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臨時休業5〜いざという時のために普段から善行を積んで貸しを作っておけ〜

「マジで心当たりがないんだが……女王陛下なんてお目にかかったこともないし」


クロウリーが嘘をついているとは思えない。

女王陛下。貴族ならまだしも、ただの仕立て屋が接点を持てるような相手ではない。


しかし、上官の兵士はあからさまに面倒臭そうな表情をした。


「貴様が何と言おうと、女王陛下のお言葉は絶対、だ」


ますます、何かがおかしい。

考え込んだ一瞬の隙をついて、人質が強引に体を捩って逃げてしまった。


しまった。このままでは、クロウリーが連れ去られてしまう。


「お喋りが過ぎた。行くぞ」

「ま、待ってください!」


必死の制止も虚しく、兵士達はクロウリーを有無を言わせず連行して、その場を去ってしまった。


一人取り残された部屋で考える。


クロウリーが嘘をついていないのは大前提として。

なぜ女王陛下が接点のないクロウリーを露出狂に仕立て上げる必要があるのだろうか。

気付かないうちに恨みを買ったとしたら。一体どこで。


駄目だ。私一人で考えても分からない。


女王陛下に聞くのが一番早いけど、腕利きの護衛がいるに違いない。兵士一人人質に取れないようじゃ、強行突破も難しそう。

誰かの助けを借りなくては。


女王陛下の周りの人物で、協力者になってくれそうな人なんているだろうか。

って、いたわ。

王家直属の騎士団。その団長であるランドロフ様であれば、何か知ってるかもしれない。一応元婚約者だし、彼にはメンズブラの件で貸しがある。

最悪、ミモザに頭を下げよう。背に腹は変えられない。


仕立て屋が不在である以上、店は一旦臨時休業。お客様にも分かるよう、ドアにお知らせの紙を貼っておく。

そして、とりあえず騎士団本部へと向かうことにした。


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