ブライダルインナー4〜親しきギャルにも礼儀あり〜
悪役令嬢に転生した『私』はコルセットよりも快適でデザイン性の高い下着を作るために、下着屋を作ることになった。
リリアは恋敵のミモザからブライダルインナーの依頼を受け、頭を悩ませている。
「話はぜーんぶ聞いてたよ。ウチも本気出してバリ頑張るからね」
心配すんな、とチャルカは親指を立てた。
その隣で、フィンが醒めた目をしている。
なんか、全然似てないなこの兄妹。むしろ、正反対だ。
「おやおや。ウチみたいなのが仕事できるんか〜?みたいな顔してんな?ちょいまち!」
腕前を疑っていたわけではないが、ジロジロ見ていたのが良くなかった。
誤解をしたチャルカは、奥の部屋へと引っ込んでしまった。
気まずい。フィンと二人きりだ。
身内を馬鹿にされて、良い気はしないだろう。
謝ろう。口を開きかけた瞬間、ガシャン、と物が落ちる音が響き渡った。
「だ、大丈夫ですか?」
「まぁ見てろ」
再び、パリーンと何かが割れる音。ドスンドスンという巨人の地団駄のような音。ガンガンと固いものを叩きつける音。
「ごめん!待った?」
ようやく現れたチャルカは何か柔らかい布のようなものを抱えている。
「これね、ウチの超ロングセラー商品!持ってみ!」
ショッキングピンクのストールだろうか。肌触りが良さそうで、色さえまともなら欲しいくらいだ。
両手で受け取ると、思いもよらぬ感触。
見た目からは想像できないほど重い。重過ぎて、床に落としそうになるほどだ。
「な、なんですの、これは?」
「これはウチが発明した商品で、純度の高い極細金属糸を超超超高密度で織ったストール!重くて硬くて可愛いって評判なんよ!女戦士の間で、このゴツ過ぎずイケてる防具がバズってるってわけ」
「極細糸で高密度。効率は最悪だがな」
「フィンち辛辣ぅ〜!」
兄妹はきゃっきゃと楽しそうにしている。
金属糸のストール。普通の糸よりも手間はかかるし技術も必要だろう。
方向性はともかく、腕はありそうだ。
作品の出来次第ではスカウトしてもいいかもしれない。
「しっかし……まさか、騎士団長のお相手がミモちんとはねぇ」
あっはっは、とチャルカが豪快に笑った。
ミモちんって、ミモザのことだろうか。あだ名で呼ぶということは、面識があるのかもしれない。
「お知り合いですか?」
「うん。ウチら同じギャルサーだったかんね」
ギャルサー懐かしいな。まだあるんだ。
っていうか、ミモザって正ヒロインなのにギャルなんだ。
「ミモちんはね。悪いやつじゃないんよ」
「……そうですか」
「超嫌なヤツってだけ!」
駄目じゃん。
「そんなに仲良かったわけじゃないけど、お祝い事だからね!ミモちんにスッベスべのシルクを作っちゃる!」
「チャルカもそう言ってるし、期待して待ってろ」
三人で細かい部分の打ち合わせを終え、私は帰路に着いた。
ちょっと心配だけど、今は信じて待つしかない。
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