メンズブラ13〜装飾マシマシチョモランマ〜
リリアの元に、最近他の女性と挙式を上げた元婚約者のランドロフ卿が訪ねてきた。
「自分の下着も作って欲しい」
ランドロフ卿のまさかの発言に、リリアは耳を疑った。
そして、なんやかんやで、依頼を引き受けることになったリリア達。
しかし、メンズブラに関して、何も情報がない。
少しでも情報を得るために、現世とコンタクトをとる必要があると考えたリリアは黒魔術師を頼り、無事スマートフォンを手に入れた。
店に戻ると、クロウリーがオーダー通りの試作を作っていたようだが、しっくり来ないデザインに頭を悩ませていた。
どうしたら、コスプレグッズ感を払拭できるのか。
苦労して手に入れたスマートフォンで、早速調べてみることにした。
『メンズブラ』
私が知らないだけで、女性タイプとは異なる型があるのかもしれない。
しかし、特に有用な情報は得られなかった。
大手女性下着メーカーのホームページもチェックしてみる。ショーツは男性用と同様に、ブリーフ、トランクス、ボクサーパンツ等の分類がされているが、ブラジャーともなると、そもそも取り扱いがなかったり、男性の体型に合わせて作られてはいるものの、デザインは女性用をそのまま転用したものだったり。
「どうしましょう……」
収穫なし。思わず、言葉を失う。
とにかく、もう一度問題を見直してみよう。
「いくつか試作があるのですよね。見せていただけますか?」
「……分かった」
そう言って、クロウリーはハギレの山から、いくつかの試作を取り出した。
「俺はこれが一押しだな」
一つ目は、かなりシンプルなデザイン。
生地は妻のものと同じ、パールの光沢が輝く最高級シルク。ただし、カラーは黒でシャープな印象だ。余計な装飾はなく、シックさが際立つ。
ザ・男物。
これなら、一般ウケも悪くないはず。
二つ目は一つ目の色違い。
カラーは妻と同様、白寄りのアイボリー。
こちらも無地で装飾はなし。シンプルなデザインだが、色が同じなので、一つ目よりもお揃い感がある。
ただし、男性用下着としては、珍しい色合いではある。
そして三つ目は。
「こ、これは……」
「煮詰まってヤケクソになった結果、こうなった」
とてつもない問題作。
素地は二つ目と同じ。シルクの生地。カラーは淡いアイボリー。ここまでは良い。
大ぶりのレースはカップ周囲どころか、最早大きくはみ出している。ミモザの刺繍もふんだんに使われ、カップをびっしりと覆い隠している。
まるで、
「これはちょっと……」
「流石にやり過ぎた」
三つ手に取り、よく見比べる。
メンズブラとしてしっくり来るのは、どう考えても一番目。
しかし、妻とお揃いという本人の希望を優先すると二番目。
三番目はノーコメントで。
よし、決めた。
「ご本人の意向を考えると、二番目が良いと思います」
「分かった。これで行こう」
一旦、ランドロフを呼んで、試作段階の二番目を見せつつ、進捗状況を伝えることにした。
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