スポーツブラ11〜辞めた職場の人にばったり遭遇するとクソ気まずい〜
「とりあえずショッピングモールに行きましょう」
「ショッピングモール?質の高い下着を買うならデパートの方が良いのでは?」
「……確かにデパートの方が良いものは揃ってると思います。でも、質が良いゆえに、サイズが細分化されていて、フィッティングありきだと思うんです」
「お母様を連れて来れない以上、フィッティングはできない、と」
「はい。なので、サイズが小刻みに細分化されていない、幅広い体系にフィットする商品を探します。ショッピングモールには大抵、大手アパレルショップが入っています。今からそちらに向かってください」
分かりました、とリリア様は力強く頷いた。
外に出ると、リリア様はすぐさまタクシーを捕まえた。
さすがセレブ。これっぽっちも躊躇しなかった。
私なら勿体無くて電車移動一択だ。
しばらくして、ショッピングモールに到着すると、店内で最も規模の大きいアパレルショップへと向かった。
「平日なのに、まぁまぁの混み具合ですわね」
インカメからアウトカメラに切り替わり、店内が映し出される。
確かに人が多い。平日は来たことがなかったので少し意外だ。
「インナーコーナーに移動してください」
歩いている途中で、リリア様が突然立ち止まった。
「あら、あちらにいるのは……」
その先に映っていた意外な人物に、げっ、と大声をあげてしまった。
出来れば、一生会いたくなかった、かつての職場の上司がそこにいたから。
「隠れてください!」
「なぜ?」
リリア様はマイペース全開で不思議そうに聞いてきた。
察しの悪さに、思わず頭が痛くなる。
それもこれも、リリア様のせいだ。
「リリア様が殴っちゃったからですよ!」
畠中部長。
リリア様がぶん殴ってしまった人物が、真剣な顔をしてパンツを選んでいた。
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