表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者アマツ・ツカサは魔王になる  作者: 川上アオイ
第四章 アマツ・ツカサは魔王バルフェルトにはなれない
40/49

40 二陣

グリオン視点


「君じゃ僕を殺せない。せいぜい足止めくらいだろ」

「それはどうかなァ」


この第二陣で、新しい魔女は僕を殺すと言っていた。

ドゥルガーが僕に致命傷を与えたところで、残った誰かがとどめをさす。

そんなことで僕を殺せるわけないだろう。

殺せないという制約がある限り、手加減せざるを得ない。


「いいの? キャロを助け出すのが先じゃないかな」

「助けられるのは、ボクの役割じゃないィ」


その言い方だと、まるで新しい魔女が助けるみたいじゃないか。

僕が見てきて限り彼女に、武力はないと思う。


「うちがキャロたちを助けるの」

「へぇ、君が?」


どんなことをしてくるか楽しみだ。

やれることなんてどうせ、噓つくくらいだろう。

噓をつかれようと、僕は死なない。


「僕を殺すような噓をついてみてよ」

「え、そんな噓ないって。そんなのあったら教えてよ」


小馬鹿にするねぇ……。


「余裕だなァ」

「余裕だよ、だって君弱いからさ」

「あ?」


怒った。意外と短気だな。

攻撃した瞬間キャロを盾にして、二人まとめて消えてもらおう。


「ドゥルガー、ダメ」

「そうだったね、僕のやることはこれじゃない」


魔女のたった一言で、大精霊が動きを止めた?

二人は仲がいいのは、知ってるけど不思議だ。

僕を殺すんじゃないのか。なにか切り札があるのか。


「なにがしたい?」

「うちは、あなたと手を結びたい」

「噓だね。それに僕が得することがない」


不自然すぎる。

僕を倒すんじゃなかったのか。勝ち目がなくて諦めたのか。


「ドゥルガーの知り合いの大精霊と会わせてあげる」

悪くはない。精霊の秘宝(ランドマーク)が手に入るのは助かる。


「どうして仲間になる?」

「勝ち目ないじゃん。キャロとオリブやられてるから、とどめさせる人いないもん」

「見捨てるんだね。別にいいけど」

「うちの目的は、バンカを生き返らせることだし」


この子は裏切りの魔女のことをいつも考えていた。

一貫性があるけど……気色が悪い。


「やっぱり無理だ。僕は君を心の底から信用できるとは思えない」

「そんなこと言わないでよ」

「そうだよ、ライが仲間になるって言ってるんだから信じてよ」


信じる……信じるねぇ。


「ちょっとあんた」とロマネスクの娘が辛そうに声をだしている。

「ごめんね、オリブ。うちはやっぱり戦いたくないからさ」

「クソうんこが」

「クソもうんこも同じだよぉ」


ロマネスクの娘を見る限り、これは作戦の一部じゃないみたいだ。

となると、やっぱり仲間にするべきか。

仲間にすれば、精霊の秘宝を手に入れやすくなるかもしれない。


「いいよ」

「本当?」

「とでも、言うと思ってた?」

「どうして」


第一こんな噓つき味方にしようとなんて思わない。


「時間を稼いで、ロマネスクに来てもらおうとしてるよね」

「っう……」


わかりやすい。

この子は終始噓をついている。

きっと僕がキャロ越しに聞いていることを加味して、あの三人で話し合っていたんだろう。

ロマネスクを呼ぶ時間稼ぎのために、全員で攻めるのではなくて二陣で組んできた。


「この場ですぐに君たちを殺して、パクーチと戦ってるロマネスクを殺す」

「うちの作戦がバレようと、あんたを倒す考えは変わらないから」


どうやって僕を倒すというんだ。

きっとこれも噓だろうな。


「君と話していても時間の無駄だ。さっさと消えてもらおう」

「そうはさせないィ」

「ドゥルガーだめ!」

「いいよ、君だけ僕に手を出せばいい。僕はなにもしないから」


ドゥルガーの胴体をすり抜け、魔女に近づく。

やっぱり殺せないだろう。手に持ってる鎌は所詮飾りだ。


「その子に手を出すな」

背後から右腕を切り落とされようと関係ない。


「その鎌は飾りじゃないみたいだね、でも君はやっぱり僕を殺そうとしない」

キャロの体を無理やり操り、噛ませて切られた右腕を復活させる。

「僕を確実に殺さないと、止められないよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ