メンズブラ10〜ベンチャー企業の敏腕女社長は元悪役令嬢〜
リリアの元に、最近他の女性と挙式を上げた元婚約者のランドロフ卿が訪ねてきた。
「自分の下着も作って欲しい」
ランドロフ卿のまさかの発言に、リリアは耳を疑った。
そして、なんやかんやで、依頼を引き受けることになったリリア達。
しかし、メンズブラに関して、何も情報がない。
少しでも情報を得るために、現世とコンタクトをとる必要があると考えたリリアは、黒魔術師を頼ることに。
黒魔術師に言われ、泉に強く念じると、現世の自分が水面越しにこちらを覗き込んでいた。
その中身は元の人格の、悪役令嬢リリアだった。
つまり、転生ではなく、悪役令嬢リリアと限界社畜OL狛枝かなめの人格が入れ替わっていた。
リリアinかなめはこれまでの事情を話すと、かなめinリリアは覗き込んでいたトイレの中にスマートフォンを投げ入れた。
あのスマホ、気に入ってたのに。
あまりのショックにヘナヘナと崩れ落ちる。
その数秒後。ばしゃっ、と水音がして、泉から何かが飛んできた。
まさか。
近寄って確認する。
一昔前の機種。テーマパークで買った、うさぎのムーさんのケース。
間違いない。私のスマートフォンだ。
おかえり。
久しぶりに触ると、愛おしさすら感じる。
こんなにびしょびしょになって。
って、この水は向こうの世界のトイレの水だ。
その事実に気付いてしまうと、愛おしかったスマートフォンが途端に汚物に見えてきた。
「大丈夫。用を足す前でしたので」
「いや、全然大丈夫じゃないんだけど」
「我が社は新築ビルですので、お手洗いも清潔ですわ」
我が社?新築ビル?馴染みのない単語がいきなり出てきた。
「どういうことですか?」
「こちらも色々ありまして……貴女が働いていた会社を辞めて、企業したらこれがまぁ波に乗りまくりでして。おかげさまで、都内に本社を構えることができました」
さっぱり分からない。
誰か助けて欲しい。
「ちょ、ちょっと待ってください。理解が追いつかないです」
「つまり、ベンチャー企業の女社長になりましたの」
リリア様はふふん、とドヤ顔でそう言った。
私が波瀾万丈の悪役令嬢人生を送っていたように、リリア様も限界社畜OLをしていたのかと思いきや、どうやら向こうでとんでもないことになっているらしい。
「っていうか勝手に仕事辞めないでくださいよ」
「だって、経理なんて分かりませんもの。髪の薄くて偉そうな男性にやいやい言われてムカついたのでぶん殴って、こちらに来たその日に辞めました」
髪が薄くて偉そうな男性。おそらく部長だ。
上司殴って自主退職。頭が痛くなってきた。
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