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3 決着?

「バルフェルトさま? 私です、グリオンです」

眼鏡をかけて、頭部に角が生えてる男が必死に訴えかけてきた。

だけど、マジで誰だか知らない。


「女の子だったら、覚えてたかもなぁ」

「裏切りの魔女。教えてやれ」とロマネスクが鼻で笑っている。

「グリオン、こいつはバルフェルトではない」

こいつとはなんだ。見た目はお前たちの魔王だぞ。


「バルフェルトさまではない? どういうことだ」

精霊の秘宝(ランドマーク)を使ったが、バルフェルトではなく違う人の魂を連れてきてしまった」

「はぁ?」

こっちを見られても……。


「それじゃあ、こいつはなんだよ」

またこいつって言った。

「どうも、こいつこと前世では勇者アマツ・ツカサとして世界を救わせていただきました物でぇす」

「それじゃあ、バルフェルトさまの魂はどこなんだ」

頭をそんな揺らされても、俺の魂はでねぇよ


「知らねぇよ。スピリチュアルな話やめろ。

「ギャアアアア!」

魔族の叫び声だ。

ロマネスクが魔族を機械みたいに切っている。


「元魔族として、なんか思わねぇのかよ。勇者さんよ」

「今は思わない、仲間でもないからな」

「確かにな」

俺も前世からの仲間だったら、戦わない。


「バルフェルトさま、ここは我々がロマネスクを抑えますので逃げてください」

「メガネくん……」

名前忘れた。誰だっけ。

「私たちも逃げよう」

「……そうだな」


ロマネスクは魔物を倒してる。魔物の叫び声が後ろから聞こえてくる。

魔族は敵だ。だから、何も倒されようと俺にはどうでもいい。

「ああ、クソ!」

「アマツ?」

「ロマネスクのところ行ってくる」


「どうして」

「俺のために、戦ってくれてる奴らを置いて逃げれねぇよ」

魔族になったから、何を言いながら叫んでるかわかっちまう。

生々しくて聞きたくねぇよ。ヤダヤダ、これだから戦いたくない。


「ロマネスク!」

「アマツ、やっと戦う気になったか」

「今は見逃してくれ」

「見逃すわけないだろ」

ま、簡単にお願いを聞いてくれないよな。


「バンカ」

「え、何」

こいつまた逃げようとしてたな。

「ランドマークをロマネスクに渡せ」

「ええ、嫌」

「バルフェルトって奴復活できないのわかっただろ」

魂だかがない? みたいだしな。


「……わかった」

俺が言った通りバンカはロマネスクにランドマークを投げた。

「これで面子を保つことできるだろ」

「こんなものは、どうでもいい」

「は?」

ロマネスクはランドマーク、【ナーガ】をへし折った。


「なんで折ったの? それは人間の国、いや人間にとっての切り札じゃない」

「また何かを復活させる手立てに使われては困るからな。今のうちに壊しておく」

「やっぱり俺と戦いたいのか。俺のこと大好きやろうめ」

「そうしたいが、また邪魔が来た」


人間たちが馬に乗ってやってきた。

骸骨の柄の剣、両腕の裾が破けた鎧姿の集団。

そうそう。これこそ人間の軍だよな。

「いやいや、人間の軍が魔物みたいになってんじゃねぇか!」


「それがどうした」

「好き勝手やってんなぁ……」

あれじゃあ、世紀末だよ。


「ロマネスクさま!」「我が主人!」「お母さん!」「勇者さま!」

「随分と人間に慕われてるじゃねぇか、元魔王が」

「お互い様だ。約束通り見逃してやる」

「そりゃどうも。じゃあな」


「最後に聞く人間側に来ないか?」

「お前がいなくなったら人間側についてやるよ」

「そうか、残念だ。これをやる」

黒いマントを渡された。


「これは?」

「インビジブルコート、魔力を隠すマントだ」

「これで、おめかししろってか」

「今は見逃してやる。次お前の魔力を探知したとき、即刻私はお前を殺しにいく」

「これ脱げば、いつでも会えるのね」

「ふ、ほんとキモいな」


ロマネスクは剣を何もない空間にしまい立ち去った。最後にああ言う必要あった?

てか、カッコつけてああ言ってるけど、前世では俺のこと見逃して次会った時負けてたな。

一種のフラグだろ。

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