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メンズブラ15〜優柔不断な男と付き合うと毎回外食でイライラする羽目になる〜

リリアの元に、最近他の女性と挙式を上げた元婚約者のランドロフ卿が訪ねてきた。


「自分の下着も作って欲しい」


ランドロフ卿のまさかの発言に、リリアは耳を疑った。

そして、なんやかんやで、依頼を引き受けることになったリリア達。

しかし、メンズブラに関して、何も情報がない。

少しでも情報を得るために、現世とコンタクトをとる必要があると考えたリリアは黒魔術師を頼り、無事スマートフォンを手に入れた。

店に戻ると、クロウリーがオーダー通りの試作を作っていた。

しっくり来ないデザインに頭を悩ませていたが、シンプルな無地のものを試作としてランドロフに見せてみると、他の試作も見られてしまうことに。

しかし、全ての試作を気に入ったというランドロフ。

後日、選べないから任せるといった旨の手紙がリリアたちの元に届いた。

「いや丸投げかい!」


手紙を読み、思わず声に出して突っ込んでしまった。


ランドロフ様と結婚しなくて本当に良かったね。リリア様に対して改めて思う。

優柔不断な男なんて、どうせこの先、事あるごとにちんたら悩んで苦労するに決まってる。


「はぁ……どうしましょう」


ため息が止まらない。クロウリーはミシンを動かす手を止めて、私の手から手紙をひょいと取り上げた。


「確かに全部気に入ってるように見えたな」

「……いえ。逆だと思います」


私の言葉にクロウリーは小さく首を傾げた。


「そこそこに好印象だったのでしょう。しかし、どれも飛び抜けて気にいるものがなかった。決定打がなかったから、選べなかった」

「じゃあ、俺たちのオススメを推しても良いんじゃないか?」


「なんでも良い」と言われた時ほど、難しいものはない。


そう言われたからと言って、『どれを選んでも正解』ではない。逆に、『どれを選んでもハズレ』になる場合もある。


「……おそらく、そういうわけでもないのです」


例えば、服屋にて。買うのを迷っている服があるとする。そこに店員がやって来て、商品の説明をしてくれる。ほとんどは、勧められるがままに商品を買うだろう。しかし、中には最初は乗り気だったが、店員から勧められるほど、気持ちが醒めていってしまう人間もいる。

私みたいに。

迷っているお客様に対して、言葉をかけるのは諸刃の剣だ。

この場合は特に注意を払う必要がある。


「分からんな」


ぼそり、とクロウリーが呟いた。


「これ以上、考えていても仕方がない。三つとも作ってみるか?」


三つとも作る。時間や手間は掛かるが、それが一番良いような気もする。

でも、全部作って渡せば、足し算になるんだろうか。

お客様を真の意味で満足させるには。


「……それですわ」


足し算。そこそこ気に入っているものを三つ、ではなく。三つを足して、とっておきの商品を作れば良い。


「全部。全部作れば良いのです!」






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