メンズブラ8〜就寝前の読書は淑女の嗜み〜
リリアの元に、最近他の女性と挙式を上げた元婚約者のランドロフ卿が訪ねてきた。
「自分の下着も作って欲しい」
ランドロフ卿のまさかの発言に、リリアは耳を疑った。
そして、なんやかんやで、依頼を引き受けることになったリリア達。
しかし、メンズブラに関して、何も情報がない。
少しでも情報を得るために、現世とコンタクトをとる必要があると考えたリリアは、黒魔術師を頼ることに。
案内された黒魔術師の家は、まさかの『はじめてのお客様』であり、ファーストブラを提供したフローレンスであり、黒魔術師はフローレンスの母のイザベラだった。
「さて、本題です。異世界との交信とのことですが……まずはイメージです。どういった手段で、誰と、何の話をするのか。できる限り具体的に、頭に思い浮かべてみてください」
具体的、と言われても困ってしまう。
ただ、インターネット環境を手に入れて、メンズブラについて知りたいだけ。コミュニケーションを取りたい相手が向こうの世界にいるわけではない。彼氏もいないし、友達も少ないし、親とは数年単位で連絡を取っていない。
とりあえず、スマートフォンをください。それさえあれば後は何でもいいです。
頭の中で強く念じる。
「思い浮かべましたわ」
「いいでしょう。では、頭の中で思い浮かべた人と、最後に交わした言葉を口にしてください」
ちょっと待って。
特定の人物を思い浮かべてない場合は、どうすればいいんだろう。
最後にスマートフォンで見たものって何だっけ。
うーん、と頭を悩ませながら、必死になって思い出す。
最近は色々あり過ぎた。向こうの世界にいた時の記憶が、遠い昔のように感じる。
記憶を遡り、ようやくうっすらと風景が浮かんできた。
あぁ、あれだ。
そして、引っ張り上げた記憶を勢い余ってそのまま口に出してしまった。
「最後に見たのは……『不滅の鬼才児』の紅寿丸×蒼太郎のスケベ小説……」
あれは良かった。とても良かった。ハッピーエンド厨の私も大満足のラブラブっぷり。
やっぱり二次創作はイチャラブじゃないと。
うっとり思い出して、ふと我にかえる。
いや、萌えとる場合か。
そう自分にツッコんだ瞬間、泉がまばゆく輝き出した。
水面を覗き込むと、そこにいたのは。
黒縁眼鏡をかけた、冴えないアラサーOL。
現世の『私』だった。
「わ、私……?」
かつての自分の顔に問いかけると、『私』もまた不思議そうな顔でこちらを覗き込んでいる。
「あら、あなた……『私』ですわよね?」
『私』は高飛車な悪役令嬢口調でこちらに話しかけてきた。
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