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店作り3〜初対面のイケメンの前でノーブラは死んでも嫌〜

看板を外し終わり、一旦休憩。

店の中らりんご飴屋の内装がそのまま残っている。全体的に白を基調としており、入ってすぐの壁際にはイートイン用の椅子と机が置かれている。会計用のスペースには大きなショーケースがある。そして、店奥にはコンパクトな厨房。

これなら大改造級のリフォームをする必要なさそうだ。

中は思いの外まともだったのでら私はほっと胸を撫で下ろした。


クロウリーは厨房を使って湯を沸かし、紅茶を淹れてくれた。初対面の二人が椅子に座り、和やかとはいえないティータイムが始まる。


「んで、アンタはどういう下着が作りたいんだ?」

「綺麗で可愛くて、付け心地が良くて、なおかつきちんとホールド感があって……」


しまった。つい早口になってしまった。


「待て待て。いろいろ要望があるのは分かったが、まずは最も重視するところを教えてくれ」

「コルセットみたいにキツくないやつがいいです」


とりあえず、付け心地の改善がスタートラインだろう。

クロウリーはじっと考え込み、ごそごそとカバンからスケッチブックを取り出した。


「俺はブラジャーってのを見たことがない。だいたいどういう形状のものか描いてみてくれ」


下着を描くなんて恥ずかしいけど、渡された鉛筆で描いて見せてみる。

出来上がった絵を見て、クロウリーは眉を顰めた。


「……美術2か?」

「よく分かりましたね」


一生懸命描いたつもりだったんだけどな。

っていうかこっちの世界も美術の授業あるんだ。


「実物があれば良いんだがな」

「……今着けてます」

「それを早く言え。すぐに脱げ」

「それは無理、ノーブラになっちゃうから!」


初対面の男性の前でノーブラは絶対嫌だ。


「コブラだかノーブラだか知らんが、実物を直接見た方が早いだろ。俺が興味あるのはアンタじゃなくて下着だ。あくまで仕事だから余計な勘違いするな」


正論だけど、そこまで言わなくても良くない?イケメンだったら何言っても許されるの?

ぐぬぬと拳を握りしめると、クロウリーはカバンの中から服らしきものを取り出した。


「……一応、嫌がるだろうがコルセットは持ってきた。すぐに終わるから、その間だけはこれを着ていてくれ」


ノーブラは免れたけど、またコルセットか。

渋々受け取り、厨房でこそこそと着替えて、クロウリーに着けていたものを渡した。


「ブラジャーって雑巾のことだったのか」

「違います。それは雑巾みたいなブラジャーです」


流石にこれは……とクロウリーも絶句している。

やっと分かってくれそうだ。

なるほど、と雑巾ブラジャーをあらゆる角度から観察して、クロウリーは顔を上げた。


「無理だ」









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悪役令嬢が好みの下着を手に入れるために気合いを入れて続編を書きたいので、よろしくお願いします!


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