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店作り4〜経理部→悪役令嬢→人事部〜

はっきり無理と言われて、私は思わず狼狽えた。


「な、なんで?」

「いいか?コルセットってのは背中側で紐を何本も通して締め上げるんだが、このブラジャーってのは紐がない。これじゃあ胸をホールドするのは不可能。ただの布だ」


つまり、短めのキャミソールみたいになってしまうとクロウリーは言いたいらしい。


リリアの身体は巨乳でもなく、貧乳でもない。すなわち、一般的なサイズの普通乳だ。

ホールド感は絶対に欲しい。乳首が浮かなきゃオッケーという簡単な話ではないのだ。


「紐で締め上げなくても、あっちの世界では背中側に金属のホックがあって、それを合わせて着けるの。あと、胸を支える部分にワイヤーが入っていて、ホールドしてくれるタイプが主流で……」

「ホック?ワイヤー?それ、もっと詳しく」


もう恥ずかしいとかなりふり構ってられない。初対面のイケメンに、向こうの世界の下着に関する情報を包み隠さず伝えた。


「それでも現状は無理だな。金具を成型するなら、ドワーフ辺りの手を借りる必要がある」

「スポブラみたいにアンダーにゴムを使うタイプもあるわ」

「ゴムの木ならこっちにもあるが、魔物がウヨウヨいる森の奥に生えてるからな」


悪役令嬢に魔物が倒せるわけがない。クロウリーは上背はあるが筋肉はなさそうなので、一人では不安そうだ。

結局、誰かの手を借りる必要がある。


「あとこれは一番重要なんだが……生地がないんだ。俺もコルセットは作ったことがあるんだが、あれは強度重視の糸で生地を紡いでる。締め上げる時に破れたら意味がないからな。だから、肌触りは当然良くない。雑巾より多少マシ、というレベルだ」


つまり、何もかも足りない。

一番優先すべきは、やはり生地だろう。

生地がなければ何も始まらないからだ。


「とりあえず、生地を作りたいわ」

「それじゃあ、糸紡ぎ妖精のところへ行ってみるといい」

この世界では妖精が糸を紡ぎ、布を作っているらしい。

魔物といい、妖精といい、ファンタジーっぽい単語がようやく出てきた。


ん?行ってみるといいってことは、つまり……?


「えっ、着いてきてくれないの?」

「店作りと並行していった方がいいだろ。じゃないと、いつまでもオープンできないぞ」

「……それもそうね。スカウト、頑張るわ」


本当は不安だけど。クロウリーを巻き込んだ以上、店長として従業員のためにも努力しなければ。

そうして、私は一人で糸紡ぎ妖精に会いに行くことになった。


面白いと思ったら評価・ブックマークして頂けると嬉しいです!

悪役令嬢が好みの下着を手に入れるために気合いを入れて続編を書きたいので、よろしくお願いします!


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