スポーツブラ18〜母の愛は最強のバフ〜
「あなたがリリアじゃないのは一目見てすぐ分かったわ。でも、リリアの肉体を人質に取られている状態で指摘したら何をされるか分からなかった。だから、回りくどいやり方をして徐々に外堀を固めていこうと思ったの」
テナント料を百倍に釣り上げたあの奇行も、子を守ろうとした親の愛によるものだったというわけだ。
いや、いくらなんでも回りくどすぎる。もっと賢い手段、あっただろ。
そう思ったけど、自分の首を絞めるだけなので口を噤んだ。
「……この子がいる世界には面白いものがたくさんあるのね」
「はい。『出来ることならお母様にも来てほしいわ』と言ってました」
「ふふ、ぜひ行ってみたいわね」
向こうで便器からコンニチハが我慢できるのであれば、行けなくもないんだけど。
ややこしいことになりそうだから、これも黙っておく。
「これは有り難く使わせてもらうわ」
着ているブラトップを指でちょんとつまんで、クララ夫人はにこやかにそう言った。
色々あったけど、全て丸く収まりそうだ。
気に入ってもらえますように。
万が一、気に入ってもらえなかったとしても。
親子の会話のきっかけになってくれたら、それでいい。
「これをジュペリエール伯爵に渡していただけますか?」
缶の中に入っていた、もう一つのプレゼントをクララ夫人に手渡した。
「こちらは?」
「下着です。『お父様にもあげないと不公平じゃない』って言ってました」
「直接渡してあげたら喜ぶんじゃない?」
「……私が流石に恥ずかしくて」
親とはいえ、一応異性だし。
というか、そもそも実の親じゃない。つまりただの異性である。
「それもそうね。分かりました。テナント料百倍取り消しを伝えるついでに、渡しておくわ」
クララ夫人はすんなり納得して、受け取ってくれた。
「明日からまた隣国への外交に行ってくるの。だから、しばらくの間、また留守にするわ」
私もいつまでこの世界にいれるか分からない以上、もう会えない可能性もある。
短い間だったけど、リリア様同様、クララ夫人も悪い人ではない……むしろ、奇行が目立つだけで、子供を想う良き母だということが分かった今、別れを意識すると寂しさが込み上げてきた。
「そう、ですか……お体に気をつけて」
「あなたもね」
クララ夫人の言葉は、まるで我が子に向けたかのような温かみがあった。
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