スポーツブラ3〜CEOとかいう視察という名の適当な雑談をして帰るだけの簡単なお仕事〜
「お母様、言ってる意味がよく分かりません……」
「ママ、リリチャンノオミセホシイ。リリチャン、CEO。OK?」
クララ夫人は何故かいきなりカタコトで喋った。
いや、言葉の意味がわからないんじゃなくて、何故そういう考えになったのかが理解できないんだけど。段々頭が痛くなってくる。
「ごめんなさい、お母様とはいえ、流石にそれはお断りします」
「CEOよ?たまに来て、視察という名の適当な雑談をして帰るだけの簡単なお仕事よ?」
CEOへの偏見がすごい。
っていうかこの世界にCEOとかいるんだ。もう何でもありだな。
「CEOが嫌なのではなくて、お店を譲ること自体ができかねます」
「……そう。じゃあ、仕方がないわね」
やれやれ、とクララ夫人は肩を落とした。
これ、絶対に諦めてくれないやつだ。
「テナント料を十倍にします」
いきなり十倍だなんて、横暴過ぎる。
しかし、元はと言えばジュペリエール伯爵の所有する店舗を間借りしているに過ぎない。つまり、何とか捻出しないと追い出される。
「少々お待ちください」
ここは経理の腕の見せ所だ。
スマートフォンを取り出し、電卓アプリを呼び出した。
まず、収入を打ち込む。先日の依頼で、充分な金額を頂いた。
次に支出。材料費、従業員への賃金、その他諸々の経費。
それらを差し引いて、出てきた数字と睨めっこする。今のテナント料を十倍した金額と比較すると……。
「色々切り詰めれば、ギリいけるかも……」
確かに余裕はない。しかし、工夫次第では何とかならなくもない。
「リリちゃん、ちょっと見ない間にやりくり上手になったわね……ママ感動」
よよよ、とクララ夫人はハンカチで目元を吹いた。
「感動ついでに、テナント料を百倍に値上げします」
何言ってんのこの人。
それは流石に無理だ。電卓を弾くまでもない。
「払えなければ、出ていってもらいます」
突然の閉店の危機に、私は頭を抱えたくなった。
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