ブライダルインナー1〜結婚雑誌は付録が本体〜
ウェディングドレスを担いで帰ってきた私を見て、クロウリーは明らかにドン引きしていた、
「追い剥ぎしてきたのか?」
「違います!」
そもそも、ブライダルインナーとはウェディングドレスを美しく着こなすためのもの。ミモザのウェディングドレスを一旦借りてから、それに合わせたインナーを作る必要がある。
経緯を話すと、クロウリーは大きなため息を吐いた。
「ったく、婚約者を寝取った女だぞ。ざまぁみろ、って嘲笑って断れば良かっただろ」
「そんなこと、考えもしなかったわ……」
「アンタ、人が良すぎるだろ」
お金に目が眩んでいたので、とはカッコ悪いので言わないでおこう。
クロウリーは呆れ笑いを浮かべながら、髪をかき上げた。
イケメンのやれやれ仕草。見惚れている場合じゃないのに、つい目を奪われてしまった。
いけない、いけない。相手は従業員。セクハラにならないよう、気をつけよう。
「ブライダルインナー、ねぇ……」
「こちらの世界にはありませんの?」
「ない。ウェディングドレス用のコルセットはある」
まーたコルセットか。
トラウマに思わず口元が引き攣る。
「おそらく、ミモザは『太ったからドレスが入らない』と言っていたが、太ったことによりコルセットで体型が補正しきれなかったんでしょうね」
「なるほどな。よし、そっちの世界のブライダルインナーについて教えてくれ」
ブライダルインナー。ウェディングドレスを着る時に、ボディラインを美しく見せるために着ける下着。補正力が高く、バストやヒップをキュッと引き上げたり、ウエストを引き締めてくびれを作ったり、体型をすっきり見せることができる。
種類はウェディングドレスの型にもよるが、上半身なら、コルセットに似たビスチェタイプやブラジャーとウェストニッパーを組み合わせるセパレートタイプ。下半身ならガードルタイプやドロワーズなどがある。
とりあえず、知ってることを全てクロウリーに伝えた。
「……やけに詳しいが、服飾関係の仕事をしてたわけじゃないんだよな」
「はい。ゴリゴリの経理ですわ」
「じゃあなんでそんなに詳しいんだ?」
「結婚雑誌で読んだことがあります」
「アンタ、結婚してるのか?」
「いえ、独身です。彼氏もいませんが、付録欲しさによく買ってました」
結婚する予定は全くないが、付録だけはやたら豪華だったので、つい買ってしまい、そのまま捨てるのも憚られたので毎回目は通していた。
「うさぎのムーサンの手帳とか、チャッピードッグのポーチとかが欲しくて……」
なんか自分で言っていて虚しくなってきた。
「と、とにかく、前金を頂いたからにはミモザさんも大切なお客様です。早速、作っていきましょう」
「それは良いんだが、アンタの下着がまた後回しになるぞ」
「……しゃあなし、ですわ」
雑巾ブラジャーにも慣れてきた。
というか、もはや若干の愛着が湧きつつある。
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