ブライダルインナー6〜メリケンサックで結婚式に殴り込み〜
悪役令嬢に転生した『私』はコルセットよりも快適でデザイン性の高い下着を作るために、下着屋を作ることになった。
リリアは恋敵のミモザからブライダルインナーの依頼を受け、ようやく完成が見えてきた。
しかし、なぜか既に結婚式が始まってしまい……。
衝撃的な発言に、頭が追いつかない。
ランドロフ卿とミモザの結婚式が始まってる?
納期は来週のはず。きっと、何かの間違いだ。
「ど、どういうことですか?」
「騎士団本部に人だかりが出来ていて、何かと思って見に行ったんだ。そしたら、今から騎士団長の挙式だって言われて……」
「最初から、そのつもりだったのかも」
チャルカがポツリと呟いた。
「ブライダルインナーなんか着けるつもりなかったんだよ。たぶん、元カノのリリアちに結婚式を邪魔されたくなかったんじゃないかな。だから、リリアちが頑張ってる隙に不意打ちで結婚式を挙げたんだ」
つまり、私がランドロフと自分の結婚式を再び邪魔しに来ると思い込み、一時的に気を逸らすためにブライダルインナーを注文して、こうやって時間を稼いだ。
全て無駄だった。
私たちがここまで心血を注いだこのブライダルインナーは、着られずに終わる。
皆の表情がみるみる曇っていく。
いや、まだだ。
この目ではっきりと確認するまでは。
ミモザと話し合おう。
「とりあえず向かいましょう」
クロウリー、フィン、チャルカを引き連れ、騎士団本部へと出発した。
道中、道行く人々が私達に注目する。
心配をしてくれる人。好奇の目を向けてくる人。哀れみの視線を寄越してくる人。
無理もない。殴り込みに行きますよ、と言わんばかりに、堂々と式場である騎士団本部へ向かっているのだから。
それでも、真っ直ぐ前を向いて歩く。
そして、とうとう騎士団本部へと辿り着いた。
結婚式を一目見ようとする人々で混雑していたが、私たちを見ると、モーゼの海割りの如く、道が開いた。
今から、ちょっと待ったーーっ!!ってやつをやると思うと緊張してきた。
ドアの前で、深呼吸を一つ。
「これ、良かったら使いな」
チャルカがブレスレットを渡してきた。キラキラ輝くゴールドのチェーンに指輪が四つ連なっている変わったデザインだ。
受け取ると、見た目からは想像できないほど重たい。
「これ、試作品のブレスレット。メリケンサックにもなる激ヤバアクセなんだけど、着けてみて」
物理的に殴り込むって思われてる?
でも、せっかくの好意を無碍にするのも申し訳ないし、ありがたく頂戴することにした。
腕に着けて、指を通してみる。
なんだか、攻撃力がとても上がった……気がする。
「いい感じですわ」
ぐっと右の拳を握る。そして、左手で扉を開いた。
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