物な!用意しとくぞ!」

「それとなんですが・・・・・・」


象がモジモジしている。

ま、まさか・・・・・


「わかってるって。余った魚のあらもつけておいてやるって!じゃあ頑張れよ!」

「あ、はい。」

「それと持月さんも今の時間から忙しくなるけど頑張れな!なんかあったらレジ応援呼んでな!」

「あーハイハイ。さっさと持ち場に戻る。」

「じゃーな!二人とも。」


そう言って彼は帰っていった。

そうか。

象怪人、あの熊みたいな男が好きなんだな。

リュウイチだっけ?

象怪人は彼が見えなくなったことを確認したらすたすたとこちらに歩いてくる。

そして私を上から覗きこみこういった。


「リュウイチさんと仲がよろしいのですね!」

「まあ、長く働いてるからね。」

「では、彼の素晴らしさは分かっているはず!」

「いやいやわからないって!あたしだってさっき奴の初めて名前知ったし。まさおって呼んでたし。」

「リ・ュ・ウ・イ・チさん!」

「わかったわかったってば!」

「で、彼の素晴らしさと言いますと・・・・・」


象怪人、ゾウコの話は止まらない。

あたしはお客さんがいなくなるたび話しかけられることになる。

そして店長に怒られるまで続くのであった。


こんなことが続き、あたしとゾウコは仲良くなりました。

今は一緒に買い物や遊びに行くぐらいにね。

休憩中にかけてくる電話は許せないけどね。

さっさとリュウイチと付き合ってくんないかな。

そう願うのであった。

7月26日はお休みします。

次回もよろしくお願いいたします。

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