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詩集:忘れてもいいよ

知らんぷり

作者: 歌川 詩季

「知ったかぶり」よりは、可愛いですかね。

 はずんだボールをおいかけてった

 まっ黒アスファルトに変わる道を

 わきめもふらないふりしてるけど

 はしっこにちらっとみつけてたよ

 信号 青く灯るころには

 まあるい黄色はどっかへ消えた

 とりのこされたのはあたしと

 声もかけられないあなただけ


 ねぇ こんなときはあんまり慎重に

 ことばなんか選ばなくていい

 そばにいてくれるのちゃんと

 きづかせてくれるなら

 それだけで安心できちゃうから


 ずっとわかってたんだ 淋しさに

 他の名前をつけて楽になるのも

 嘘つきには種類があるけど

 あんまり賢いやりかたじゃないや

 やっとわかったってば やさしさで

 終わっちゃうなんてもったいない

 だけど わたしのほうが切り出すのはちがう

 両腕ひろげて待ってるから その日が来るまで

 知らんぷりしておくわ

 


 しぼんだ風船 飛ばされてった

 失くしたポラロイドに写る顔も

 涙は見せないつもりだけど

 はしっこにきらっと光ってたよ

 夕日が赤く沈むころには

 四角いお部屋が恋しくなるの

 とりのこされるのが怖くて

 鍵もかけられない自転車で


 ねぇ 帰り道でばったり偶然に

 ことばをかけてくれなくちゃだめ

 すれちがうのちゃんと

 きづいててくれてても

 それだけじゃ足りなくなっちゃうから


 ずっとわかってたんだ 愛しさに

 他の名前をつけてごまかしてきた

 嘘つきには理由があるけど

 ずいぶんばかげたやりかただって

 やっとわかったってば 嬉しさで

 あふれちゃうなんてもったいない

 だけど わたしのほうが認めるのは悔しい

 背中むけたまま待ってるから それまでは

 知らんぷりしておくわ

 いや、むしろ「知ったかぶり」のほうが、可愛げあるかも(笑)

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― 新着の感想 ―
[良い点] おお、歌詞っぽいと思い感想を見たら、成程となりました。 ギターに乗せると雰囲気ありそうですね。 知らんぷり、言葉にすると可愛いんですがね……
[良い点] 歌の作詞も創作されるのですね。多才なのですね! メロディやコード進行はあるのでしょうか。いわゆる、詞先でしょうか。 はずんだボールとしぼんだ風船、ねぇで始まるキュンな本音、両手を広げてと…
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