スポーツブラ13〜上司との他愛無い会話は意外と大事〜
「実は両親にプレゼントを探していて。下着なんかどうかなと思いまして」
おっと。いきなり流れが変わった。
両親へのプレゼント探しという理由なら、パンツインタビューも途端にちゃんとしたものに変わってくる。
「なるほど。娘から下着か……だいぶ挑戦的だな」
「そうでしょうか?」
「普段の関係性にもよるけど……ウチでは考えられないよ」
「関係性……部長のところはどういった感じですか?」
「大学生の娘が一人いてね。会話もするし、不仲ではないんだが、プレゼントなんてもう何年も貰ってない。だから、狛枝さんのお父さんが羨ましいよ」
「いえ、私も親元を離れて有り難みが身に染みたので、初めてこういうことをしてみようと思ったのです。娘さんも今はただ気付いていないだけで、社会に出ればそのうち分かってくると思います」
「……そうだといいんだけどね」
娘さんがいただなんて、知らなかった。部長は常にムスッとして、何を考えているかわからないタイプで近寄りがたく、業務上の必要最低限の会話しかしたことがなかった。だから、プライベートどころか私語を交わしたことすらない。こうやって会話をしているリリア様には素直に感心する。
殴ったとは思えないほど、自然な会話だ。
これも悪役令嬢の為せる技か、単に部長の懐が深いのか。
おそらく後者だな。
「ちなみにプレゼントをもらえるとしたら、どんなものが欲しいのです?」
「何でも大喜びする自信があるけど……それこそ物じゃなくても十分だよ。手紙なんか貰ったら、何度も読み返してしまうと思う」
「手紙……なるほど」
見る目が変わった。聞けば聞くほど、めちゃくちゃ良い父親だ。
会社で働いている時、もっと会話しておけば良かった。
「ありがとうございます。とても参考になりましたわ」
「よく分からないけど、力になれたみたいで良かったよ」
「それと……その、殴ってしまってすみませんでした」
「いや、こちらこそ君に負担をかけ過ぎてしまった。申し訳ない」
それじゃ、と部長がその場を去っていく気配がした。
結果的に、殴ってしまった上司となぜか和解できてしまった。
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