メンズブラ12〜イケメンの『おかえり』でしか得られない栄養がある〜
リリアの元に、最近他の女性と挙式を上げた元婚約者のランドロフ卿が訪ねてきた。
「自分の下着も作って欲しい」
ランドロフ卿のまさかの発言に、リリアは耳を疑った。
そして、なんやかんやで、依頼を引き受けることになったリリア達。
しかし、メンズブラに関して、何も情報がない。
少しでも情報を得るために、現世とコンタクトをとる必要があると考えたリリアは黒魔術師を頼り、無事スマートフォンを手に入れた。
イザベラとフローレンスに礼を言って、急いで店へと戻ると、げっそりとやつれたクロウリーが床に倒れていた。
「し、死んでる」
「……勝手に殺すな。おかえり」
むくり、とクロウリーが不服そうに起き上がった。
おかえりってイケメンから言われるのって、同棲してる感があって良いな。
って、ときめいている場合じゃない。
まさか、少し店を空けただけでこうなるとは思わなかった。
作業は難航しているようで、辺りにはハギレや型紙が散乱している。一日飲まず食わずで、一心不乱に仕事に打ち込んでいたんだろう。
「お疲れ様です。進捗状況はいかがですか?」
「まぁまぁ、と言いたい所だが……あんたに強がっても仕方がないな。正直に言う。助けてくれ」
「勿論です。何をすれば良いのでしょうか?」
「男性の体型に合ったブラジャーとショーツを作るところまでは出来たんだが、デザインがしっくり来ない。アイデアをくれ」
「ランドロフ様のご希望はミモザさんとのお揃いだったはず。つまり、ミモザの花とレースをあしらえば……」
「それは俺もやってみたんだが……コレジャナイ感がすごい。ほら、そこの試作を見てくれ」
布の山からそれらしきものを探して、よく観察してみる。
生地は滑らかな手触りと上品なパール感が輝く、最高級のシルク。カラーは白寄りのアイボリーにして、上品な印象に。
生地にはフレグランスを練り込んであり、アカシアがほのかに香る。
装飾はシンプルに。アンダーと裾にミモザの花の細かなレースをあしらった。
「確かにこれは……」
どこかで見たことがある。というより、ミモザのブライダルインナーをそのままメンズ用にしたものだ。
しかし、ブライダルインナー用の繊細な作りが男性サイズと全くマッチしておらず、ちぐはぐな印象を受ける。
イケてない。まるで安っぽいコスプレグッズだ。
「な、そうだろ」
クロウリーはやれやれと肩をすくめた。
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