スポーツブラ4〜靴を舐めなければ生き残れない!〜
値上げ宣言に満足したのか、クララ夫人は悠々と部屋を出て行った。
どうすればいいんだろう。
あまりのショックに立ち上がる気にもなれず、ソファにどっかりと身体を預ける。
「いや、百倍て」
ため息混じりにつぶやくと、それに応えるようにこんこん、とノックの音がした。慌てて飛び起きる。
そこにはいつもの毒舌メイド三人衆が立っていた。
掃除でもしにきたんだろうか。それにしては手ぶらだけど。
「お嬢様、奥様から聞きましたわ」
「必死こいて作り上げた店を取られるだなんて」
「流石の我々も同情せざるをえませんわ」
わざわざ励ましにきてくれたのか。一部ちくちく言葉が気になるけど、なんだかんだ嫌われていないのは素直に嬉しい。
毒舌メイド三人衆は至近距離まで近付くと、こそこそと一人ずつ耳打ちしてきた。
「ここだけの話なのですが」
「この間、奥様ったらお着替えの際に『はぁ〜コルセットだるいわ〜馬乗る時も揺れてしんどいし、リリちゃんに楽ちんな下着作ってもらおっかな〜』とでっかい声で言っておられました」
「プレゼントしたら、ワンチャン追い出されないかもしれません」
プレゼントはありかもしれない。
乗馬の上下揺れにも適しており、なおかつ楽ちんな下着。つまり、ワイヤーなしのスポブラスタイルなんかはどうだろう。
「賢く生きるためには媚びることも大切です」
「世間知らずのお嬢様はご存知ないかもしれませんが、労働とは忍耐。誰かの靴を舐めなければならない時もあるのです」
「社会とはそういうものです」
そんなわけあるか。
まがいなりにも限界社長OLをしていた私だが、流石に靴を舐めた経験はない。
媚びることも大切というのは、悲しいかな理解できる。
希望が見えてきた。クララ夫人にプレゼントとしてスポーツブラを贈って機嫌を取ってみよう。
「ありがとうございます。プレゼント、考えてみます」
「ファイトです、お嬢様」
「面白コンテンツとして、お嬢様の大ファンですので」
「我々一同、なんだかんだ応援してます」
さささ、と素早い動きで三人衆は去って行った。
大きくため息を吐く。
毒舌には慣れたけど、特に二番目の口の悪さはどうにかならないものかな。
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