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プロローグ2〜辛辣メイドの毒舌とノーブラの予感〜


「死ぬ死ぬ死ぬ」

「これくらいでは死にませんわ」


メイドAとBが左右から容赦なく紐を引っ張り、ギチギチと身体が締め付けられる。まるで蛇に寝技でもキメられているような拘束感だ。

寝技なんてキメられたことないけど。


「ギブ!ギブ!」


必死にそう叫ぶと、メイド達は不満そうな表情で手を止めた。


「一体何ですか?」

「いや、これ何?」

「コルセットですけど」

「絶対に着なきゃダメ?っていうかブラジャーは?」

「ブラジャーとは?」


メイド三人が一斉に首を傾げた。

ひょっとして、この世界にはブラジャーは存在せず、ギチギチコルセット一択なんだろうか。

信じたくない。それは絶対に。


「お嬢様。お言葉ですが、ドレスを美しく着るためにはコルセットは必要不可欠です」

「でも、でも……」

「そんなんだから、婚約者のランドロフ様を町娘に寝取られるんです」

「なんか厳しくない?私って一応主人だよね?」

「普段からこうでしたよ。全く、いつも着ていたコルセットまで根を上げるだなんて、変なお嬢様。拾い食いでもされましたか」


メイド達の暴言は止まらない。

何この悪役令嬢。メイドから犬だと思われてる?

ここまでずけずけと言われるのだから、親しみやすい性格の悪役令嬢だったのかもしれない。


「とにかく、絶対に着ていただきます。ビューティフルにドレスを着こなして、ランドロフ様を寝取り返してやりましょう」


寝取り返すとは。

にっこりと黒い笑みを浮かべたメイド達は有無を言わせずコルセットをさらに締め上げた。


「うぅ……苦しい……」


メイド達が去った後。

ベッドに伏せ、うめくことしか出来ない。

その間も、コルセットがギチギチと臓器を圧迫する。

これでは食事も喉を通らない。通ったとしても絶対にリバースする。

悪役令嬢、栄養失調で死亡。

間抜けすぎる。そんな小説、見たことがない。

脱ぐ一択。でも、ノーブラドレスは流石にマズい。

貧乳だからバレなかったとしても、普通に嫌だ。

なんとかして、コルセットの代わりを見つけないと。

ひょっとしたら、お店でブラジャー的なものが売っているかもしれない。

町娘変装セットと書かれた箱の中を漁り、私は城下町へと繰り出すことにした。


面白いと思ったら評価・ブックマークして頂けると嬉しいです!

悪役令嬢が好みの下着を手に入れるために気合いを入れて続編を書きたいので、よろしくお願いします!

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