スポーツブラ6〜親にとってたまの親孝行ほど嬉しいものはない〜
「物件探し、ですか。それなら、モリーさんのお店が取り扱っていたはずです」
掃除中だったメイド三人衆を捕まえて尋ねてみると、淡々と答えてくれた。
店を探すといっても、どこで誰に聞けば良いのか。
こっちの世界に来て約三ヶ月になるが、職場と自宅の往復がほとんどで、まだまだ知らないことだらけ。
そんな困った時の毒舌メイド三人衆。
なんだかんだで質問には答えてくれるから憎めない。ちくちく言葉がいちいち刺さるけど。
モリーさんといえば、この世界に来たばかりの時に下着を買いに行ったお店の女主人。
今着けているよれよれ雑巾ブラジャーを購入したのもその店だ。
いわば萬屋。街娘っぽい服装一式が入った町娘変装セットも売っている。
物件も取り扱っているなんて、ああ見えて多角経営の才能があるんだろうか。
「そんなことよりお嬢様、プレゼント大作戦はどうなりましたか?今回はどんなトンチキお嬢様を見られるのか楽しみです」
「あー……プレゼントはやめました」
「えっ」
「それは……」
「なぜですか?」
メイド達は驚いて口元を手で覆った。
そんなに驚くようなことを言っただろうか。
「移転をしようかな、と」
そう言うと、メイド達は気まずそうに目を逸らした。
何この空気。
「実は奥様に伝えてしまったのです。お嬢様がプレゼントを用意している、と」
「お嬢様が珍しく親孝行をするとおっしゃるから嬉しくてつい……」
「奥様はそれはもうウッキウキでした」
申し訳ございません、とメイド達は頭を下げた。
なんてこった。
久しぶりに娘からプレゼントを貰える、と期待してウッキウキのクララ夫人の姿が頭を過ぎる。
その期待を裏切ると思うと、罪悪感で居た堪れなくなる。
他人とはいえ、親を悲しませるのは抵抗がある。
移転を決めたものの、こうなってしまった以上仕方ない。
「……分かりました。こちらで何とかします」
一応、今後は吹聴を控えるように三人に釘を刺しておいた。
私も大概お人好しだ。
自分自身の性格に呆れつつ、次の一手を考えることにした。
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