スポーツブラ16〜分かったような分からないような〜
「そちらの商品はブラトップという下着です。一見普通のタンクトップに見えるのですが、カップがついているため、バストを保護したり揺れを抑えたりというブラジャーの機能を兼ね備えたものです」
「待って待って、よく分からない単語が多過ぎるわ。もっと噛み砕いて説明して頂戴」
しまった。こちらの世界にはタンクトップもブラジャーも存在しないんだった。
一応ファンタジーの世界だというのを忘れそうになる。その割にはCEOだのテナント料だの馴染みのある単語がちょくちょく出てくるのが気になるけど。
クララ夫人にきちんと理解してもらうため、再度噛み砕いて説明する。
「なんかよく分からないけど分かったわ」
クララ夫人は分かったような分からないような表情でそう言った。
「ワイヤーを使用していないものが多く、締め付け感が無いため、スポーツをする際に愛用する方も多くいます」
乗馬が移動手段のクララ夫人には、まさにうってつけというわけだ。
「それは便利ね。有り難く使わせて頂くわ」
「ただ、ひょっとしたらサイズが合わなかったり、感触が受け付けなかったりするかもしれません。フィッティング……試着をしていないので、合うかどうかは着てみないと分からないんです」
「じゃあ、早速つけてみるわ」
そう言って、クララ夫人は上着を大胆に脱ぎ始めたので、慌てて背を向ける。
同性とはいえ、素裸を見るのは流石に気が引ける。
しかし、クララ夫人からしたら、実の娘。気を遣えというのもおかしな話かもしれない。
ああでもない、こうでもないとしばらく格闘して、ようやく着終わった気配がした。
振り返ると、シンプルな黒のブラトップを着たクララ夫人が不思議そうに胸元を見ていた。
「うーん……合うような合わないような」
「初めてだから多少違和感があるかもしれません」
それにしても、ビジュアル的にはとても似合っている。
黒の生地とのコントラストで、白い肌がますます輝いて見える。シンプルなのも、クララ夫人の美貌の邪魔をせず、引き立てに一役も二役も買っている。
「そのうち慣れてくるかしら」
「……それはしばらく着てみないとなんとも言えないんです」
さっきから歯切れの悪い返事しかできない私を、クララ夫人は真っ直ぐ見つめた。
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