臨時休業2〜胸キュンからまさかの逮捕〜
アンタの、とは。
つまり私の、だ。
「散々脱線したが、そもそもここはアンタの下着を作るための店だろ。いい加減、作ってやらなきゃと思ってたんだ」
一瞬、思考がフリーズしたけど、言われてみたらそうだった。
当事者ですら忘れていたことを、覚えていてくれたんだ。
クロウリーの優しさに感動のあまり泣きそうになる。
「その……好みとかあるか?」
クロウリーは言いづらそうにそう言った。
っていうか、めちゃくちゃ恥ずかしい。
「あ、えっと、その……」
散々お客様にやっておきながら、いざ自分がそちら側に回ると、何も言えなくなってしまう。
異性だから余計に答えづらい。下着に関することはデリケートな問題。同性間の方が圧倒的に話しやすい。
お客様とのやり取りの際も極力同性同士で行うことを徹底しよう。
「何もなければ、俺に任せてもらえるか?」
イケメンの真剣な眼差しに動揺が止まらない。
いけない、いけない。
相手は仕事仲間、と自分に言い聞かせる。
「ではそれで、よろしくお願いします」
ん、とクロウリーが頷いた。
その瞬間、ノックの音が響き渡った。
そして、返事をするまもなく扉が開き、兵隊たちがぞろぞろと侵入してきた。
「な、なんですか?」
兵隊達が私達を取り囲む。クロウリーは私を庇うように、そっと前に出た。
「クロウリー、貴様を逮捕する」
兵隊の一人が威圧的にそう叫んだ。
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